コクヨ、2026年12月期第2四半期決算、増収増益で営業利益7.6%増

コクヨの2026年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比9.1%増、営業利益が7.6%増、純利益が6.4%増となり、増収増益でした。国内オフィス需要を取り込んだファニチャー事業や、ステーショナリー事業の海外成長が業績を押し上げました。一方、購買管理サービスなどのビジネスサプライ流通事業はセールや成長投資の負担で減益。通期予想は据え置き、主力事業の成長が流通事業の減益を補う決算となりました。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,021億円 | +9.1% | 3,900億円 | 52% |
| 営業利益 | 190億円 | +7.6% | 270億円 | 71% |
| 純利益 | 147億円 | +6.4% | 203億円 | 72% |
| 営業利益率 | 9.4% | |||
この決算のポイント
- 1ファニチャー事業は国内オフィス需要とインドの大型案件で、売上高が前年同期比10.1%増
- 2ビジネスサプライ流通事業は増収も、大規模セールと投資負担で営業利益が12.0%減
- 3ステーショナリー事業はCampusブランドや中国での販売が伸び、営業利益は10.0%増
- 4自己株式取得は上限150億円、6月末までの取得額は75億円で、配当予想は年間24.50円
- 5旧本社などの売却で、2026年12月期に特別利益7.53億円を計上する予定
業績のポイント
コクヨ(コクヨ)は2026年12月期中間期に、売上高2,020億円(前年同期比9.1%増)、営業利益190億円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益146億円(同6.4%増)を確保しました。経常利益は為替差益も寄与し、204億円(同17.1%増)でした。オフィス需要と海外販売が増収をけん引しました。
- 売上の押し上げ要因: ファニチャー事業の国内案件、ビジネスサプライ流通事業の「べんりねっと」、ステーショナリー事業の海外販売が伸びました。
- 利益を抑えた要因: 流通事業で大規模セールを実施し、一時的に収益性が低下しました。事業領域の拡大に向けた戦略経費や体制強化の費用も増えました。
- 利益を支えた要因: 為替差益の計上などで経常利益が増加し、固定資産売却益や投資有価証券売却益の減少を吸収しました。
売上総利益は前年同期比8.7%増でしたが、売上総利益率は0.2ポイント低下しました。販管費も9.0%増となっており、売上の伸びがそのまま営業利益の伸びにはつながっていません。もっとも、主力の家具・文具が増益を確保し、経常利益の伸びも大きく、事業全体としては底堅い内容です。
セグメント別動向
ファニチャー事業は、売上高が1,011億円(前年同期比10.1%増)、営業利益が183億円(同10.3%増)でした。日本では新築オフィスへの移転やリニューアル需要を取り込み、顧客の課題に合わせた働き方の提案や業務効率化も進めました。海外では中国などの景気減速が続いた一方、インド子会社の新規連結や大型案件が寄与しました。
ビジネスサプライ流通事業は、売上高が574億円(同8.1%増)に伸びた一方、営業利益は23億円(同12.0%減)でした。購買管理システム「べんりねっと」の利用が進み、「カウネット」のEC販売も拡大しましたが、競争環境の変化に対応した大規模セールと将来成長に向けた投資が利益を圧迫しました。
ステーショナリー事業は、売上高が466億円(同8.7%増)、営業利益が44億円(同10.0%増)でした。日本ではCampusブランドの「まなびかた」提案がBtoC販売を伸ばし、中国では女子中高生向けの商品投入や店舗・ECの拡大が成長を支えました。インドでは競争激化の影響がありました。
インテリアリテール事業は、売上高が118億円(同0.2%増)、営業利益が4億円(同12.4%増)でした。前年度の大型法人案件の反動減を店舗の販促やECの拡大で補い、利益は増加しました。家具と文具の成長に対し、流通事業は利益回復が課題です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ファニチャー事業 | 1,001億円 | 50% | 184億円 | 18.3% |
| ビジネスサプライ流通事業 | 545億円 | 27% | 23億円 | 4.3% |
| ステーショナリー事業 | 356億円 | 18% | 45億円 | 12.6% |
| インテリアリテール事業 | 117億円 | 6% | 5億円 | 3.9% |
| その他 | 1億円 | 0% | -273百万円 | -235.3% |
通期見通し
2026年12月期の連結業績予想は、2月公表値から変更していません。通期では売上高3,900億円(前期比8.4%増)、営業利益270億円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益203億円(同5.5%減)を見込みます。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,900 | 3,900 | +8.4% |
