ALSOK、2027年3月期第1四半期決算、営業利益15%増で通期予想を維持

ALSOKの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比3.4%増、営業利益が15.4%増、純利益が25.8%増となり、増収増益でした。FM事業等の伸長やセキュリティ事業の採算改善が利益を押し上げ、営業利益は2桁増益。介護事業では税負担の影響が出たものの、通期業績予想は据え置き、年間配当予想は前期比増額しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,459億円 | +3.4% | 6,375億円 | 23% |
| 営業利益 | 120億円 | +15.4% | 557億円 | 22% |
| 純利益 | 81億円 | +25.8% | 373億円 | 22% |
| 営業利益率 | 8.3% | |||
この決算のポイント
- 1FM事業等は売上高が前年同期比16.4%増、営業利益は46.2%増と全体を上回る伸び
- 2介護事業は売上高が4.3%増えた一方、外形標準課税の適用で営業利益は32.3%減
- 3海外事業は売上高が11.1%増加し、営業損失は前年の1億77百万円から1億42百万円に縮小
- 4通期営業利益予想は557億円、前年実績比18.7%増の計画を維持し、予想修正はなし
- 5年間配当予想は33円で、前期実績の29円20銭から3円80銭増額する計画
業績のポイント
ALSOK株式会社(以下、ALSOK)の2027年3月期第1四半期は、売上高が1,458億98百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益が120億49百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が80億94百万円(同25.8%増)でした。経常利益も132億51百万円(同21.5%増)となり、利益の伸びが売上高を上回りました。
- セキュリティ事業: 売上高は前年同期比0.5%増にとどまった一方、営業利益は同11.2%増。主力事業の利益改善が全体を支えました。
- FM事業等: 売上高が同16.4%増、営業利益が同46.2%増となり、増収と利益率改善の両面で寄与しました。
- 介護事業: 売上高は同4.3%増でしたが、複数の介護子会社への外形標準課税適用により営業利益は同32.3%減でした。
- 海外事業: 売上高は同11.1%増え、営業損失は前年同期の1億77百万円から1億42百万円へ縮小しました。
会社は、犯罪やサイバー空間の脅威、自然災害などを背景に、安全・安心サービスへの期待が高まっていると説明しています。中期経営計画「ALSOK STAGE 2028」のもと、個人向け、介護、海外を重点成長分野とし、DX・AIによる業務改革やサービス領域の拡充を進めます。利益の伸びが売上高の伸びを上回った点は、事業拡大だけでなく採算改善も進んだことを示しています。
セグメント別動向
セキュリティ事業は売上高1,033億95百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益121億80百万円(同11.2%増)でした。HOME ALSOK Connectの受注が伸びたほか、機械警備では法人の省人化ニーズを取り込み、サイバーセキュリティ関連サービスも拡充しました。
FM事業等は売上高206億95百万円(同16.4%増)、営業利益23億94百万円(同46.2%増)と力強く伸びました。防災関連事業の基盤強化に向け、日本ドライケミカルを巡るカーライルとの共同公開買付けや戦略的パートナーシップの構築にも着手しています。
介護事業は売上高141億99百万円(同4.3%増)でしたが、営業利益は4億32百万円(同32.3%減)でした。複数の子会社で外形標準課税が適用されたことが利益を圧迫しました。介護支援ロボットの活用や職員配置の適正化を進め、事業効率を高める方針です。
- 海外事業: 売上高は76億7百万円(前年同期比11.1%増)、営業損失は1億42百万円。前年同期の1億77百万円の損失から赤字幅が縮まりました。
- 主なサービス展開: 「ALSOK-G7」や「ALSOKユーザーレスキュー」に加え、インシデント対応支援など、物理警備とサイバー対策を組み合わせたサービスを広げています。
セキュリティ事業はグループ売上の中心で、安定した利益基盤を担います。一方、FM事業等の高い伸びが今期の増益を後押ししました。介護事業では売上の成長を利益につなげられるか、海外事業では損失縮小を黒字化に結び付けられるかが今後の焦点です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| セキュリティ事業 | 1,034億円 | 71% | 122億円 | 11.8% |
| FM事業等 | 207億円 | 14% | 24億円 | 11.6% |
| 介護事業 | 142億円 | 10% | 4億円 | 3.0% |
