群馬銀行、2027年3月期第1四半期決算、利ざや改善で純利益25%増

群馬銀行の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比8.9%増の729億円、経常利益は25.8%増の251億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は25.1%増の175億円となりました。貸出金利息の増加や非金利業務利益の伸びが利益を押し上げ、金利上昇を背景にした本業の改善が目立ちます。通期予想は据え置き、年間配当は前期比8円増の70円を見込みます。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 730億円 | +8.9% | — | — |
| 営業利益 | 252億円 | +25.8% | 950億円 | 27% |
| 純利益 | 176億円 | +25.1% | 650億円 | 27% |
| 営業利益率 | 34.5% | |||
この決算のポイント
- 1貸出金利息の増加などでコア業務純益は前年同期比21.2%増の196億円
- 2銀行業のセグメント利益は前年同期比48億円増え、全体の利益成長をけん引
- 3通期の経常利益予想は950億円、純利益予想は650億円で、ともに据え置き
- 4年間配当予想は前期の62円から70円へ増額、1株当たり8円の増配
- 5連結総自己資本比率は15.73%と、2026年3月末から0.60ポイント上昇
業績のポイント
群馬銀行(株式会社群馬銀行)の第1四半期は、経常収益が前年同期比8.9%増、経常利益が25.8%増、純利益が25.1%増となりました。金利上昇を本業の収益拡大につなげた決算です。
- 収益の伸び: 経常収益は66,968百万円から72,962百万円へ増加。貸出金利息の増加が主因で、貸出金利息は前年同期比23.0%増の28,724百万円となりました。
- 本業の利益: 投資信託解約損益を除くコア業務純益は前年同期比21.2%増の19,646百万円。貸出金利回りの上昇や非金利業務利益の増加が寄与しました。
- 費用の動き: 経常費用は前年同期比1.8%増の47,786百万円。預金利息などの資金調達費用が増えた一方、国債等債券売却損を含むその他業務費用は減少しました。
- 利益の進捗: 第2四半期累計の純利益予想32,000百万円に対する進捗率は55.0%。前年同期比で利益は伸びましたが、四半期ごとの収益変動には留意が必要です。
利益の伸びは、貸出金利息の増加に加え、前年同期に大きかった国債等債券売却損が縮小したことにも支えられました。一方、預金利息の増加は金利上昇の裏面であり、今後は貸出金や運用資産の利回り上昇が調達コストをどれだけ上回るかが焦点です。OHRは投資信託解約損益を除くベースで44.4%と前年同期から3.2ポイント改善し、収益力と効率性の双方に改善が見られました。
セグメント別動向
銀行業がグループの増益を主導し、リース業は増収ながら減益でした。セグメント利益の前年同期比では「その他」の伸びが最も大きく、事業ごとに収益の動きが分かれています。
銀行業は経常収益が前年同期比43億95百万円増え、セグメント利益も48億53百万円増加しました。貸出金利息や非金利業務利益が伸び、金利上昇と法人役務収入、預かり金融資産関連の収入増が利益を押し上げています。
リース業は経常収益が前年同期比12億71百万円増えた一方、セグメント利益は29百万円減少しました。増収がそのまま利益増につながっておらず、収益の質や費用の動向を引き続き確認したいところです。
- その他: 証券、保証、経営コンサルティングなどを含み、経常収益は前年同期比6億30百万円増、セグメント利益は3億45百万円増となりました。
銀行業の利益拡大が連結全体を支える構図は明確です。一方、その他事業も利益成長に寄与しており、銀行本体以外のサービス収入の広がりがうかがえます。以下は各セグメントの利益について、前年同期からの増減率を比較したものです。
- 銀行業+25.8%
- リース業-6.5%
- その他+42.2%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 620億円 | 83% | 237億円 | 38.2% |
| リース業 | 97億円 | 13% | 4億円 | 4.3% |
| その他 | 27億円 | 4% | 12億円 | 43.2% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は10兆8,837億円で、2026年3月末から278億円増えました。連結の自己資本比率は一般的な自己資本比率の定義で5.7%と、前期末の5.8%から0.1ポイント低下しましたが、国際統一基準の総自己資本比率は15.73%と前期末から0.60ポイント上昇しています。
