近鉄グループHD、連結子会社近鉄百貨店の業績予想を上方修正、中間純利益70%増へ
近鉄グループホールディングス(HD)は7月10日、連結子会社である株式会社近鉄百貨店が2027年2月期の中間連結業績予想を上方修正すると発表しました。特に、親会社株主に帰属する中間純利益は前回の予想から70.0%増となる17億円を見込み、インバウンド消費の回復や店舗改装効果が寄与し、大幅な増益を達成する見込みです。なお、この修正による近鉄グループHD自身の連結業績予想の変更はありません。
近鉄百貨店、中間期予想を大幅上方修正
近鉄百貨店は、2027年2月期第2四半期(中間期、2026年3月1日~2026年8月31日)の連結業績予想を大幅に上方修正しました。特に利益面での改善が顕著で、前回発表予想と比較して、各段階利益が大きく伸長しています。売上高は前回予想から1.8%増の570億円へと引き上げられ、営業利益は50.0%増の27億円、経常利益は58.8%増の27億円と予測されています。最も注目される親会社株主に帰属する中間純利益は、前回予想の10億円から70.0%増の17億円に大幅修正され、好調な事業環境を反映しています。
前期(2026年2月期)実績との比較では、売上高は前期比で約8.9%減となるものの、営業利益は前期比約3.1%増、経常利益も前期比約2.7%増となり、売上規模が縮小する中で収益性が改善していることが分かります。これは、百貨店事業における円安追い風で利益拡大を示すものであり、投資家にとっては事業構造の改善を示唆する好材料です。就職活動中の学生にとっては、百貨店業界がインバウンド需要の取り込みや店舗戦略によって厳しい環境下でも成長機会を創出している現状を理解する貴重な事例となるでしょう。
| 指標 | 前回予想 (A) | 今回修正予想 (B) | 増減額 (B-A) | 増減率 (%) | 前期実績(ご参考) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 56,000 | 57,000 | 1,000 | 1.8 | 62,546 |
| 営業利益 (百万円) | 1,800 | 2,700 | 900 | 50.0 | 2,620 |
| 経常利益 (百万円) | 1,700 | 2,700 | 1,000 | 58.8 | 2,630 |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 (百万円) | 1,000 | 1,700 | 700 | 70.0 | 3,580 |
通期予想も堅調、コスト増懸念を吸収
近鉄百貨店の2027年2月期通期(連結)業績予想も、中間期の好調を背景に前回発表から上方修正されました。売上高は前回予想から0.9%増の1,160億円、営業利益は3.7%増の56億円、経常利益は5.8%増の55億円、そして親会社株主に帰属する当期純利益は5.4%増の39億円となる見込みです。
中間期ほどの増益率ではないものの、通期予想も着実に上方修正されており、同社のコスト増を吸収する堅実さを示唆しています。前期実績との比較では、売上高は前期比で約7.5%減となる一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比約5.1%増となっており、通期での収益性の改善傾向がうかがえます。
会社は、通期予想の下半期において「中東情勢に起因する物価高によるコストの増加等」を織り込んでいると説明しています。にもかかわらず上方修正を維持できたことは、今後の外部環境の変化にも一定程度対応可能な見通しを立てていることを示唆しており、ポジティブに評価できるでしょう。投資家は、百貨店事業がコスト増要因を吸収しつつ利益を確保できる事業体質へと変貌を遂げている点に注目すべきです。
| 指標 | 前回予想 (A) | 今回修正予想 (B) | 増減額 (B-A) | 増減率 (%) | 前期実績(ご参考) |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 115,000 | 116,000 | 1,000 | 0.9 | 125,450 |
| 営業利益 (百万円) | 5,400 | 5,600 | 200 | 3.7 | 6,718 |
| 経常利益 (百万円) | 5,200 | 5,500 | 300 | 300 | 6,613 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | 3,700 | 3,900 | 200 | 5.4 | 3,709 |
業績好調の背景と今後の展望
今回の業績予想修正の背景には、複数の好要因が複合的に作用しています。最も大きな要因として挙げられるのは、円安を背景とした訪日外国人観光客による免税売上の堅調な推移です。日本政府観光局の発表でもインバウンド消費の回復が顕著であり、百貨店業界全体でその恩恵を受けている傾向と一致します。高額品や嗜好品の販売が特に好調に推移したと見られます。
また、あべのハルカス近鉄本店の惣菜売場改装や、各店舗で開催された催事が好調に推移したことも、集客力と売上の向上に貢献しました。これは、単なる外部環境の恩恵だけでなく、百貨店自身の戦略的な投資が奏功していることを示しており、顧客体験価値の向上を目指す経営努力が実を結んでいると言えるでしょう。
さらに、連結子会社である株式会社近創(内装業)が当初想定を上回る受注を獲得し、業績に寄与したことも特筆すべき点です。百貨店事業以外の収益源が強化されていることは、グループ全体の安定成長に貢献する多様な事業ポートフォリオ戦略の一環として評価できます。
通期予想では、中東情勢に起因する物価高によるコスト増を見込んでいるものの、これらの好調要因がそれを上回り、結果として上方修正につながりました。これは、同社がコスト管理と収益機会の最大化をバランス良く進めている証拠と言えます。投資家は、インバウンド需要の持続性や、戦略的な店舗投資が今後も継続できるかどうかに注目する必要があるでしょう。就職活動中の学生にとっては、百貨店ビジネスが多角的なアプローチで成長戦略を描いている実例として参考になるはずです。
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近鉄百貨店の上方修正は、インバウンド消費の回復と戦略的な店舗投資の成果が明確に表れた結果です。特に中間期連結純利益が70%増という伸びは、好調の度合いを示しています。通期予想では下半期のコスト増を織り込むものの、それを吸収するだけの事業の底堅さが評価できます。親会社である近鉄グループHDの連結業績予想に変更がない点は、同百貨店事業がグループ全体の業績に与える影響の大きさを測る上で重要です。今後、インバウンド需要の持続性や物価高への対応力が注視されます。

