ほくほくFG、2027年3月期第1四半期決算、経常利益59%増で純利益も66%増
ほくほくFGの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、経常収益は前年同期比30.3%増の778億円、経常利益は59.1%増の320億円、純利益は65.9%増の235億円となり、大幅な増収増益でした。貸出金利息などの資金利益が伸びたほか、負ののれん発生益や貸倒引当金戻入益も利益を押し上げました。通期予想は据え置き、10月には1株を10株に分割する予定です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 779億円 | +30.3% | — | — |
| 営業利益 | 320億円 | +59.1% | 890億円 | 36% |
| 純利益 | 236億円 | +65.9% | 620億円 | 38% |
この決算のポイント
- 1資金利益は前年同期比84億円増加し、利ざや拡大と貸出金利息の伸びが収益を支えた
- 2北陸銀行の四半期純利益は前年同期比45.7%増、北海道銀行は43.1%増となった
- 3北陸コンピュータ・サービスの持分法適用に伴い、負ののれん発生益27億円を計上
- 4通期純利益予想620億円は変更なし、第1四半期で中間期予想の74.9%に到達
- 510月に1株を10株に分割予定、分割前換算の年間配当予想は150円
業績のポイント
ほくほくFG(ほくほくフィナンシャルグループ)の第1四半期は、経常収益が前年同期比30.3%増、経常利益が59.1%増、純利益が65.9%増と大幅な増収増益でした。経常収益の増加額は181億円、経常利益は118億円、純利益は93億円それぞれ前年同期を上回りました。
- 資金利益: 貸出金利息や有価証券利息配当金の増加を受け、前年同期比で140億円増加
- その他経常収益: 負ののれん発生益や貸倒引当金戻入益の計上が収益を押し上げた
- 預金利息: 金利上昇に伴い資金調達費用が増加し、預金利息は前年同期比44億円増加
- 与信関係費用: 個別貸倒引当金の戻し入れなどで、2行合算の費用が前年同期比28億円減少
本業の利ざや改善に一時益が加わった増益です。資金利益の伸びが収益の基礎を強める一方、北陸コンピュータ・サービスの株式取得に伴う負ののれん発生益27億円は一時的な利益であり、今後の評価では本業の収益力と分けて見る必要があります。地政学リスクや海外経済の減速懸念があるなか、同社は地域の顧客や取引先への資金繰り・経営支援も続けています。
セグメント別動向
北陸銀行は経常収益が前年同期比26.3%増、セグメント利益が45.7%増でした。貸出金利息や有価証券利息の増加を受け、コア業務純益は55億円増の155億円となり、与信関係費用の減少も利益を支えました。
北海道銀行は経常収益が25.5%増、セグメント利益が43.1%増でした。貸出金利息を中心とする資金利益が伸び、コア業務純益は17億円増の79億円となりました。株式等損益の増加や与信関係費用の減少も寄与しています。
- その他: 証券、コンサルティング、リース、カードなどを含む区分の経常収益は前年同期比16.8%増、セグメント利益は78.1%増
- 連結調整: セグメント利益の調整には、持分法投資利益29億円が含まれ、うち27億円は北陸コンピュータ・サービスの株式取得に伴う負ののれん発生益
北陸・北海道の両銀行で資金利益が伸び、基礎収益の改善が共通して見られました。一方、連結利益には持分法投資利益による一時的な押し上げも含まれます。銀行別の本業の伸びと、連結調整に含まれる一時益の双方を確認することが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 北陸銀行 | 424億円 | 54% | 136億円 | - |
| 北海道銀行 | 264億円 | 34% | 68億円 | - |
| その他 | 65億円 | 8% | 8億円 | - |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比2,601億円増の17兆2,238億円、自己資本比率は4.4%でした。預金・譲渡性預金が増える一方、貸出金は個人ローンの増加を事業性・公金貸出の減少が上回り、前期末から減少しています。
| 項目 | 第1四半期末・予想 | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 17兆2,238億円 | 前期末比+2,601億円 |
| 自己資本比率 | 4.4% | 前期末4.3% |
| 預金・譲渡性預金 | 14兆8,045億円 | 前期末比+3,262億円 |
| 貸出金 | 10兆6,699億円 | 前期末比-275億円 |
