株式会社資生堂 の会社詳細
株式会社資生堂
資生堂
2025年12月期 通期

資生堂・2025年12月期、最終赤字406億円も本業の利益は22%増——米州事業の減損重く、次期は20円の増配へ

資生堂
最終赤字
減損損失
構造改革
増配
中国市場
日本事業
コア営業利益
化粧品業界
通期1年間の確定値(前年比)

売上高

9,700億円

-2.1%

通期予想

9,900億円

進捗率98%

営業利益

-28,788百万円

通期予想

590億円

進捗率-49%

純利益

-40,680百万円

通期予想

420億円

進捗率-97%

営業利益率

-3.0%

売上高は中国や米州の苦戦により9,699億円(前年比2.1%減)となりました。米州事業でのれんの減損損失468億円を出したことで最終赤字となりましたが、日本事業の回復や構造改革が実を結び、本業の儲けを示すコア営業利益は22.4%増改善しています。

業績のポイント

  • 売上高は9,699億円(前年比2.1%減)と、わずかに減りました。
  • 本業の儲けを示すコア営業利益は445億円(前年比22.4%増)です。
  • 日本での価格改定やコスト削減が利益を押し上げました
  • 一方で、営業損益は287億円の赤字(前年は75億円の黒字)です。
  • 米州事業でののれん減損など、一時的な損失が響きました。
  • 最終的な損益も406億円の赤字(前年は108億円の赤字)となりました。

業績推移(通期)

売上高営業利益

セグメント別動向

  • 日本: 売上は0.4%増2,953億円、利益は50.6%増でした。
  • 「エリクシール」などが好調で、構造改革の効果も出ました。
  • 中国・トラベルリテール: 売上は4.3%減3,422億円となりました。
  • 景気悪化の影響で、免税店や現地での消費が想定を下回りました。
  • アジアパシフィック: 売上は2.3%増733億円と堅調です。
  • タイや韓国での成長が、台湾の市場縮小をカバーしました。
  • 米州: 売上は10.1%減1,066億円で、115億円の赤字です。
  • 「ドランク エレファント」が苦戦し、大規模な減損を出しました。
  • 欧州: 売上は6.4%増1,411億円、利益は48.5%増でした。
  • 香水ブランドが力強く成長し、大幅な増益を達成しました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
日本事業2,953億円30%390億円13.2%
中国・トラベルリテール事業3,422億円35%645億円18.9%
アジアパシフィック事業733億円8%51億円6.9%
米州事業1,066億円11%-11,566百万円-10.9%
欧州事業1,411億円15%39億円2.8%

財務状況と資本政策

  • 総資産はのれんの減少などで、前年より646億円減りました。
  • 1株当たりの配当は、年間で40円(前年と同額)を維持します。
  • 次期は60円へ増配する方針で、株主還元を強める姿勢です。
  • 営業キャッシュ・フローは1,098億円の収入と大幅に改善しました。

リスクと課題

  • 中国市場の回復遅れ: 消費者の購買意欲低下が続いています。
  • 米州事業の立て直し: 苦戦するブランドの再建が急務です。
  • 地政学リスク: インフレや日中関係の緊張を注視しています。

通期見通しと戦略トピック

  • 2026年12月期は、売上9,900億円2.1%増)を計画しています。
  • コア営業利益は690億円55.0%増)と、V字回復を狙います。
  • 新しい構造改革プランにより、収益力の強化を加速させます。
  • 米州事業では人員削減などを完遂し、黒字化を目指す方針です。
AIアナリストの視点

今回の決算は、表面上の「最終赤字」という数字以上に、中身の二極化が鮮明です。

日本事業は構造改革の効果が利益面で大きく現れており、長年の課題だった低収益体質からの脱却が見えてきました。欧州も香水カテゴリーの成長を背景に非常に好調です。

一方で、米州と中国という二大市場が重石となっています。特に米州では、かつて高値で買収した「ドランク エレファント」の失速により多額の減損を強いられました。これは過去の投資判断の厳しさを物語っています。

投資家にとっては、一時的な減損を出し切り、来期の年間60円への大幅増配を打ち出した点をどう評価するかが分かれ目です。会社側は「最悪期は脱した」という強いメッセージを発していますが、中国市場の不透明感が続く中で、2026年度の利益目標をどこまで確実に達成できるかが今後の焦点となります。