ジョイ本、2026年6月期通期決算、初連結で売上高1328億円、来期は営業減益予想

ジョイ本の2026年6月期決算は、株式会社本田の子会社化に伴い連結決算へ移行し、売上高が1,328億円、営業利益が87億円となりました。前期は連結財務諸表を作成していないため、実績の前年比較はできません。来期は売上高5.4%増を見込む一方、営業利益は1.5%減の予想で、アークランズとの経営統合の日程も未定となっています。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,328億円 | — | 1,400億円 |
| 営業利益 | 87億円 | — | 86億円 |
| 純利益 | 90億円 | — | 66億円 |
| 営業利益率 | 6.6% | ||
この決算のポイント
- 1株式会社本田の子会社化で連結決算に移行、売上高は1,328億円。前期との比較は開示なし
- 2当期純利益は90億円。負ののれん発生益19億円などの特別利益を計上
- 3「住まい」分野の売上高は752億円、全体の約56.6%を占めた
- 4年間配当は84円で前期比20円増、2027年6月期の期末配当は未定
- 5アークランズとの経営統合は日程未定に。来期営業利益予想は1.5%減
業績のポイント
ジョイ本(ジョイフル本田)は2026年6月期に連結決算へ移行し、売上高1,328億円、営業利益87億円、親会社株主に帰属する当期純利益90億円を計上しました。前期は連結財務諸表を作成していないため、売上高や利益の前年比は示されていません。
- 連結初年度: 2025年9月に株式会社本田を完全子会社化し、当期から連結対象に加えました。前期実績との単純比較はできません。
- 利益の下支え: 経常利益は100億円で、営業利益を上回りました。受取手数料など営業外収益も寄与しています。
- 特別利益: 負ののれん発生益19億円と投資有価証券売却益4億円を計上しました。当期純利益にはこうした一時的な利益も含まれます。
- 需要を捉えた商品: プロ向け資材や空調関連商品の需要が伸びた一方、節約志向を背景に嗜好品などで選別購買が見られました。
連結化で業績比較は困難という点が、この決算を読むうえでの前提です。売上規模だけで成長率を判断するのではなく、来期予想や今後の連結実績を基準に、利益の継続性を見極める必要があります。特別利益を含む純利益と、店舗運営による営業利益を分けて見ることも重要です。
セグメント別動向
ジョイ本は報告セグメントを「単一」としており、セグメント別の営業利益は開示していません。事業の動きを示す商品分野別では、「住まい」が売上高の約56.6%、「生活」が約43.4%を占めました。
| 商品分野 | 売上高(百万円) | 全体に占める割合 |
|---|---|---|
| 住まい | 75,195 | 56.6% |
| 生活 | 57,622 | 43.4% |
住まい分野は、資材・プロ用品の需要や新店の寄与に加え、エアコンの省エネ基準変更を控えた買い替え需要、銅価格上昇を背景とする空調設備・関連部材の需要が売上を押し上げました。会社は重点商品の在庫を確保し、品薄や値上げへの懸念による購買機会の減少を抑えたとしています。
生活分野は、日用品など生活必需品が底堅く推移し、ペット用品も専門店の出店や既存店の改装が寄与しました。一方、嗜好品や季節商品では節約志向による選別購買が続いています。これらは事業分野別の売上内訳であり、利益率や分野別利益は短信に記載されていません。
通期見通し
2027年6月期は売上高1,400億円を見込み、会社予想の前年比は5.4%増です。一方、営業利益は86億円で1.5%減、純利益は66億円で26.7%減を予想しています。前回予想は示されていないため、以下では今期実績と来期会社予想を比較します。
| 項目 | 2026年6月期実績(百万円) | 2027年6月期予想(百万円) | 会社予想の前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 132,817 | 140,000 | +5.4% |
| 営業利益 | 8,732 | 8,600 | -1.5% |
| 経常利益 | 9,954 | 9,800 | -1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,002 | 6,600 | -26.7% |
会社は、原材料・燃料費の高騰や不透明な景気を見込む一方、「また来店したい理由を増やす」を基本方針に掲げ、接客・提案力やDXを強化する考えです。リフォーム、ペット、ガーデン、JOYFUL2、資材など成長が期待できる分野に資源を集中します。純利益の減少率が大きい背景として、今期に負ののれん発生益などの特別利益があった点には留意が必要です。予想は現在の組織を前提に算定されています。