| 営業利益(億円) | 270 | 270 | +2.9% |
| 当期純利益(億円) | 203 | 203 | -5.5% |
中間期の営業利益は通期予想に対して約7割に達していますが、会社は予想を据え置きました。中東情勢による原材料費や物流費の上昇を一定程度織り込んでいるものの、地政学リスクや中国景気など先行きの不透明さが続きます。純利益は前期にあった固定資産売却益などの反動もあり、減益を見込んでいます。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は3,462億円で、前期末から89億円減少しました。自己資本比率は73.6%と前期末の70.9%から上昇し、財務の健全性を保っています。
| 項目 | 2026年6月末・中間期 | 前期末・前年同期との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(億円) | 3,462 | 前期末比89億円減 |
| 自己資本比率 | 73.6% | 前期末比2.7ポイント上昇 |
| 営業キャッシュフロー(億円) | 118 | 前年同期比32億円増 |
| 投資キャッシュフロー(億円) | -85 | 前年同期比65億円支出増 |
| 財務キャッシュフロー(億円) | -161 | 前年同期比56億円支出増 |
- 株主還元: 年間配当予想は1株24.50円で、株式分割を考慮した前期の年間配当と同水準です。中間配当は12.25円でした。
- 自社株買い: 取得上限は2,000万株、150億円。中間期末までに931万株、約76億円を取得しました。
- 投資と資金: 営業活動で資金を得る一方、新本社や東北IDCなどの設備投資で投資キャッシュフローは支出超過となり、現金同等物は期首から124億円減少しました。
自己株式の取得と配当で株主還元を進めながら、本社移転やデータセンター構築などの成長基盤にも資金を振り向けています。自己資本比率は高水準ですが、投資と還元を並行するため、今後は事業成長によるキャッシュ創出が重要になります。
戦略トピック
コクヨは本社移転に伴い、旧本社本館の土地・建物と旧本社迎賓館跡地を譲渡します。資産効率の最適化と有効活用が目的で、譲渡に伴う固定資産売却益は2026年12月期と2027年12月期に分けて計上する予定です。
| 対象資産 | 売却価格 | 売却益の計上予定 |
|---|---|---|
| 旧本社迎賓館跡地 | 約8億円 | 2026年12月期に約8億円 |
| 旧本社本館土地・建物 | 約50億円 | 2027年12月期に約35億円 |
迎賓館跡地の売却益は7億5,300万円、旧本社本館の売却益は35億2,900万円の見込みです。会社は2026年7月に譲渡を決議しており、迎賓館跡地は同年9月、本館は2027年9月の引き渡しを予定しています。これらの売却益は本業の利益とは分けて見る必要がありますが、移転後の資産を現金化し、資産構成を見直す動きとして注目されます。
リスクと課題
会社は国内経済の回復を見込む一方、海外景気や地政学情勢、コスト上昇などを不確実要因として挙げています。利益面では、流通事業の競争対応や先行投資の負担をどう吸収するかが焦点です。
- 地政学リスクとコスト上昇: 中東情勢などを背景に原材料費・物流費が上がれば、利益率を押し下げる可能性があります。一定のコスト増は通期予想に織り込んでいます。
- 中国景気の減速: ファニチャー事業やステーショナリー事業の海外販売に影響する可能性があります。現時点ではブランド力や大型案件の獲得が支えています。
- 流通事業の競争激化: セールなどの価格対応や成長投資が続けば、増収でも利益が伸びにくくなるおそれがあります。購買管理サービスの利用拡大を収益性につなげられるかが課題です。
- インド市場の競争: ファニチャー事業では大型案件が伸びる一方、ステーショナリー事業では競争激化が報告されています。事業ごとに成長の度合いが異なる点に注意が必要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/31)
909.8円
最新終値(2026/10/23)
895.7円-1.5%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#コクヨ#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#ファニチャー事業#べんりねっと#自社株買い#配当
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コメント
売上の伸びを家具と文具が支え、特に国内オフィス需要とインドの大型案件がファニチャー事業の追い風になっています。一方、流通事業はサービス利用が広がっても、セールや投資負担で減益でした。成長投資が将来の利益拡大に結びつくかを見極めたい決算です。
自己株式取得を進めつつ、本社移転や東北IDCへの投資も行っており、株主還元と事業基盤の強化を並行しています。通期予想は据え置かれたため、下期はコスト上昇を吸収しながら、流通事業の利益が持ち直すかが注目点です。
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