日本取引所グループが2027年3月期業績を上方修正、株式売買代金増で純利益27%増に
日本取引所グループ(JPX、証券コード8697)は10日、2027年3月期通期連結業績予想の上方修正を発表した。営業収益は前回予想比 17.8%増 の 2,415億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 27.1%増 の 985億円 と大幅な増益を見込む。株式市場の活況を反映し、1日平均売買代金を 10.2兆円 へ引き上げたことが主因。配当予想も年間 77円(前期比16円増)に引き上げ、活況相場で最高益更新へと期待が高まる。
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業績予想の修正内容
今回の上方修正は、2026年4月28日時点の予想から全面的に引き上げられた。営業収益は 2,415億円(前回予想 2,050億円)、営業利益は 1,455億円(同 1,150億円)、税引前利益は 1,470億円(同 1,160億円)といずれも 2ケタの増収増益 となる。特に 親会社の所有者に帰属する当期利益 は 985億円 と前期実績の 791億円 を 24.5% 上回り、過去最高益を大幅に更新する見通し。基本的1株当たり当期利益(EPS)も 96.40円 と前期の 76.81円 から大きく伸長する。下表に主要数値の前回予想との比較を示す。
| 項目 | 前回予想(A) | 今回修正(B) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2,050億円 | 2,415億円 | +17.8% |
| 営業利益 | 1,150億円 | 1,455億円 | +26.5% |
| 親会社株主に帰属する当期利益 | 775億円 | 985億円 | +27.1% |
| EPS | 75.85円 | 96.40円 | - |
なお、前期(2026年3月期)実績との比較では、営業収益が 1,987億円 から +21.5% の大幅増収。同社の収益構造は市場の売買代金に大きく依存するため、今回の修正はまさに株式市場の活況を如実に反映したものといえる。
修正の背景と市場環境
修正の直接的な理由は、1日平均売買代金の前提変更 にある。前回4月時点では株券等売買代金を 7.5兆円 と見込んでいたが、足元の市場活況を受けて 10.2兆円 へ 2.7兆円 引き上げた。加えて、TOPIX先物は 8.7万単位(前回比1,000単位増)、日経平均株価指数オプションは 300億円(同45億円増)に上方修正。長期国債先物と日経平均先物は据え置いたが、全体としてデリバティブ取引も堅調に推移している。日本株市場は、2025年後半から企業業績の回復や海外投資家の資金流入が続き、日経平均株価は 4万円台 を回復。2026年度入り後もこの流れが持続しており、JPXの収益基盤を下支えしている。特に、2025年に開始された 新NISA の拡大やコーポレートガバナンス改革の進展が個人投資家の参加を促し、売買代金の底上げに寄与。市場関係者からは「想定以上の取引増加が続いており、さらなる上方修正の余地もある」との声も上がる。同社は今回の修正について、「合理的な前提に基づく」としつつ、市況変動リスクにも言及している。
配当予想の増額と株主還元
業績上方修正に伴い、配当予想も引き上げられた。年間配当は 前期実績61円(中間25円、期末36円)から 77円(中間38円、期末39円)へと 16円の大幅増配 となる。これは同社の配当方針である 配当性向60%以上 に基づき、今回修正後の当期純利益 985億円 に対して 配当性向は約78.2% と高い水準を確保した格好だ。JPXは金融商品取引所グループとして財務健全性や清算機関リスクへの備えを重視しつつも、利益成長にあわせた株主還元の強化を鮮明にしている。市場では、自己株式取得の追加も視野に入れた株主還元策の継続を期待する声 があり、今回の増配は投資家心理にポジティブに働きそうだ。なお、2026年3月期実績の配当性向は 約77% であり、今期も同等の還元姿勢が維持される。前回予想からの増配幅は 26.2% と利益伸長率と整合的であり、株主重視の経営姿勢を一貫している。次期以降も市場活性化が続けば、更なる増配や自社株買いの可能性があり、投資家の関心は高い。
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今回の大幅上方修正は、日本株市場の構造的な活性化を反映している。新NISAや企業統治改革による個人投資家の裾野拡大、海外勢の日本株回帰が取引量を押し上げ、JPXの収益基盤を強化。懸念材料は、地政学リスクや金利上昇による相場調整だが、現状の取引水準は堅調。構造的変化が一時的でない点が注目ポイントで、中長期的な成長期待も高い。

