第一生命HD・2026年3月期Q3、純利益4.7%増の3,703億円——運用収益が拡大、株式分割と実質増配を発表
売上高
8.3兆円
+6.1%
通期予想
11.1兆円
営業利益
5,977億円
+7.2%
通期予想
7,180億円
純利益
3,703億円
+4.7%
通期予想
4,080億円
営業利益率
7.2%
2026年3月期第3四半期の決算は、経常収益が前年比 6.1%増 の 8兆3,207億円 となりました。国内での 資産運用収益 の伸びが増益を支えています。また、投資家層の拡大を狙い 1対4の株式分割 と、実質的な 増配 を含む株主還元策の強化を公表しました。
業績のポイント
当第3四半期の累計業績は、主要な指標ですべて前年を超えました。
- 経常収益は 8兆3,207億円 (前年比 6.1%増 )を達成しました。
- 経常利益は 5,977億円 (前年比 7.2%増 )まで伸びました。
- 純利益は 3,703億円 (前年比 4.7%増 )となりました。
増収の主な理由は、第一生命や第一フロンティア生命での運用収益が増えたためです。
株価の上昇や円安の影響で、投資の取り分が前年より 4,372億円 も増えました。
一方で、契約者への支払いに備える「積立金」の負担も増えましたが、収益の伸びがこれを上回りました。
業績推移(通期)
セグメント別動向
各事業部門の状況は以下の通りです。国内事業が全体の利益をけん引しています。
- 国内保険事業: 利益は 5,030億円 (前年比 13.1%増 )と好調でした。
運用環境が良くなり、利息や配当金の収入が着実に増えたことが要因です。
- 海外保険事業: 利益は 1,258億円 (前年比 4.4%減 )と少し落ち込みました。
海外市場の環境変化もあり、前年の水準には届きませんでした。
- その他事業: 利益は 3,040億円 (前年比 36.0%増 )と大幅に伸びました。
グループ内の資産管理や、関連業務が順調に進んだ結果です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内保険事業 | 5.9兆円 | 71% | 5,030億円 | 8.6% |
| 海外保険事業 | 2.6兆円 | 31% | 1,258億円 | 4.8% |
| その他事業 | 505億円 | 1% | 3,041億円 | 602.4% |
財務状況と資本政策
資産の規模はさらに大きくなり、株主への還元も手厚くしています。
- 総資産は 72兆3,846億円 となり、前期末より 2兆7,917億円 増えました。
- 自己資本比率は 5.6% で、前期末の 5.0% から改善しています。
- 2025年4月付で、普通株式 1株を4株に分割 することを決めました。
- 年間配当は分割後で 52円 を予定し、実質的な 増配 となります。
- 約 735億円 の自社株買いを行い、1株あたりの価値を高める努力を続けています。
リスクと課題
会社側は今後の不安要素として、以下の点を挙げています。
- 米国の関税政策による、世界経済のスピードダウンの恐れがあります。
- 物価の上昇が続き、個人の消費意欲が弱まることがリスクです。
- 円安が進んでいますが、今後の為替変動が運用成績を左右する可能性があります。
通期見通し
2026年3月期の通期予想について、一部の数値を修正しました。
- 経常収益の予想は 11兆670億円 (前年比 12.1%増 )と強気の見方です。
- 一方で、純利益は 4,080億円 (前年比 5.0%減 )を見込んでいます。
- 利益が減る予想なのは、将来の支払いに向けた準備を慎重に行うためです。
第一生命HDの今回の決算で最も注目すべきは、業績の堅調さ以上に、非常に積極的な 株主還元姿勢 です。
1対4の株式分割 は、個人投資家や就職活動中の学生にとっても、一単元の購入金額が下がるため「親しみやすい株」になる効果があります。また、分割後の配当予想を実質増配とした点は、経営陣の将来への自信の表れと言えます。
本業では、国内の金利上昇や株高という追い風をしっかり利益に変えていますが、海外事業の利益がわずかに減少している点は、今後の成長戦略における課題として見ておく必要があります。今後、金利環境の変化にどう対応し、安定した収益を維持できるかが焦点となるでしょう。
