三井住友フィナンシャルグループ の会社詳細
三井住友フィナンシャルグループ
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2026年3月期 第3四半期

三井住友FG・2026年3月期Q3、純利益22.8%増の1兆3,947億円——国内金利上昇で預貸利ザヤが改善、通期目標に肉薄

三井住友FG
メガバンク
増収増益
金利上昇
預貸利ザヤ
増配
キャッシュレス
ホールセール
自己株買い
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

7.9兆円

+3.7%

営業利益

1.9兆円

+17.3%

純利益

1.4兆円

+22.8%

通期予想

1.5兆円

進捗率93%

営業利益率

23.9%

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が発表した2026年3月期第3四半期決算は、本業の儲けを示す経常利益が前年同期比 17.3%増1兆8,990億円、最終的な儲けである純利益が同 22.8%増1兆3,947億円 と大幅な増益を記録しました。国内の金利上昇局面を背景に、銀行部門の 「預貸金利回差」が着実に改善 したことが収益を大きく押し上げています。通期純利益予想の1.5兆円に対する進捗率は約93%に達しており、極めて好調なペースで推移しています。

業績のポイント

連結経営成績は、本業の収益を示す経常収益が前年同期比 3.7%増7兆9,343億円 となりました。資金運用収益が 5兆3,306億円(前年同期比+2.2%)と伸びたほか、決済や資産運用に関連する役務取引等利益も 1兆5,201億円(同+8.4%)と堅調に推移しています。

利益面では、親会社株主に帰属する四半期純利益が 1兆3,947億円(前年同期比 +22.8%)を記録しました。これは通期予想である1兆5,000億円に対し、第3四半期時点で 92.9%という高い進捗率 を示しています。マイナス金利解除後の金利環境の変化を的確に捉え、貸出金利回りが上昇したことが、銀行ビジネスの収益性を劇的に改善させています。

項目前年同期実績当第3四半期実績前年同期比
経常収益7兆6,522億円7兆9,343億円+3.7%
経常利益1兆6,190億円1兆8,990億円+17.3%
親会社株主に帰属する純利益1兆1,359億円1兆3,947億円+22.8%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計

セグメント別動向

主要セグメント別では、国内法人向けを中心とするホールセール事業部門が大きく貢献しました。同部門の連結業務純益は 6,846億円(前年同期比 +31.6%)となり、貸出金利回りの改善とソリューション提案による手数料収入が利益を牽引しています。

個人・中小企業向けの「リテール事業部門」も好調で、連結業務純益は 2,938億円(前年同期比 +42.9%)と急拡大しました。キャッシュレス決済の普及に伴うカード事業の成長に加え、金利上昇による預貸金利益の増加が寄与しています。一方、グローバル事業部門も海外貸出の収益管理を強化し、業務純益は 5,109億円(同+9.0%)と着実に成長しています。

対照的に、債券投資などを行う「市場事業部門」の連結業務純益は 3,751億円(前年同期比 -9.2%)と減益を余儀なくされました。金利の変動が激しい市場環境において、外貨調達コストの上昇や債券売買の機会が限定的だったことが背景にあります。

セグメント(連結業務純益)前年同期当期増減率
ホールセール事業部門5,200億円6,846億円+31.6%
リテール事業部門2,055億円2,938億円+42.9%
グローバル事業部門4,686億円5,109億円+9.0%
市場事業部門4,133億円3,751億円-9.2%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
ホールセール事業部門8,745億円11%6,846億円78.3%
リテール事業部門1.1兆円14%2,938億円26.2%
グローバル事業部門1.2兆円15%5,109億円44.1%
市場事業部門5,132億円7%3,751億円73.1%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は、前期末比で10.4兆円増加し 316.7兆円 となりました。貸出金が 117.3兆円 と伸びる一方で、預金も 176.8兆円 と順調に積み上がっています。自己資本比率は 4.9% と安定した水準を維持しており、強固な財務基盤を背景に機動的な資本政策を継続する方針です。

配当については、2024年10月の1対3の株式分割を経て、年間配当予想を 157円 としています。これは実質的な 「増配」 であり、利益成長を株主へ還元する姿勢を鮮明にしています。また、2025年11月に決議した自己株式の取得(自社株買い)も順次進めており、ROE(自己資本利益率)の向上に向けた資本効率の改善を追求しています。

リスクと課題

今後の懸念材料として、以下のリスクが挙げられています。第一に、金利のさらなる上昇に伴う 「保有債券の含み損」 の拡大です。足元でもその他有価証券の評価差額金はプラスを維持していますが、金利急騰は資産価値を低下させる要因となります。

第二に、国内外の景気後退リスクに伴う 「与信関係費用」 の増加です。現時点では不良債権比率は低水準で推移していますが、中小企業の経営環境や海外の不動産市況の動向には注意を払う必要があります。加えて、為替相場の変動が外貨建て資産や海外利益の円換算額に与える影響も、引き続き重要な管理項目となっています。

通期見通し

2026年3月期の通期連結業績予想については、期初からの数値を据え置いています。第3四半期時点での純利益の進捗率が 92.9% と非常に高いため、今後の市場環境次第ではさらなる上積みが期待できる状況です。

項目前回予想今回修正前期実績
親会社株主に帰属する当期純利益1.5兆円1.5兆円1.17兆円
1株当たり当期純利益390.16円390.16円305.33円
AIアナリストの視点

今回の決算は、日本経済がデフレ脱却を鮮明にする中で、メガバンクが本来の「利ザヤを稼ぐビジネスモデル」を完全に取り戻したことを象徴する内容です。

注目すべきは「リテール事業部門」の爆発的な利益成長です。Oliveに代表されるデジタル戦略が奏功し、決済プラットフォームとしての地位を固めつつ、金利上昇の恩恵をダイレクトに受けています。

  • 進捗率93%という数字は驚異的であり、第4四半期に与信費用を保守的に積み増したとしても、1.5兆円の目標突破はほぼ確実視されます。
  • 就職活動生にとっては、かつての「コスト削減一辺倒」から、金利を武器にした攻めの経営へとフェーズが変わったタイミングとして注目すべき企業です。