めぶきFG・2026年3月期Q3、純利益31%増の646億円——金利上昇で利鞘が改善、年間配当は10円増額
売上高
3,270億円
+25.3%
営業利益
892億円
+26.7%
通期予想
1,060億円
純利益
647億円
+31.6%
通期予想
750億円
営業利益率
27.3%
めぶきフィナンシャルグループの2026年3月期第3四半期決算は、純利益が前年より 31.6%増 の 646億円 となりました。日銀の政策変更による金利上昇で 貸出金などの利息収入が大きく伸びた ことが要因です。株主還元も強化しており、年間配当は前期から 10円増 の 26円 を予定しています。
業績のポイント
本業の儲けを示す経常利益が大きく伸び、好調な決算となりました。
- 経常収益は前年比 25.3%増 の 3,269億円 となりました。
- 経常利益は前年比 26.7%増 の 892億円 を達成しました。
- 純利益は前年比 31.6%増 の 646億円 と大幅に増えました。
利益が増えた最大の理由は、市場金利の上昇です。これにより、貸出金の利息や有価証券の運用利益が 想定を上回って増大 しました。
業績推移(通期)
セグメント別動向
当社は「常陽銀行」と「足利銀行」を傘下に持つ銀行グループです。主な動きは以下の通りです。
- 資金運用業務: 貸出金利息が前年より 263億円 増えました。有価証券の利息なども 202億円 増えており、金利上昇の恩恵を直接受けています。
- 役務取引(手数料など): 投資信託の販売手数料などが堅調に推移し、利益は前年比で 11億円 増えました。
- 経費: 物価高や人件費の上昇により、営業経費は前年より 53億円 増加しました。しかし、収益の伸びがこれを大きく上回っています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業務(2行合算) | 1,579億円 | 100% | 857億円 | 54.3% |
財務状況と資本政策
預金と貸出金がともに増えており、経営基盤は安定しています。
- 貸出金残高: 前年度末から 4,227億円 増え、13兆6,258億円 となりました。
- 預金残高: 前年度末から 372億円 増え、17兆6,117億円 となりました。
- 自己資本比率: 前年度末の 4.5% から 4.8% に上昇しました。
株主還元 については、年間の配当予想を前期の 16円 から 26円 へ大幅に引き上げています。利益成長を積極的に株主に還元する姿勢が鮮明です。
通期見通し
通期の業績予想は、2025年11月に公表した数値を据え置いています。
| 項目 | 前回予想 | 今回公表 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 経常利益 | 1,060億円 | 1,060億円 | 828億円 |
| 純利益 | 750億円 | 750億円 | 582億円 |
| 1株利益 | 79.34円 | 79.34円 | 58.13円 |
第3四半期時点での純利益(646億円)の進捗率は 86.2% に達しています。通期目標の達成に向け、非常に順調なペース で推移しています。
リスクと課題
好決算の一方で、今後の注意点も示されています。
- 有価証券の含み損: 金利上昇に伴い、保有する債券の価格が下がり、評価損が出ています。ただし、貸出金利息の増加で十分カバーできる範囲内です。
- 与信関連費用: 企業の倒産増加などに備えた費用が前年より 28億円 増えました。今後の景気動向による貸倒リスクには注意が必要です。
今回の決算で最も注目すべきは、「金利上昇」を確実に利益に変えている点 です。日本の地銀は長らく低金利に苦しんできましたが、貸出金利回りが前年の0.92%から 1.16% へと上昇したことで、収益構造が劇的に改善しています。
また、配当を前期の16円から26円へ一気に 62%も増額 した点は、投資家にとって非常に強いメッセージとなります。自己資本比率も着実に向上しており、攻めの還元ができる財務体質が整ってきたと言えます。
就職活動中の学生にとっては、常陽銀行(茨城)と足利銀行(栃木)という強力な営業基盤を持ち、金利のある世界で 「稼げる銀行」 としての復活を遂げている点は、将来性を評価する上で大きなポイントになるでしょう。今後は、債券の評価損をどうコントロールしつつ、企業の設備投資需要を取り込めるかが焦点となります。