| 海外事業 | 76億円 | 5% | -142百万円 | -1.9% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は6,530億29百万円で、前期末から219億95百万円減少しました。自己資本比率は59.1%と、前期末の56.8%から2.3ポイント上昇しています。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 前年同期・前期との比較 |
|---|---|---|
| 営業CF(百万円) | 12,967 | 前年同期比126.8%増 |
| 投資CF(百万円) | -9,656 | 使用額は前年同期比33.3%増 |
| 財務CF(百万円) | -2,864 | 前年同期は1億66百万円の収入 |
| 年間配当予想(円) | 33.00 | 前期実績29.20円から3.80円増 |
| 自己資本比率 | 59.1% | 前期末比2.3ポイント上昇 |
営業活動による資金増加は、売上債権の減少や税引前利益の計上が寄与しました。投資活動では有形固定資産の取得に加え、子会社株式の取得に資金を投じています。年間配当は中間16円50銭、期末16円50銭の予想で、前期から増配する計画です。今回の短信では自社株買いの発表はありません。
通期見通し
ALSOKは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。売上高6,375億円(前期比6.8%増)、営業利益557億円(同18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益373億円(同12.1%増)を見込みます。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 637,500 | +6.8% |
| 営業利益(百万円) | 55,700 | +18.7% |
| 経常利益(百万円) | 58,500 | +17.2% |
| 純利益(百万円) | 37,300 | +12.1% |
第1四半期は営業利益が前年同期を上回りましたが、会社は5月公表の予想から変更していません。通期では売上高の伸びを上回る営業増益を計画しており、主力警備サービスの採算改善やFM事業等の成長が続くかが達成の鍵です。
戦略トピック
ALSOKは防災事業の基盤強化に向け、日本ドライケミカルを巡り、グローバル投資会社カーライルと共同で公開買付けを実施し、戦略的パートナーシップの構築に着手しました。ALSOKの顧客基盤や人材供給力と、カーライルの経営ノウハウなどを組み合わせ、中長期的な企業価値向上を目指します。
また、介護分野ではALSOK介護ライフサポートとALSOKケアを連結子会社化し、介護事業の基盤を強化しました。新規連結に伴うのれんの増加額は12億11百万円で、取得原価の配分が完了していないため暫定額です。
このほか、2026年5月に策定した中期経営計画「ALSOK STAGE 2028」では、個人向け、介護、海外を重点成長分野に位置付けています。警備の既存インフラを活用した設備対応やサイバーセキュリティ関連サービス、DX・AIによる業務効率化を組み合わせ、従来の警備にとどまらない安全・安心サービスの拡大を狙います。
リスクと課題
会社は、景気の先行きに加え、中東情勢や国内政治の動向に注意が必要との見方を示しています。安全需要の高まりを成長につなげる一方、各事業の採算確保とサービス提供体制の強化が課題です。
- 地政学・政策の不確実性: 中東情勢の混迷や消費税減税を巡る政治動向などが、景気や企業活動に影響する可能性があります。
- 介護事業の税負担: 外形標準課税の適用で第1四半期の営業利益が前年同期比32.3%減となりました。売上成長と利益回復を両立できるかが焦点です。
- 海外事業の収益化: 売上高は前年同期比11.1%増えたものの営業損失が続いており、現地に合ったサービス展開や省人化を通じた収益改善が必要です。
- 警備ニーズの変化: 犯罪、サイバー攻撃、自然災害など脅威が多様化しています。人による警備とDXを組み合わせ、顧客ニーズに応じたサービスを継続的に提供することが求められます。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/31)
1,173円
最新終値(2026/10/23)
1,218円+3.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ALSOK#決算#決算分析#四半期決算#警備業界#増収増益#介護事業#配当#サイバーセキュリティ
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コメント
利益の伸びが売上高を大きく上回り、特にFM事業等の増益が目立つ決算です。警備の需要増だけに頼らず、防災、介護、サイバー対策へ事業領域を広げる戦略が数字に表れ始めています。
一方、介護事業は増収でも税負担で減益となり、海外事業も赤字が続きます。成長分野を利益成長につなげられるかが、通期予想の達成と中期計画の実効性を測るポイントです。
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