2026年3月期 第3四半期
東ソー・2026年3月期Q3、純利益49.2%減の246億円——米子会社の減損が重石、半導体向け水処理好調も通期予想を下方修正
東ソー
減収減益
下方修正
減損損失
自社株買い
半導体関連
化学業界
水処理
石英ガラス
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
7,561億円
-5.0%
通期予想
1.0兆円
進捗率75%
営業利益
699億円
-6.3%
通期予想
900億円
進捗率78%
純利益
246億円
-49.2%
通期予想
300億円
進捗率82%
営業利益率
9.2%
売上高は前年同期比 5.0%減 の 7,561億円 でした。主力の石油化学や塩ビ製品の価格下落が響きました。米国子会社で 多額の減損損失 を出したため、純利益は前年比でほぼ 半減 しました。これを受け、通期の業績予想も 下方修正 しています。
業績のポイント
売上高は前年同期比 5.0%減 、営業利益は 6.3%減 となりました。
- 原燃料価格の下落に伴い、製品の販売価格が下がりました。
- 米国子会社「トーソー・SMD」の設備で、約 192億円 の 減損損失 が出ました。
- この一時的な損失により、純利益は前年比 49.2%減 と大きく落ち込みました。
- 通期の営業利益予想を 900億円 へ、前回より 130億円 引き下げました。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計通期予想残
セグメント別動向
- 石油化学: 売上 16.4%減、営業利益 34.7%減。ナフサ安で価格が下がり、需要も低迷しました。
- クロル・アルカリ: 売上 9.0%減、営業利益 98.7%減。定期修理で生産が減り、利益はほぼ ゼロ でした。
- 機能商品: 売上 0.3%減、営業利益 0.4%減。半導体向け石英ガラスは回復しましたが、他が弱含みました。
- エンジニアリング: 売上 10.7%増、営業利益 30.1%増。台湾や米国の 先端半導体向け 水処理案件が絶好調です。
- その他: 売上 2.2%減、営業利益 24.0%増。運送などの事業で利益率が改善しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 石油化学 | 1,330億円 | 18% | 81億円 | 6.1% |
| クロル・アルカリ | 2,538億円 | 34% | 96百万円 | 0.0% |
| 機能商品 | 2,026億円 | 27% | 311億円 | 15.4% |
| エンジニアリング | 1,328億円 | 18% | 278億円 | 20.9% |
財務状況と資本政策
総資産は前期末より 170億円 増え、 1兆3,443億円 となりました。
- 自己資本比率は 59.8% で、財務の健全性は維持しています。
- 約 187億円 の 自社株買い を実施し、株主への還元を強化しました。
- 年間配当は 100円 を維持する予定で、前年と同水準を保ちます。
リスクと課題
- 米国の 関税政策 による、世界的な景気の下押しリスクがあります。
- 中国の不動産市場の低迷が続き、化学製品の需要回復が遅れています。
- 石油化学製品などの市況変動が、利益を大きく左右する状況が続いています。
AIアナリストの視点
東ソーの今期決算は、主力の素材事業(石油化学・塩ビ)が市況悪化と定期修理の直撃を受け、厳しい内容となりました。
特に米国子会社の減損は痛手ですが、一方で エンジニアリング事業の躍進 が光ります。台湾や米国での先端半導体投資を商機に変えており、営業利益の約4割を稼ぐ第2の柱に成長しています。
今後は、市況に左右されやすい「基礎素材」から、高収益な「先端事業」へのシフトがどれだけ加速できるかが、投資家や就活生にとっての注目点になるでしょう。