| 年間配当予想 | 分割前換算150円 | 前期実績110円 |
第1四半期の連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、期間中の現金収支は開示資料から確認できません。自己株式の取得も実施され、株主資本の変動表には取得額46億円が記載されています。10月1日に1株を10株に分割する予定で、配当予想は分割前換算で年間150円、前期実績から40円増となります。分割後の期末配当は1株7円50銭と表示され、分割前の株式数に換算すると75円です。
通期見通し
ほくほくFGは2027年3月期の業績予想を据え置きました。第1四半期の経常利益は中間期予想の71.1%、純利益は中間期予想の74.9%に達しており、会社は第1四半期の進捗を「好調」と説明しています。
| 項目(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 890 | 890 | 807.57 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 620 | 620 | 588.99 |
通期予想は前期比で経常利益10.2%増、純利益5.3%増を見込んでいます。第1四半期には本業の資金利益の伸びに加え、負ののれん発生益なども含まれるため、残る期間で本業の収益拡大が続くかが焦点です。業績予想に変更はなく、達成には預金金利上昇による調達費用の増加や信用コストの変化も見極める必要があります。
戦略トピック
ほくほくFGは、北陸銀行による北陸コンピュータ・サービスの株式取得を通じて同社を持分法適用関連会社とし、第1四半期に負ののれん発生益27億円を計上しました。金融以外の地域企業との関係を広げる動きとして注目されますが、今回の利益寄与の大部分は取得時に生じた一時的な会計上の利益です。
- 株式分割: 2026年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を10株に分割する予定
- 目的: 投資単位を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を目指す
- 配当: 分割前換算の年間配当予想は150円で、前期実績110円から増配
株式分割は発行済株式数や企業価値そのものを変える施策ではありませんが、個人投資家が売買しやすい環境づくりにつながります。配当額は分割前後で表示単位が異なるため、投資判断では分割前換算の金額で前期実績と比べる必要があります。
リスクと課題
会社は、国内経済の緩やかな回復が続く一方、外部環境は不安定と説明しています。金利上昇が収益機会となる半面、預金コストや貸出先の返済負担にも影響するため、利ざやと信用コストの両面を追う必要があります。
- 地政学リスク: 中東情勢などの緊張が高まれば、金融市場や地域企業の事業環境が変動し、顧客支援や与信費用に影響する可能性
- 海外経済の減速: 外需や取引先企業の業績が弱まれば、貸出需要や債務者の返済力に影響するおそれ
- 金利・市場変動: 預金利息の増加は資金調達費用を押し上げる一方、有価証券の評価損益や運用収益も変動させる
- 信用リスク: 貸倒引当金戻入れによる当期の費用減少が続くとは限らず、地域企業の業況悪化は将来の与信費用を増やす可能性
第1四半期は与信関係費用が前年より減りましたが、これを恒常的な利益改善とみなすのは早計です。貸出金残高の動きや預金金利の上昇、金融市場の変化を継続して確認することが、通期見通しの達成度を判断するうえで重要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/28)
769.6円
最新終値(2026/10/23)
689.3円-10.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ほくほくFG#決算#決算分析#四半期決算#銀行業#増収増益#利ざや改善#株式分割#配当
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コメント
本業の資金利益が伸び、北陸銀行・北海道銀行の双方で利益が増えた点は、金利環境の変化を収益につなげている表れです。一方で、純利益の増加には負ののれん発生益や貸倒引当金戻入れも寄与しており、増益率だけで基礎的な稼ぐ力を判断しないことが大切です。
今後は貸出金利回りの上昇が預金金利の上昇をどれだけ上回るか、また一時益を除いた利益成長を維持できるかに注目します。株式分割と増配は投資家にとって分かりやすい材料ですが、分割後の株価や配当額を前期と比べる際には換算条件の確認が必要です。
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