LIXIL、2027年3月期第1四半期決算、増収も営業利益74%減で赤字継続

LIXILの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上収益は前年同期比4.0%増の3,792億円となった一方、営業利益は74.3%減の17億円に落ち込み、親会社株主に帰属する四半期損失は35億円に拡大しました。水回り事業の増収を、売上原価や販管費の増加が上回り、利益を圧迫しています。通期予想は据え置かれており、今後の利益回復が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,792億円 | +4.0% | 1.6兆円 | 24% |
| 営業利益 | 18億円 | -74.3% | 375億円 | 5% |
| 純利益 | -3,507百万円 | — | 120億円 | -29% |
| 営業利益率 | 0.5% | |||
この決算のポイント
- 1売上収益は前年同期比4.0%増の3,792億円。ウォーターテクノロジー事業が増収をけん引
- 2営業利益は前年同期比74.3%減の17億円。事業利益も81.3%減の17億円に縮小
- 3親会社株主に帰属する四半期損失は35億円。前年同期の9億円の損失から赤字幅が拡大
- 4住宅テクノロジー事業はセグメント損失4億円に転落、リビング事業も利益が前年同期比で減少
- 5年間配当予想は前期と同額の90円。通期売上収益予想は1兆6,000億円で変更なし
業績のポイント
LIXIL(株式会社LIXIL)の2027年3月期第1四半期は、売上収益が前年同期比4.0%増の3,792億円となる一方、営業利益は74.3%減の17億円でした。親会社の所有者に帰属する四半期損失は35億円と、前年同期の9億円から赤字幅が広がりました。
- 売上総利益: 1,244億円と前年同期比0.3%減。売上収益が伸びても粗利益は増えませんでした
- 販売費及び一般管理費: 1,228億円と前年同期比6.0%増し、利益を押し下げました
- 事業利益: 17億円で前年同期比81.3%減。営業利益も同じく大幅に減少しました
- 税引前利益: 前年同期の35億円の黒字から9億円の赤字に転じました
増収でも費用増で利益が急減したことが、この四半期の核心です。売上原価は前年同期比で増え、販管費の伸びも重なり、売上総利益が横ばいにとどまるなか営業利益を圧迫しました。今回の決算短信は7月31日に公表した財務諸表に変更がないことを知らせる内容で、利益減少の詳しい要因や市場環境の説明は記載されていません。
- 売上収益+4.0%
- 売上総利益-0.3%
- 販管費+6.0%
- 事業利益-81.3%
- 営業利益-74.3%
セグメント別動向
ウォーターテクノロジー事業は売上収益が前年同期比8.8%増の2,097億円、事業利益が1.0%増の107億円でした。3事業のうち唯一、売上収益と利益がともに前年を上回り、連結売上の増加を支えました。短信には、伸びをもたらした商品や地域などの詳しい説明はありません。
ハウジングテクノロジー事業は売上収益が2.6%減の1,234億円となり、事業損益は前年同期の61億円の黒字から4億円の赤字に転落しました。売上の減少に加え、利益面での落ち込みが大きく、連結利益を押し下げる結果となっています。
リビング事業は売上収益が2.0%増の462億円でしたが、事業利益は38.8%減の13億円でした。増収が利益の伸びにつながっておらず、採算の改善が課題です。各事業の利益変化の具体的な理由は、この短信では説明されていません。
- ウォーター+8.8%
- ハウジング-2.6%
- リビング+2.0%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ウォーターテクノロジー事業 | 2,097億円 | 55% | 107億円 | 5.1% |
| ハウジングテクノロジー事業 | 1,234億円 | 33% | -390百万円 | -0.3% |
| リビング事業 | 462億円 | 12% | 13億円 | 2.9% |
通期見通し
会社は2027年3月期の通期業績予想を維持しています。売上収益は前期比5.9%増の1兆6,000億円、営業利益は32.0%増の375億円を見込みます。今回の短信には前回予想の金額は掲載されていないため、下表では会社が示した前期比と第1四半期実績を併記します。
| 項目 | 通期予想 | 前期比 | 第1四半期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 16,000 | +5.9% | 3,792 |
| 事業利益(億円) | 450 | +16.9% | 17 |
| 営業利益(億円) | 375 | +32.0% | 17 |
| 親会社帰属利益(億円) | 120 | +47.4% | -35 |
