GMOインターネットグループ・2025年12月期、営業利益19.5%増の591億円——インフラ・金融が好調、増配と自社株買いを発表

売上高は前期比3.3%増の2,852億円、営業利益は19.5%増の591億円と増収増益でした。ネットインフラと金融事業が稼ぎ頭として成長をけん引し、年間配当は前期の41.8円から52.0円へ大幅に増やしました。
決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,853億円 | +3.3% |
| 営業利益 | 591億円 | +19.5% |
| 純利益 | 167億円 | +12.8% |
| 営業利益率 | 20.7% |
業績のポイント
当期は主力のインフラと金融が伸び、過去最高の売上と営業利益を更新しました。
- 売上収益は2,852億円(前年比3.3%増)と堅調に推移しました。
- 営業利益は591億円(前年比19.5%増)と大きく伸びました。
- 純利益は167億円(前年比12.8%増)を達成しました。
- 1株当たりの配当は前期の41.8円から52.0円へ増額しました。
今回から国際会計基準(IFRS)を導入し、より透明性の高い経営を目指しています。
セグメント別動向
全ての事業領域を網羅し、特にインフラと金融の利益成長が際立っています。
| セグメント | 売上収益 | 営業利益 | 前年同期比(利益) |
|---|---|---|---|
| ネットインフラ | 1,740億円 | 417億円 | 21.4%増 |
| ネットセキュリティ | 213億円 | 13億円 | 27.0%減 |
| ネット広告・メディア | 321億円 | 27億円 | 25.5%減 |
| ネット金融 | 393億円 | 132億円 | 153.9%増 |
| 暗号資産 | 83億円 | 23億円 | 37.7%減 |
| インキュベーション | 1億円 | △4億円 | 損益悪化 |
- ネットインフラ: ドメインや決済、ホスティングが好調で、グループの安定収益源となっています。
- ネット金融: 金融市場の活発な取引を背景に、証券・FX事業の利益が2.5倍以上に急増しました。
- 暗号資産: 市場環境の変化により減益ですが、マイニングや交換所事業で黒字を維持しています。
- インキュベーション: 投資先の評価替えなどにより、一時的な赤字が出ました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| インターネットインフラ事業 | 1,740億円 | 61% | 417億円 | 24.0% |
| インターネット金融事業 | 394億円 | 14% | 132億円 | 33.6% |
| インターネット広告・メディア事業 | 321億円 | 11% | 28億円 | 8.7% |
| インターネットセキュリティ事業 | 214億円 | 8% | 14億円 | 6.3% |
| 暗号資産事業 | 83億円 | 3% | 24億円 | 28.8% |
財務状況と資本政策
株主還元を積極的に強化する姿勢を鮮明にしています。
- 自己資産は2兆365億円まで膨らみ、証券関連資産が中心です。
- 配当性向は31.7%となり、前期の29.8%から引き上げました。
- 27.4億円を上限とする自社株買いを新たに発表しました。
- 取得した自己株式のうち、約92万株を消却し、1株あたりの価値を高めます。
戦略トピック:M&AとAIロボティクス
将来の成長に向けた事業再編と投資を加速させています。
- プライム・ストラテジー社の買収: 2025年12月に連結子会社化し、クラウド・サーバー事業の競争力を高めます。
- 持株会社体制への移行: グループ経営機能を強化し、意思決定のスピードを一段と早めました。
- AIロボティクス革命: 「AIで未来を創る」を掲げ、全社でAI活用と新会社でのロボット開発を進めています。
リスクと課題
市場の変動を受けやすい事業構造が主なリスクとして挙げられています。
- 金融市場の変動: FXや株式取引高の変化が、金融事業の収益に直結します。
- 暗号資産価格の乱高下: ビットコイン等の価格変動がマイニング収益や交換所の収益を左右します。
- 投資先の不確実性: インキュベーション事業での投資先の価値下落がリスクとなります。
通期見通し
来期の予想については、外部環境の影響が大きいため非開示としています。
| 項目 | 2024年12月実績 | 2025年12月実績 | 2026年12月予想 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2,760億円 | 2,852億円 | 非開示 |
| 営業利益 | 494億円 | 591億円 | 非開示 |
| 純利益 | 148億円 | 167億円 | 非開示 |
金融や暗号資産市場のボラティリティ(価格変動)が激しいため、現時点での正確な予測は困難と判断しています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/3/19)
2,827.5円
最新終値(2026/10/23)
3,769円+33.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#増収増益#過去最高益#増配#自社株買い#IFRS適用#M&A#ネットインフラ#フィンテック#暗号資産#AIロボティクス
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コメント
GMOインターネットグループの決算は、まさに「攻めと守りのバランス」が取れた内容です。
強みは、営業利益の約7割を稼ぎ出すネットインフラ事業の安定感です。これが盤石であるからこそ、ボラティリティの激しい金融や暗号資産、インキュベーションといった「ハイリスク・ハイリターン」な領域で果敢に攻めることができています。
特に注目すべきは、今回から導入されたIFRS(国際会計基準)への移行です。のれんの償却負担がなくなることで、M&A戦略がより描きやすくなったはずです。実際にプライム・ストラテジー社を連結化するなど、周辺領域の取り込みに意欲的です。
懸念点としては、業績予想を「非開示」にせざるを得ないほど市場環境に左右される事業を抱えている点です。投資家にとっては不透明感がありますが、一方で、増配と自社株買いをセットで打ち出すことで、資本効率へのこだわりを強くアピールしており、株主視点の強い経営といえます。
今後は「AIロボティクス」を掲げた次なる成長戦略が、どれだけ早く数字として表れてくるかが焦点となるでしょう。
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