財務状況と資本政策
期末の総資産は1,677億円、自己資本比率は75.4%でした。営業活動で資金を確保する一方、借入金の返済や配当の支払いなどで現金は減少しています。
| 項目 | 2026年6月期 |
|---|---|
| 総資産 | 167,672百万円 |
| 自己資本比率 | 75.4% |
| 営業キャッシュ・フロー | +7,283百万円 |
| 投資キャッシュ・フロー | -5,131百万円 |
| 財務キャッシュ・フロー | -9,396百万円 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 24,974百万円 |
年間配当は1株84円で、前期の64円から20円増となりました。2026年6月期からDOE(株主資本配当率)4.0%以上を目安とする方針を掲げ、累進配当を継続する考えです。ただし前期配当には創立50周年記念配当が含まれます。2027年6月期は中間配当42円を予想する一方、経営統合後は共同持株会社が配当を行う予定のため、期末配当は未定です。自社株買いの発表はありません。
戦略トピック
ジョイ本は専門店の出店を進め、プロ向け需要やペット、農業・園芸などの専門性を高めています。2025年9月から2026年6月にかけて本田屋や資材館などを相次いで出店し、中期経営計画期間中に専門店を累計20~30店舗出店する目標を掲げました。
- プロ向け店舗: 本田屋や資材館の出店により、建築資材やプロ向け商品の供給力を強化します。
- 新業態・専門店: 農業・園芸を組み合わせた「FARM GARDEN+」や、ペット専門店「Pet's CLOVER」を展開しています。
- リフォームのブランド刷新: リフォーム事業の屋号を「JOYFUL HOME」に変更し、リノベーション専門ブランド「Studio.Re」などを通じて提案力を高めます。
- 株式会社本田との連携: 同社の配達機能と法人顧客基盤に、ジョイ本の品ぞろえや調達力を組み合わせ、プロ・法人向け事業の拡大を目指します。
さらに、アークランズとの共同持株会社設立による経営統合を目指しています。共同調達や物流網の相互活用などを検討していますが、相手先の子会社で不適切な会計処理の疑義が判明したため、最終契約や株式移転の日程は未定となりました。統合効果への期待と、実現時期・条件の不透明さを分けて評価する必要があります。
リスクと課題
会社は、物価や原材料費の上昇、消費者の節約志向など、ホームセンター業界を取り巻く環境の不確実性を挙げています。来期は増収予想ながら営業減益を見込んでおり、売上拡大を利益につなげられるかが焦点です。
- 原材料・燃料費の高騰: 中東情勢や円安などを背景に仕入れ・物流コストが上昇すれば、利益を圧迫する可能性があります。
- 節約志向の強まり: 嗜好品や季節商品で選別購買が見られます。生活必需品以外の需要が弱まれば、売上構成や採算に影響します。
- 人手不足と建築コスト: 人材確保や店舗改装・出店のコスト上昇は、店舗運営や投資回収の負担となり得ます。
- 経営統合の日程・条件: アークランズ側の特別調査委員会による調査を受け、統合のスケジュールは未定です。共同調達や物流効率化など、想定するシナジーの実現時期も見通せません。
専門店の出店や改装を進める中で、投資に見合う集客・利益を確保できるかも課題です。来期予想は現在の組織を前提としているため、統合の進展に伴う計画変更の有無と、既存事業の利益率を継続して確認したいところです。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/3)
2,409円
最新終値(2026/10/23)
2,353円-2.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ジョイ本#決算#決算分析#通期決算#ホームセンター#増配#アークランズ#経営統合#専門店出店
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コメント
連結初年度のため、売上高や利益の前年比だけで成長力を判断できない点が難しい決算です。株式会社本田の連結効果や専門店の出店が今後の伸びにつながるか、比較可能な連結実績が積み上がる来期以降に見極めたいところです。
年間配当の増額や高い自己資本比率は安心材料ですが、当期純利益には負ののれん発生益などの一時的な利益が含まれます。加えてアークランズとの統合日程は調査を受けて未定となっており、成長施策の実行力と統合の不確実性を分けて見る決算だと考えます。
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