横浜冷凍、サーモン投資で242億円の特別損失、2026年9月期は138億円の最終赤字へ
横浜冷凍は2026年9月期に、ノルウェーのサーモン関連企業Hofseth International(HI)社への投融資を巡り、投資有価証券評価損236億円と貸倒引当金繰入額5億円など計242億円の特別損失を計上する。連結純損益予想は従来の63億円の黒字から138億円の赤字へ修正し、前期の19億7800万円の黒字からも赤字転落となる。営業利益予想は前回から1億円増の71億円。

開示の要点
- 特別損失
- 242億円
- 連結純利益
- -138億円
- 総資産影響
- -299億円
- 配当予想
- 変更なし
HI社関連資産を実質全額減損
__横浜冷凍はHI社と関係会社に対する株式、社債、貸付金などの投融資残高について、実質全額を減損・引当の対象とし、2026年9月期に計242億円の特別損失を計上する。サーモン投資を大幅減損する判断だ。\n\n- 損失の内訳: 投資有価証券評価損236億円、貸倒引当金繰入額5億円。\n- 業績への影響: 特別損失の計上による総資産の減少は242億円。その他有価証券評価差額金の減少57億円を含め、総資産への影響額は299億円となる。\n- キャッシュへの影響: 今回の会計処理に伴うキャッシュアウトはない。\n\nHI社はサーモンの加工・販売を手掛けるノルウェー企業。横浜冷凍の前身となる子会社が2015年に資本参加を含む業務提携を結び、養殖から加工・販売までの一体運営を目指した。
通期純損益は黒字予想から赤字へ
連結の売上高、営業利益、経常利益は前回予想を上回る一方、特別損失の計上で純損益は赤字に転じる。前期実績との比較では、営業利益と経常利益は増益予想だが、純損益は黒字から赤字への転落となる。\n\n| 連結(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |\n|---|---:|---:|---:|\n| 売上高 | 1,250 | 1,305 | 1,255.63 |\n| 営業利益 | 70 | 71 | 42.38 |\n| 経常利益 | 64 | 66 | 36.58 |\n| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 63 | -138 | 19.78 |\n\n個別業績も、当期純利益予想を59億円の黒字から145億円の赤字へ修正する。前期の30億2300万円の黒字から赤字転落となる。\n\n| 個別(億円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |\n|---|---:|---:|---:|\n| 売上高 | 1,217 | 1,271 | 1,227.58 |\n| 経常利益 | 59 | 58 | 44 |\n| 当期純利益 | 59 | -145 | 30.23 |\n\n- 修正の主因: HI社関連の特別損失に加え、9月24日に公表した債権・株式譲渡に伴う債務保証損失引当金戻入益47億円、貸倒損失25億円、投資有価証券売却益5億円を反映した。\n- HI社を巡る環境: サーモン相場の変動や米国の関税政策を背景に、HI社では2024年、2025年の各通期と2026年12月期第2四半期の純利益がマイナスとなった。事業拡大に伴う資金需要で金利負担も増え、同社が発行した上場グリーン債の市場価格は発行時から約30%下落した。\n\n本業の売上高・営業利益への影響はないとし、連結営業利益は前回予想の70億円から71億円に引き上げた。前期実績の42億3800万円を上回る見通しで、今回の赤字予想は主に投資損失によるものとなる。
役員報酬を自主返上、配当予想は維持
横浜冷凍は業績予想の修正と多額の損失計上を受け、役員報酬の自主返上と業績連動賞与の不支給を決めた。2026年9月期の配当予想は変更しない。\n\n- 自主返上の期間: 2026年11月から3カ月間。\n- 基本報酬の返上割合: 代表取締役社長は50%、常務取締役は30%、その他の常勤取締役は20%。\n- 業績連動賞与: 支給対象となる取締役と執行役員は全員不支給とする。\n\n経営責任を明確にするとともに、特別損失の影響を踏まえた対応としている。配当予想は今回の業績修正に伴う変更がなく、資料では配当額を記載していない。
海外食品企業への投融資を行わない方針
横浜冷凍は、新中期経営計画期間にあたる2026年10月から2030年9月まで、海外の食品関連企業への投融資を行わない方針を決めた。HI社との取引は、食品販売事業に必要な商品の仕入れに限って継続する。\n\n- 投資管理の見直し: 事業投資基準を厳格化し、関係会社を含む投資審査・モニタリング体制を強化する。\n- 残る海外投融資: 2026年9月末時点で、Hofseth Biocare ASAの普通株式8億円と、英国Arctic Watersへの融資残高3億円がある。後者は担保価値3億円まで引当済みで、回収を進めている。\n- ガバナンス: 監査等委員会設置会社への移行や、取締役会事務局の設置、社外取締役の追加選任などを掲げる。会社形態の移行は、2027年12月開催予定の定時株主総会で必要な定款変更が承認されることが条件となる。\n\n今回の減損を受け、会社は同様の多額の損失を伴う可能性がある海外企業への投融資案件は、ほかに基本的にないとしている。新たな海外投資を止める方針と投資審査の強化が、今後の資本配分やリスク管理の焦点となる。
開示前後の株価推移
開示当日の終値(2026/10/30)
1,724円
最新終値(2026/10/30)
1,724円
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/30更新
ヨコレイをライバルと比較
年収・業績・株価を並べて倉庫・物流業界の今
掲載7社ヨコレイは倉庫・物流業界の掲載7社中、売上高で7位。業界全体の株価と今期の会社計画を見ると――
- 業界の株価(1年)
- +16.3%全業界 +14.9%
- 今期計画 営業利益
- +4.8%全業界 +13.0%
- 予想の上方修正
- 1社下方 1社
- 営業利益率(業界)
- 8.0%
- ヨコレイ+40.6%
- 倉庫・物流(業界平均)+16.3%
- 全業界+14.9%
- 足元の業績今期第1四半期累計は4社合計で売上高+5.6%・営業利益−3.6%(前年同期比)。通期計画に対する進捗が標準ペースを上回る企業は1社、下回る企業は1社。
- 予想修正今期予想を上方修正したのは1社、下方修正は1社。修正幅が最も大きいのはヨコレイ(営業利益+45.8%)。





タグ#横浜冷凍#業績予想修正#特別損失#サーモン#海外投資#食品物流#コーポレートガバナンス
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今回の赤字は、売上高や営業利益の失速ではなく、HI社関連の投融資を大きく減損したことが主因です。営業利益予想は前期実績を上回る一方、特別損失で通期純損益が赤字となり、資産規模にも影響します。本業の採算と投資リスクを分けて見る必要がある開示であり、海外投資を止める方針が実際の資本配分や審査体制にどう反映されるかが注目点です。
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