ヨコレイ、2026年9月期第3四半期決算、営業益66%増で2事業が最高益

ヨコレイの2026年9月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比2.7%増、営業利益が66.1%増、純利益が21.9%増となりました。冷蔵倉庫事業は取扱量の増加や料金改定、食品販売事業は利益率重視の運営が寄与し、両事業で累計期間の過去最高益を更新。倉庫と食品販売がそろって最高益となる一方、食品販売は売上高が前年を下回りました。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 979億円 | +2.7% | 1,250億円 | 78% |
| 営業利益 | 62億円 | +66.1% | 70億円 | 88% |
| 純利益 | 28億円 | +21.9% | 63億円 | 44% |
| 営業利益率 | 6.3% | |||
この決算のポイント
- 1冷蔵倉庫事業は取扱量増と料金改定が寄与し、第3四半期累計で過去最高益を更新
- 2食品販売事業は低採算取引の見直しで利益率が改善し、減収ながら累計最高益を記録
- 3通期営業利益予想は70億円、前期比65.2%増。売上高予想は1,250億円
- 4年間配当予想は27円で、前期実績の24円から3円増配する計画
- 5総資産は前期末比110億5,200万円増の2,200億8,600万円、自己資本比率は38.6%
業績のポイント
ヨコレイ(横浜冷凍)は、2026年9月期第3四半期累計で増収増益となりました。売上高は978億8,000万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は61億6,100万円(同66.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億8,900万円(同21.9%増)です。営業利益率は6.3%で、前年同期の約3.9%から上昇しました。
- 冷蔵倉庫事業: 冷凍食品や畜産品、とくに鶏肉の取扱いが伸び、入庫・出庫・在庫量がいずれも前年を上回りました。料金改定の進展も増益に寄与しました。
- 食品販売事業: 売上高は前年同期をわずかに下回ったものの、低採算取引の見直しや在庫回転率の向上で利益率が改善しました。
- 利益の伸び: 経常利益は62億100万円(同89.2%増)と、営業利益より高い伸びでした。1株当たり四半期純利益は47円21銭で、前年同期の38円82銭から増加しました。
会社は、原材料価格の高騰や値上げに対する消費者の節約志向が続く厳しい食品市場を説明しています。その環境下で物流施設の稼働や料金改定を進める一方、食品販売では採算を優先する方針を継続しました。二つの主力事業がそろって累計最高益となったことは、数量の拡大だけでなく、価格や取引条件の見直しが収益に結び付いた点を示しています。
セグメント別動向
冷蔵倉庫事業は増収増益となり、第3四半期累計として過去最高益を更新しました。冷凍食品や鶏肉の取扱量が伸び、事業全体の入庫量・出庫量・在庫量が前年を上回ったほか、保管料金の改定も進みました。
- 物流施設の稼働負担: 直近2期間に稼働した施設で減価償却費や人件費が増え、利益を押し下げました。それでも取扱量の増加と料金改定がこれを補いました。
- タイの子会社: 畜産品や乳製品に加えて果汁の取扱いが拡大しました。在庫率の上昇による保管料収入の増加と料金改定も増収増益に貢献しました。
食品販売事業は減収増益で、こちらも第3四半期累計の過去最高益を更新しました。水産品は九州の前浜でサバの水揚げが好調で、加工や輸出向けの荷動きも利益を押し上げました。畜産品では国産品への切り替えや鶏肉の副産物販売を進め、農産品では不作の影響を受けたイモ類の販売単価設定と販売強化に取り組みました。
食品販売では、売上規模を追うより利益率を重視する事業構造への転換が続いています。販売数量の伸びに依存せず、採算の改善と在庫管理を重ねて利益を確保できるかが、今後も注目点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 冷蔵倉庫事業 | - | - | - | - |
| 食品販売事業 | - | - | - | - |
| その他 | - | - | - | - |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は2,200億8,600万円で、前期末から110億5,200万円(5.3%)増加しました。自己資本比率は前期末と同じ38.6%を維持しています。
| 項目 | 2026年9月期第3四半期 | 前期末比・前期比 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,200億8,600万円 | +5.3% |
| 純資産 | 869億4,300万円 | +5.5% |
| 自己資本比率 | 38.6% | 変わらず |
| 年間配当予想 | 27円 | 前期実績比+3円 |
