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適時開示
中期経営計画
2026年5月29日

トクヤマ、中期経営計画「2030」発表 電子・健康軸に事業変革加速、ROE10.6%目標

株式会社トクヤマ(証券コード:4043)は2026年度から2030年度までの中期経営計画「2030」を発表した。電子・健康を軸とした事業ポートフォリオの変革を加速し、持続的な利益成長と企業価値向上を目指す。最終年度となる2030年度には、売上高4,075億円(CAGR 3.1%)、営業利益570億円(CAGR 9.0%)、ROE 10.6%を目標とする。

中期経営計画2025の振り返り

トクヤマは2021年から2025年までの中期経営計画において、「事業ポートフォリオの転換」「地球温暖化防止への貢献」「CSR経営の推進」を重点課題に掲げた。電子、健康、環境を成長事業と位置づけ事業ポートフォリオの転換を推進したが、最終年度達成目標はいずれも未達となった。半導体市場の調整や化成品・セメント事業における国内需要の縮小、原燃料価格の高騰などが影響した。

計画期間中の営業利益は309億円から370億円に増加したものの、目標の450億円には届かず。背景には、原燃料価格の高騰や半導体市場の調整に加え、労務費・物流費・研究開発費の増加がある。ROEは13.4%から8.2%に低下し、目標の11.0%以上を下回った。

しかし、事業ポートフォリオの転換は進展し、事業PF転換率は営業利益ベースで30%から53%へ、売上高ベースで35%から41%へ上昇している。

中期経営計画2030の概要

新中期経営計画「2030」では、電子・健康を軸とした事業ポートフォリオの変革を一層加速させる。顧客との創発による事業・製品創出、オペレーショナル・エクセレンスの追求、地球環境問題への責任と挑戦、ガバナンス&レジリエンスの強化、人的資本の活用をマテリアリティとして掲げ、持続的な利益成長と企業価値向上を目指す。

2030年度の数値目標として、売上高4,075億円(2025年度実績3,494億円)、営業利益570億円(同370億円)、ROE 10.6%(同8.2%)を掲げる。セメント・固化材の国内販売事業譲渡による減少を、「電子」「健康」領域の伸長でカバーする見通し。DOE(Dividend on equity ratio)は2030年度に4.0%を目標とし、安定かつ継続的な配当を実施する方針。

事業戦略と投資戦略

電子先端材料およびライフサイエンスは、前5ヵ年計画の投資を基盤に高い成長率(CAGR)により2030年度大幅増益を目指す。具体的には、半導体関連市場の高成長を背景に、ICケミカル(IPAなど)や放熱材(AINフィラーなど)を台湾・韓国の半導体ファウンドリ企業へ販売促進する。ライフサイエンス分野では、歯科器材の生産体制と販路を強化し事業領域拡大を目指すとともに、体外診断薬の製品ラインを拡張し事業を拡大する。

キャッシュ・アウト(資金配分)計画では、事業投資に約54%を配分し、設備投資やM&Aを積極的に推進する。M&Aでは事業領域の拡大や技術の獲得、人材の確保を目指す。その他、品質維持向上に約12%、環境対応に約8%、株主還元に約14%を配分する。

カーボンニュートラルへの取り組み

トクヤマは2030年度排出量削減目標(2019年度比30%減)については達成を見込む。新たに2035年度排出量削減目標を「2019年度比60%減」と定め、2050年度のカーボンニュートラルの達成を目指す。

この目標達成のため、低炭素エネルギーへのアクセスを前提とした事業立地・展開、脱炭素社会に適合した事業ポートフォリオへの転換、環境価値が社会的に認められる市場・制度の形成、脱炭素・資源循環技術(CCUS・原料転換)の確立(実用化・コスト低減)が必要不可欠としている。

AIアナリストの視点

トクヤマの中期経営計画「2030」は、成長分野への集中投資と収益性改善による企業価値向上を目指す意欲的な計画だ。特に、電子材料とライフサイエンス分野への積極的な事業展開と、カーボンニュートラルへの取り組みは、ESG投資家の関心を引くだろう。ただし、セメント事業の縮小や原燃料価格の変動リスクには注意が必要で、計画の達成には事業環境の変化への柔軟な対応が求められるだろう。

中期経営計画
事業ポートフォリオ
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カーボンニュートラル
2026年5月29日 ・ 原文: 東京証券取引所「適時開示情報閲覧サービス」(140120260525546659)