| 項目 | 2026年6月末 | 前期末比・前年同期比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 10兆8,837億円 | 前期末比 +278億円 |
| 預金 | 8兆6,681億円 | 前期末比 +1,136億円 |
| 貸出金 | 7兆1,208億円 | 前期末比 -59億円 |
| 有価証券 | 2兆432億円 | 前期末比 +415億円 |
| 総自己資本比率(国際統一基準) | 15.73% | 前期末比 +0.60ポイント |
- キャッシュフロー: 第1四半期の連結キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、営業・投資・財務キャッシュフローの金額は開示されていません。
- 配当予想: 中間配当35円、期末配当35円の年間70円を計画。前期の年間62円から8円増える見通しで、配当予想の修正はありません。
- 自社株買い: 今回の短信に新たな自社株買いの発表はありません。
預金の増加が貸出金の増加を上回り、資産構成では有価証券も積み上がりました。株主還元は増配を計画する一方、利益成長と資本の厚みを維持できるかが今後の判断材料です。なお、自己資本比率5.7%は短信に記載された純資産を総資産で割る指標であり、国際統一基準の総自己資本比率とは別の数値です。
通期見通し
2027年3月期の通期業績予想は、2026年5月11日に公表した内容から変更ありません。会社は経常利益950億円、親会社株主に帰属する当期純利益650億円を見込み、前期比ではそれぞれ11.9%増、10.4%増の計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 950億円 | 950億円 | +11.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 650億円 | 650億円 | +10.4% |
| 1株当たり当期純利益 | ー | 171.73円 | 記載なし |
第1四半期の純利益は第2四半期累計予想に対して55.0%まで進みました。ただし、通期予想は据え置かれており、会社は予想達成を保証するものではなく、金利や市場環境などの要因で実績が変動する可能性があると説明しています。短信には前期の通期利益額が掲載されていないため、比較表では前期比の公表値を示しました。
リスクと課題
金利上昇は貸出金利息の増加につながる一方、預金利息や市場金利の変動を通じて費用・保有資産の評価にも影響します。短信で確認できる実績と会社の業績予想に関する注意点を踏まえ、主な注目点を整理します。
- 預金金利の上昇: 資金調達費用は前年同期比20.8%増え、預金利息は35.3%増加しました。調達コストの上昇が貸出金利息の増加を上回れば、利ざやや利益を押し下げる可能性があります。
- 有価証券の価格変動: 2026年6月末のその他有価証券は、債券の評価損が727億円となる一方、株式には評価益がありました。金利や株価の変動は評価損益や資本に影響します。
- 信用コスト: 金融再生法開示債権の総与信残高比率は1.18%で、前年同期の1.35%から改善しました。景気悪化や取引先の業況変化によって与信費用が増えるリスクは残ります。
- 業績予想の不確実性: 会社は、業績見通しが一定の前提に基づくもので、実際の結果はさまざまな要因で大きく異なる可能性があるとしています。
足元では信用債権の比率が改善し、与信費用も前年同期より減少しましたが、金利上昇局面では運用収益と預金コストの変化に時間差が生じます。貸出金利回りの上昇を維持しながら預金調達コストを管理できるかが、今後の利益成長と通期計画の達成を左右します。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/31)
2,538.5円
最新終値(2026/10/23)
2,434.5円-4.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#群馬銀行#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#金利上昇#利ざや#増配
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コメント
貸出金利息の増加が費用増を上回り、利益を押し上げた点は、金利上昇局面での地方銀行の収益改善を示す前向きな内容です。コア業務純益の伸びやOHRの改善からも、本業の収益基盤が強まっています。
一方、預金利息の伸びも大きく、現在の利益成長がそのまま続くとは限りません。貸出金利回りと預金金利の差を保てるか、また有価証券の評価変動を抑えられるかが、通期予想と増配を支える鍵になりそうです。
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