分析・計測機器3社、2026年決算比較で見えた堀場の高収益と日本電子の苦戦
3社の売上高は平均0.1%増にとどまり、業界全体は横ばいでした。その中で堀場製作所は売上高、営業利益、利益率のすべてで伸び、収益力を示しました。一方、日本電子は営業利益が26.7%減少。純利益は増えましたが、為替差益や税負担の減少が支え、本業とは温度差があります。利益の質で明暗が分かれた決算です。なお、堀場は2025年12月期、他2社は2026年3月期です。
今期の総括
成長鈍化の中で堀場が収益力を発揮
業界全体の動き
3社の売上高平均は0.1%増でした。単純平均では、ほぼ横ばいです。ただし、各社の決算期は異なります。
- 先端半導体は、堀場製作所の成長を後押ししました。生成AI向けの需要が計測需要につながりました。一方、日本電子では装置出荷が後ろ倒しとなりました。
- 地域と用途の分散が明暗を分けました。島津製作所は北米や欧州、製薬・食品向けが伸び、中国市場の停滞を補いました。
- 為替や税負担が最終利益に影響しました。島津製作所は為替差益が経常利益を押し上げ、日本電子も為替差益や税負担の減少が純利益を支えました。
- 自動車の開発需要も追い風です。堀場製作所は欧米のハイブリッド車開発向け計測需要を取り込みました。
売上高ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
最も好調だったのは堀場製作所です。売上高は3,331億円、前年比5.0%増。営業利益は530億円、同9.7%増でした。営業利益率も15.9%と、3社で最も高い水準です。
半導体と自動車開発の需要を捉え、売上の伸びを利益の伸びにつなげました。営業利益率は前年の15.2%からも上昇しています。
最も苦戦したのは日本電子です。売上高は1,794億円、前年比8.8%減。営業利益は260億円、同26.7%減でした。米国政府の予算削減や設備投資の停滞に加え、半導体関連装置の出荷遅れが響きました。
ただし、純利益は221億円、前年比18.2%増です。為替差益や税負担の減少が下支えしました。純利益の伸びだけで、本業の回復とは判断できません。
- 好調
- 堀場製作所
- 苦戦
- 日本電子


営業利益ランキング
営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
島津製作所は規模の大きさが強みです。売上高は5,607億円で、3社中の首位でした。前年比4.0%増で過去最高を更新し、製薬・食品向けや北米・欧州の需要を取り込みました。次期予想は売上高5,750億円、営業利益760億円です。
堀場製作所は成長分野を利益につなげています。営業利益率は3社最高の15.9%。中期経営計画「MLMAP2028」を進め、期末には特別配当160円を加えました。次期予想も売上高3,450億円、営業利益560億円と増収増益を見込みます。
日本電子は事業の選択と集中が焦点です。医用機器事業の見直しを進め、理科学・計測機器や産業機器に注力する構えです。次期は売上高1,640億円を見込む一方、営業利益は265億円の予想です。売上回復より、利益の立て直しが課題です。
業界共通のリスク
3社は異なる事業を持ちますが、需要の変化や海外環境の影響を受けます。
- 半導体投資の波。生成AI需要が続く一方、設備投資の先送りは装置の出荷時期を揺らします。
- 地域経済と地政学リスク。中国の停滞や各国の政策変更が、販売計画に影響する可能性があります。
- 為替変動。為替差益が利益を支える場合もありますが、逆方向に動けば利益を押し下げます。
- 顧客の研究・設備予算。政府予算や企業の投資判断が変わると、計測機器の需要も変動します。
- 技術・規制の変化。半導体や自動車の技術動向に対応できなければ、製品の競争力が弱まります。
順位変化と構造トレンド
売上高と営業利益の首位は島津製作所、営業利益率の首位は堀場製作所です。規模と稼ぐ力で、強みが分かれています。
売上高成長率と営業利益成長率では、堀場製作所が3社の中で最も高い伸びでした。一方、日本電子は純利益の伸びが首位でも、営業利益は大幅減です。最終利益と本業の動きが一致しない点に注意が必要です。
3社の営業利益率は13.1〜15.9%に収まりました。業界には高い収益力がある一方、成長分野への露出や出荷時期の違いが、業績差につながっています。
就活生・転職希望者へ
分析・計測機器は、製薬、食品、半導体、自動車など幅広い産業を支える仕事です。景気の影響は受けますが、複数の顧客分野を持つ企業では需要の変化を分散できます。
会社選びでは、製品だけでなく、どの地域や業界に強いかも見ておきたい点です。島津製作所は事業と地域の幅広さ、堀場製作所は高い収益性と成長分野、日本電子は事業の立て直しと専門性が注目点です。海外顧客との仕事や、技術を学び続ける姿勢も重要になります。
タグ#分析・計測機器#精密機器#2026年3月期#島津製作所#堀場製作所#日本電子#半導体#生成AI#決算比較#就活
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