営業活動によるキャッシュフローはプラス、投資活動と財務活動によるキャッシュフローはマイナスで、現金及び現金同等物は前期末から減少しました。配当は中間13円、期末予想14円で、前期の年間24円から27円への増配を見込みます。配当予想に変更はありません。
7月には物流施設などの信託受益権譲渡と賃貸借契約を進め、東京羽田、加須、つくばの3施設で譲渡を完了しました。調達資金を冷蔵倉庫の設備投資などに充て、資本効率を高めながら成長投資に資金を回す方針です。
通期見通し
2026年9月期の通期予想は、売上高1,250億円、営業利益70億円、親会社株主に帰属する当期純利益63億円です。売上高は前期比0.4%減の計画ですが、営業利益は65.2%増、純利益は218.4%増を見込んでいます。
| 項目 | 2026年9月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,250億円 | -0.4% |
| 営業利益 | 70億円 | +65.2% |
| 経常利益 | 64億円 | +74.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 63億円 | +218.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 106円62銭 | 記載なし |
第3四半期決算短信では、前回予想額と前期実績額の金額は比較表に再掲されていません。会社は5月公表の予想修正を参照するよう案内しており、今回の短信に記載された通期予想から、最新の修正内容を確認する際は5月の公表資料との照合が必要です。
純利益の大幅増を見込む一方、売上高は小幅な減少計画です。冷蔵倉庫の取扱量と料金改定、食品販売の採算改善を通期で維持できるかが、予想達成の焦点となります。
戦略トピック
ヨコレイは保有する物流施設の資産効率を高めるため、信託受益権の譲渡と賃貸借契約を進めています。対象は東京羽田、加須、つくば、長岡の物流施設で、東京羽田など3施設は7月に譲渡を完了し、長岡の施設は手続きを進めています。
- 資金の使い道: 調達資金は、拡大する冷蔵倉庫需要に対応する設備投資などに充てる方針です。
- 経営上の狙い: 資産を効率化し、財務の機動性を高めることで、環境変化に応じて成長投資へ柔軟に資金を配分します。
- 会計上の影響: 取引に伴う固定資産売却益を2026年9月期の特別利益に計上する予定ですが、短信の記載では金額を確認できません。
施設を手放して事業から撤退するのではなく、譲渡後も賃貸借契約によって物流施設を利用する形です。冷蔵倉庫の成長投資を続けながら、保有資産の圧縮と資本効率の改善を狙う資産活用策といえます。
リスクと課題
会社は、経済状況や競合に加え、自然災害や金利などが業績を左右する可能性を挙げています。食品事業では仕入れ価格や消費者の節約志向、倉庫事業では新施設の費用負担も注視が必要です。
- 原材料価格の上昇: 食品の仕入れコストが高止まりすれば、販売価格への転嫁が遅れた場合に利益率を圧迫します。
- 消費者の節約志向: 値上げによる購買抑制が続けば、食品販売の販売数量や商品構成に影響するおそれがあります。
- 天候・水揚げの変動: 不作や水産物の水揚げ減少は、農産品・水産品の調達量や仕入れ価格を通じて業績に響きます。
- 物流施設の費用と稼働: 新施設では減価償却費や人件費が先行します。取扱量や稼働率が想定を下回れば、冷蔵倉庫事業の利益を押し下げる可能性があります。
- 金利・競争・災害: 金利変動や同業他社との競争、自然災害などは、資金調達費用や施設運営、業績予想の達成に影響するリスクです。
倉庫事業では設備投資を続ける一方、食品販売では採算を重視する方針です。成長投資による費用増を取扱量や保管料収入で吸収できるか、食品の仕入れ環境が利益改善を損なわないかが、次の決算でも重要になります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/13)
2,076円
最新終値(2026/10/23)
1,714円-17.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ヨコレイ#決算#決算分析#四半期決算#冷蔵倉庫#食品販売#増益#増配#資産効率
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
冷蔵倉庫事業の取扱量増と料金改定に加え、食品販売で低採算取引を見直し、両事業がそろって累計最高益を更新した点は評価できます。売上高の伸び以上に利益が伸びており、採算改善が数字に表れています。
一方、物流施設の新規稼働に伴う減価償却費や人件費は、需要が強くても利益を抑える要因です。資産の譲渡後も施設を借りて使う施策が、成長投資の資金確保と資本効率の向上を両立できるか、今後の説明を追いたいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/yokohama-reito/report/2026-Q3
関連記事
港湾・倉庫物流の最新記事
掲載企業

横浜冷凍株式会社
東証 2874
これが最新の決算解説です








