レオパレス21、株主代表訴訟でTENZANが控訴 35億円の賠償請求棄却判決に不服
レオパレス21は15日、過去に取引のあった法人株主TENZAN(持株比率0.0003%)が、同社取締役ら27名に対し約35億円の損害賠償を求めた株主代表訴訟の一審判決を不服として、東京高等裁判所に控訴したと発表した。一審では請求が全て棄却されていたが、原告のTENZANが控訴に踏み切ったことで、訴訟は長期化の見通し。
控訴の経緯と背景
2026年7月13日、原告の株式会社TENZANが東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴を提起した。同社はレオパレス21の持株比率0.0003%の極小株主であり、個人株主3名とともに、同社の取締役及び元取締役22名、監査役及び元監査役5名(計27名、一部兼務あり)に対して、善管注意義務違反を理由に総額約35億円の損害賠償を請求していた。TENZANは過去にレオパレス21と家具・家電のリユース業務で取引関係にあった企業で、本訴訟は取引を巡る経営判断の是非が争点となっている。同社は2023年12月に本訴訟への補助参加を決定し、被告側を支援する形で訴訟手続に関与してきた。TENZANによる控訴は、一審判決が会社側の主張を全面的に認めたことを受けてのものであり、今後の審理では、リサイクル委託費の支払形態や入札手続きの適正性など、より踏み込んだ事実認定が求められる可能性がある。
一審判決と訴訟の詳細
本訴訟は二つの論点から構成されていた。第一に、家具・家電の処理・リユース業務において、TENZANを通じて支払われた「マンスリー委託費」について、取締役らに善管注意義務違反があったとして約35億円の賠償を求めた点。第二に、2022年2月の配送・設置・搬出業務の入札手続きにおいて、入札期間が短期間だったためにコストカットが不十分だったとして、当時の取締役・監査役8名に対し約4億円の賠償を求めた点だ。東京地裁は2026年6月25日、これらの請求をすべて棄却し、被告らの責任を認めなかった。判決では、マンスリー委託費の支払いや入札手続きに取締役の善管注意義務違反はなかったと判断された。今回の控訴により、約35億円の請求部分のみならず、入札手続きに関する約4億円の部分についても高裁で改めて審理される見込みで、適用される法令や内部ガイドラインの解釈が再び問われることになる。
会社の見解と今後の影響
レオパレス21は本訴訟に対し、原告の請求は「会社の利益を図る目的又は会社に損害を加える目的をもったもの」と認識しており、被告側に補助参加して裁判の適正な判断を求めてきた。控訴を受けた現在も、当該訴訟による業績への影響はないと公表している。実際、一審が会社側の主張を全面的に認めたことから、直ちに財務的な引当金計上等が必要になる状況ではない。しかし、訴訟の長期化はガバナンスリスクとしての評価につながりかねない。特に、持株比率0.0003%の株主による大型代表訴訟という異例の構図が、ESGやガバナンスを重視する機関投資家の視線を集める可能性がある。同社は「今後、開示すべき事項が生じた場合は速やかにお知らせする」としており、高裁での手続きの進展が適時開示の対象となる見込みだ。
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TENZANによる控訴は、会社側の勝訴判決にもかかわらず訴訟リスクが再燃したことを意味する。請求額が約35億円と大きく、仮に高裁で逆転判決が出れば業績に重大な影響が生じるが、一審の棄却判断が覆る可能性は現時点では低いとみられる。ただし、本件は極小株主による大型代表訴訟であり、取締役の責任範囲や株主代表訴訟の在り方に関して先例的な意義を持つため、判例を注視する必要がある。投資家・就活生は、同社のリスクマネジメントや監査役の機能を評価する材料として、本訴訟の推移を追うべきだ。