通期予想に対する第1四半期の営業利益進捗率は約4.7%です。会社は予想を据え置いていますが、足元では利益が大きく落ち込んでおり、残る期間に利益率をどこまで回復できるかが見通し達成のポイントになります。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は1兆9,307億円で、2026年3月末から468億円増加しました。親会社所有者帰属持分比率は33.8%と、前期末から1.5ポイント低下しています。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 比較対象 | 増減・内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 19,307 | 前期末18,839 | +468億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 33.8% | 前期末35.3% | -1.5ポイント |
| 営業CF(億円) | 80 | 前年同期195 | -59.1% |
| 投資CF(億円) | -345 | 前年同期-92 | 支出拡大 |
| 財務CF(億円) | 425 | 前年同期-245 | 資金調達などで収入 |
| 年間配当予想(円) | 90 | 前期実績90 | 変更なし |
営業キャッシュフローは前年同期を下回り、投資活動による支出は前年同期より大きくなりました。一方、財務活動では借入金や社債の調達などにより資金が流入しています。配当は中間45円、期末45円の予想で、現時点で増配や自社株買いの発表はありません。
リスクと課題
利益の落ち込みが大きい一方、今回の短信はレビュー完了の開示であり、会社は詳しい業績要因や事業環境を説明していません。以下は開示数値から確認できる課題と、会社が示す業績見通しに関する注意点です。
- コスト増による採算悪化: 売上収益が増えるなか、売上原価と販管費が増加し、営業利益は前年同期比74.3%減となりました。費用の伸びが続けば、通期の利益回復を妨げる可能性があります
- 住宅関連事業の赤字: ハウジングテクノロジー事業は前年同期の黒字から4億円の損失に転じました。売上の減少と利益の悪化が続くか、次の四半期以降の確認が必要です
- 持分法投資損失と金融費用: 当期は持分法による投資損失4億円を計上し、金融費用も34億円に上りました。税引前損益の改善には本業の回復に加え、これらの負担にも注意が必要です
- 通期予想の達成不確実性: 会社は実際の業績がさまざまな要因で見通しと大きく異なる可能性があるとしています。第1四半期の低い利益進捗を踏まえ、通期予想の維持と利益回復のペースが焦点です
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/5)
1,754.5円
最新終値(2026/10/23)
1,706.5円-2.7%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#LIXIL#決算#決算分析#四半期決算#住宅設備#ウォーターテクノロジー#営業利益減少#配当
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
売上が伸びても利益が大幅に減った点は、単なる需要の弱さだけでなく、売上原価や販売管理費を含む採算構造の立て直しが重要であることを示しています。特に、連結売上の過半を占めるウォーターテクノロジー事業が増収増益だった一方、ハウジングテクノロジー事業が赤字に転じた差は注目点です。
会社は通期予想を維持していますが、第1四半期の営業利益進捗は低水準です。次の決算では、売上の伸びだけでなく、費用増を抑えながら利益率を戻せているかを確認したいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/lixil/report/2027-Q1
関連記事
住宅設備機器の最新記事
- 決算解説TOTO2027年3月期 第1四半期TOTO、2027年3月期第1四半期決算、売上高1.7%増も営業利益1.6%減、通期予想据え置き

- 決算解説リンナイ2027年3月期 第1四半期リンナイ、2027年3月期第1四半期決算、売上高10%増も営業利益5%減
- 決算解説三和HD2027年3月期 第1四半期三和HD、2027年3月期第1四半期決算、営業利益41%減も通期予想据え置き

- 決算解説サンゲツ2027年3月期 第1四半期サンゲツ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益34.4%増で純利益71.6%増と大幅増益

- 自己株式取得終了三和HD9月11日三和HD、100億円枠で自社株買い完了 消費小売業の資本効用力強化を象徴

掲載企業

株式会社LIXIL
東証 5938
これが最新の決算解説です





