情報機器、AV機器3社・2026年3月期通期、選択と集中が進みカシオとブラザーが躍進
情報機器・AV機器業界の2026年3月期は、事業の選択と集中が進み、各社で明暗がはっきりと分かれる結果となりました。ブラザー工業は産業機器で稼ぎ、カシオ計算機は時計でV字回復しました。一方、JVCケンウッドは部品不足で苦戦しました。各社の戦略の差を解説します。
今期の総括
強みへの選択と集中が明暗を分かつ
業界全体の動き
2026年3月期の業界は、強みを磨く選択と集中が進みました。
主な共通テーマは以下の4点です。
- 堅調なグローバル需要
北米やアジアで、製品への需要が底堅く推移しました。
- 為替による押し上げ効果
想定より円安で推移し、海外売上の比率が高い各社の追い風となりました。
- 不採算事業からの撤退
利益率の向上のため、祖業や関連事業を売却する動きが出ました。
- 積極的な株主還元の実施
各社は回復した業績を背景に、大型の自社株買いや増配を発表しました。
業界全体で利益重視の経営に舵を切る動きが加速しています。
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
今期、最も好調だったのはブラザー工業です。
営業利益は前期比15%増の779億円と、競合を圧倒しました。
売上高も8,935億円(前年比+5.3%)で業界首位です。
一方、最も苦戦したのはJVCケンウッドでした。
売上高は3,569億円(前年比-3.6%)と減収になりました。
営業利益も205億円(前年比-5.7%)に落ち込みました。
両社の明暗を分けたのは事業の選択です。
ブラザー工業は産業機器需要の回復をうまく捉えました。
対してJVCケンウッドは、無線システムの部品不足が響きました。
- 好調
- ブラザー工業
- 苦戦
- JVCケンウッド


売上高ランキング
営業利益ランキング
注目の動き・戦略比較
各社は強みを最大化する独自戦略に挑んでいます。
ブラザー工業は、カラオケ事業のJOYSOUNDを手放しました。
これにより、強みである産業機器と印刷に資源を集中します。
カシオ計算機は、時計事業で「2軸ブランド成長戦略」を展開。
G-SHOCKの高単価モデルと定番品を組み合わせ、利益を伸ばしました。
その結果、純利益は182億円で前年比126%増と急伸しました。
JVCケンウッドは、外部環境の逆風下で構造改善を急いでいます。
配当を18円に増配し、約80億円の自社株買いで株主を重視します。
業界共通のリスク
好調な企業が多い一方、以下のリスクが共通して存在します。
- 部品や原材料の調達リスク
JVCケンウッドを苦しめた部品不足は、他社にとっても脅威です。
- 輸出規制や関税のリスク
米国による対中関税措置など、政治的要因が販売を妨げます。
- 為替急変動のリスク
足元の好業績は円安に支えられており、円高への転換は脅威です。
順位変化と構造トレンド
今期は利益率の面で大きな序列の変化がありました。
カシオ計算機の営業利益率が8.4%に急上昇しました。
前期の5.4%から改善し、ブラザー工業の8.7%に迫っています。
JVCケンウッドは5.8%に留まり、3位へ後退しました。
かつての多角化路線から、稼げる事業に絞るトレンドが鮮明です。
営業利益率ランキング
就活生・転職希望者へ
この業界を目指すなら、企業の「今の稼ぎ頭」を見極めましょう。
かつての「家庭用機器メーカー」のイメージは通用しません。
今はBtoBの産業機器や、独自の強みを持つブランドが主役です。
グローバルに活躍したい人には、最適なフィールドと言えます。
海外売上比率が高く、各社が世界で戦う武器を持っています。
タグ#電気機器#情報機器#AV機器#ブラザー工業#カシオ計算機#JVCケンウッド#2026年3月期#決算比較#G-SHOCK#産業用ロボット
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/industry/consumer-devices/2026-FY
関連記事
各社の決算解説(2026年3月期 通期)
情報機器・AV機器の最新ニュース
情報機器・AV機器の企業ページ
他の期間
2期- 2027年3月期 第1四半期
- 2026年3月期 通期

