サカタ、2027年5月期第1四半期決算、増収も営業利益24%減で海外卸売が重荷

サカタの決算分析では、2027年5月期第1四半期は売上高が前年同期比7.2%増の246億70百万円となった一方、営業利益は24.1%減の33億87百万円、純利益は38.4%減の22億39百万円と減益でした。海外卸売の増収が全体の売上を押し上げましたが、同事業の利益減少や販管費の増加が重荷となり、増収が利益成長につながらない決算となりました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 247億円 | +7.2% | 1,100億円 | 22% |
| 営業利益 | 34億円 | -24.1% | 135億円 | 25% |
| 純利益 | 22億円 | -38.4% | 100億円 | 22% |
| 営業利益率 | 13.7% | |||
この決算のポイント
- 1海外卸売は売上高が前年同期比7.5%増えた一方、営業利益は27.1%減の38億13百万円にとどまった。
- 2販管費は前年同期比13.8%増。増加額のうち為替変動による影響は10億73百万円だった。
- 3EMEAの海外売上高は前年同期から12億93百万円増えた一方、アジア・太平洋は6億74百万円減った。
- 4通期予想は売上高1,100億円、営業利益135億円。第1四半期の営業利益進捗率は25.1%。
- 5米ドルとユーロの換算レートは前年同期より円安で、海外売上高と販管費の双方に影響した。
業績のポイント
サカタ(サカタのタネ)の2027年5月期第1四半期は、売上高が前年同期比7.2%増、営業利益が24.1%減、親会社株主に帰属する純利益が38.4%減でした。経常利益も24.6%減の36億71百万円となり、増収でも利益が大きく減少しました。
- 海外卸売の利益減少: 売上高は前年同期比7.5%増えましたが、営業利益は27.1%減少しました。
- 販管費の増加: 販管費は前年同期比13.8%増加し、売上総利益率も前年同期の69.7%から67.2%へ低下しました。
- 為替の影響: 販管費の増加額のうち、為替変動による影響額は10億73百万円と開示されています。
売上高の伸びに対して売上総利益の増加は限られ、費用の伸びが利益を圧迫しました。為替は海外売上の円換算額を押し上げる一方、販管費の増加にもつながっており、今後は増収を利益に結びつけられるかが焦点です。
セグメント別動向
海外卸売が増収減益となり、セグメント間で明暗が分かれました。以下の売上高・営業利益の前年比は、決算短信補足説明資料の数値です。
| セグメント | 売上高(億円) | 売上高前年比 | 営業利益(億円) | 営業利益前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内卸売事業 | 44.4 | +2.2% | 24.5 | +6.8% |
| 海外卸売事業 | 180.4 | +7.5% | 38.1 | -27.1% |
| 小売事業 | 9.3 | -1.0% | -1.5 | 赤字縮小 |
| その他 | 12.6 | +33.5% | 0.6 | +216.9% |
国内卸売事業は売上高が前年同期比2.2%増、営業利益は6.8%増でした。野菜の売上高が堅調に推移し、営業利益も増加しました。
海外卸売事業は売上高が前年同期比7.5%増えた一方、営業利益は27.1%減りました。地域別ではEMEAが売上を伸ばした一方、アジア・太平洋は減収で、品目や地域によるばらつきが見られます。海外売上の拡大だけでは利益を確保できず、採算の改善が課題です。
小売事業は売上高が前年同期比1.0%減りましたが、営業損失は縮小しました。その他事業は造園緑花事業などが伸び、売上高・営業利益ともに増加しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内卸売事業 | 44億円 | 18% | 25億円 | 55.2% |
| 海外卸売事業 | 180億円 | 73% | 38億円 | 21.1% |
| 小売事業 | 9億円 | 4% | -153百万円 | -16.4% |
| その他(造園緑花事業等) | 13億円 | 5% | 64百万円 | 5.1% |
通期見通し
会社が2026年7月に公表した2027年5月期の通期予想は、売上高1,100億円、営業利益135億円、純利益100億円です。今回の資料には通期予想の修正は示されておらず、第1四半期実績は営業利益で通期予想の25.1%に相当します。
| 項目 | 第1四半期実績 | 第2四半期予想 | 通期予想(7月公表) | 通期予想進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 246.7 | 525.0 | 1,100.0 | 22.4% |
| 営業利益(億円) | 33.9 | 60.0 | 135.0 | 25.1% |
| 経常利益(億円) | 36.7 | 55.0 | 135.0 | 27.2% |
| 純利益(億円) | 22.4 | 40.0 | 100.0 | 22.4% |
通期予想は今回の資料に掲載された7月公表値を示しています。前期実績やそれ以前の予想との比較数値は、この資料には掲載されていないため比較できません。第1四半期は売上が伸びた一方で営業利益が前年を下回っており、下期にかけて利益率を回復できるかが見通しの達成を左右します。
財務状況と資本政策
今回の補足説明資料には、総資産、自己資本比率、キャッシュフロー、配当、自社株買いに関する情報は掲載されていません。財務の健全性や株主還元の変更については、この資料だけでは判断できません。
| 項目 | 開示状況 |
|---|---|
| 総資産・自己資本比率 | 本資料に記載なし |
| 営業・投資・財務キャッシュフロー | 本資料に記載なし |
| 配当 | 本資料に記載なし |
| 自社株買い | 本資料に記載なし |
一方、業績への為替の影響は示されており、米ドルの換算レートは前年同期の1ドル144.82円から162.45円、ユーロは1ユーロ169.64円から185.44円となりました。販管費の増加額の一部を為替影響として開示しており、円安による海外売上の押し上げだけでなく、費用面への影響も含めた採算管理が重要です。
リスクと課題
第1四半期は海外売上高が伸びた一方、海外卸売の利益が大きく減りました。為替や地域ごとの販売動向、費用の増加が今後の利益に与える影響に注意が必要です。
- 為替変動: 円安は海外売上高の円換算額を押し上げる一方、販管費の増加要因にもなりました。為替レートの変化が続けば、売上と費用の双方に影響する可能性があります。
- 海外卸売の採算: 海外卸売事業は増収ながら営業減益でした。売上の拡大が利益の回復につながらない場合、連結業績の重荷となります。
- 地域ごとの販売変動: EMEAが増収となる一方、アジア・太平洋は減収でした。地域や品目ごとの動きの違いが大きく、販売先の状況を見極める必要があります。
- 販管費と利益率: 販管費の伸びが売上高の伸びを上回り、売上総利益率も低下しました。費用の増加を吸収し、利益率を持ち直せるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/30)
4,295円
最新終値(2026/10/23)
4,210円-2.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#サカタ#決算#決算分析#四半期決算#2027年5月期#海外卸売#種苗業界#為替影響
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コメント
サカタの第1四半期は、海外で売上を伸ばしながら利益が落ち込んだ点が最も気になります。為替による売上の押し上げだけでは、販管費の増加や海外卸売の採算悪化を補えていません。
通期予想は据え置かれた形ですが、進捗率だけで順調と判断するのは早計です。地域別・品目別の販売動向に加え、次の四半期で海外卸売の利益率が改善するかを確認したい決算です。
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株式会社サカタのタネ
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