ワキタ、2027年2月期第2四半期決算、商事事業が伸び純利益は7.2%減
ワキタの2027年2月期中間決算を分析すると、売上高は前年同期比9.2%増、営業利益は4.4%増となり、増収増益でした。建機レンタル需要や新規連結が売上を押し上げた一方、親会社株主に帰属する中間純利益は7.2%減。前年にあった関係会社株式の売却益がなくなり、利益の伸びは営業段階にとどまりました。通期予想は据え置き、年間配当も100円を予定しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 488億円 | +9.2% | 1,000億円 | 49% |
| 営業利益 | 27億円 | +4.4% | 58億円 | 46% |
| 純利益 | 16億円 | -7.2% | 36億円 | 44% |
| 営業利益率 | 5.5% | |||
この決算のポイント
- 1商事事業の売上高は新規連結が寄与し、前年同期比47.0%増の81億53百万円
- 2建機事業は売上高が4.2%増えた一方、先行投資などでセグメント利益は15.6%減
- 3不動産事業はホテル単価の下落が響き、売上高0.7%減、セグメント利益4.6%減
- 4年間配当予想は100円で前期と同額、中間配当は前期の無配から50円に
- 5通期予想は売上高1,000億円、営業利益58億円を据え置き、売上高は前期比7.3%増を見込む
業績のポイント
株式会社ワキタ(以下、ワキタ)の2027年2月期中間期は、売上高が前年同期比9.2%増の487億88百万円、営業利益が4.4%増の26億70百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が7.2%減の15億89百万円でした。売上高は前年同期から40億95百万円増え、営業利益も増加しましたが、純利益は減少しました。
- 売上高: 建機レンタル需要の底堅さや商事事業の新規連結が寄与し、前年同期比9.2%増。
- 営業利益: 先行投資などの負担があるなか、前年同期から1億12百万円増。前期末に計上した株主優待費用のうち、利用率が想定を下回った分の引当金戻入83百万円も押し上げ要因となりました。
- 純利益: 前年同期から1億23百万円減。前年に計上した関係会社株式売却益1億13百万円がなくなったことなどが響きました。
- 経常利益: 前年同期比4.6%増の27億53百万円。営業段階の増益と同じく、事業の基礎的な収益は伸びています。
本業は増益、純利益は一時益の反動で減少という内容です。中間純利益の減少だけで本業の悪化と判断するより、営業利益と経常利益が増加した点を分けて見る必要があります。一方、営業利益の伸びは売上高の伸びを下回っており、先行投資や費用増を吸収して利益率を高められるかが今後の焦点です。
セグメント別動向
建機事業は売上高が前年同期比4.2%増の377億94百万円、セグメント利益は15.6%減の11億28百万円でした。建機レンタル会社の購買意欲が持ち直し、販売部門の売上が増加しました。賃貸部門も公共・民間のレンタル需要が堅調で、レンタル単価の適正化や稼働率向上が進みましたが、測量DX関連の設備導入や人材採用、グループ会社のIT環境整備などの先行投資が利益を押し下げました。
商事事業は売上高が前年同期比47.0%増の81億53百万円、セグメント利益は33.8%増の4億95百万円でした。ケアレックスの新規連結が賃貸部門の売上と利益を押し上げました。一方、販売部門ではカラオケ機器の新機種発売効果が一巡し、売上高・利益ともに減少しました。
不動産事業は売上高が前年同期比0.7%減の28億40百万円、セグメント利益は4.6%減の9億62百万円でした。オフィスビル、マンション、ホテルの稼働率は堅調でしたが、大阪・関西万博の閉会後にホテル単価が下落し、減収減益となりました。
| セグメント | 売上高の前年比 | セグメント利益の前年比 |
|---|---|---|
| 建機事業 | +4.2% | -15.6% |
| 商事事業 | +47.0% | +33.8% |
| 不動産事業 | -0.7% | -4.6% |
商事事業の伸びは新規連結の影響が大きく、既存事業の販売動向とは分けて評価する必要があります。建機事業は需要を取り込みながら、DXや人材への投資を続けており、投資効果が利益に結び付く時期が注目されます。
- 建機事業-15.6%
- 商事事業+33.8%
- 不動産事業-4.6%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建機事業 | 378億円 | 78% | 11億円 | 3.0% |
| 商事事業 | 82億円 | 17% | 5億円 | 6.1% |
| 不動産事業 | 28億円 | 6% | 10億円 | 33.9% |
財務状況と資本政策
2026年8月末の総資産は1,397億37百万円で、前期末から71億30百万円減少しました。自己資本比率は70.0%で、前期末の69.1%から上昇しています。営業活動で資金を確保する一方、設備投資や配当などで現金及び現金同等物は減少しました。
| 項目 | 2027年2月期中間期 | 比較・内訳 |
|---|---|---|
| 総資産 | 1,397億37百万円 | 前期末比71億30百万円減 |
| 自己資本比率 | 70.0% | 前期末は69.1% |
| 営業活動CF | 51億14百万円 | 前年同期は60億24百万円の収入 |
| 投資活動CF | -25億59百万円 | 前年同期は13百万円の支出 |
| 財務活動CF | -87億79百万円 | 前年同期は87億61百万円の支出 |
営業活動による資金の主な源泉は、税引前中間純利益や減価償却費、売上債権の減少です。投資活動では有形固定資産の取得に17億48百万円を支出し、財務活動では配当金の支払いに49億99百万円を充てました。現金及び現金同等物の期末残高は110億49百万円で、期首から62億20百万円減少しています。
配当予想は中間50円、期末50円の年間100円で、前期の年間配当100円と同額です。中間配当は前期の0円から50円に増えましたが、年間配当予想に変更はありません。財務活動CFには設備関係割賦債務の返済も含まれており、投資と株主還元を続けながら資金残高を確保できるかを見ていく必要があります。
通期見通し
ワキタは2027年2月期の連結業績予想を据え置きました。通期売上高は1,000億円、営業利益は58億円、親会社株主に帰属する当期純利益は36億円を見込み、売上高は前期比7.3%増、営業利益は9.8%増、純利益は4.3%増の計画です。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 100,000 | 100,000 | 本短信に記載なし |
| 営業利益(百万円) | 5,800 | 5,800 | 本短信に記載なし |
| 親会社株主帰属純利益(百万円) | 3,600 | 3,600 | 本短信に記載なし |
前回予想からの修正はなく、中間期の増収増益を踏まえても会社は計画を変更していません。上期の売上高は487億88百万円で、通期計画の達成には下期も建機需要や商事事業の収益を積み上げる必要があります。建設コストや人材不足などの不透明要因が残るため、下期の利益率と先行投資の回収状況が計画達成の判断材料になります。
リスクと課題
公共投資や民間投資を背景に需要は底堅いものの、建設業界や不動産事業を取り巻く環境には不確実性があります。会社が挙げる市場環境に加え、各事業で開示された費用や需要の変化も注視が必要です。
- 建設コストの上昇: 建設コストの高騰が続けば、顧客の投資判断や工事の進行に影響し、建機の販売・レンタル需要を下押しする可能性があります。
- 建設技能人材の不足: 人手不足が深刻化しており、建設現場の稼働や業界全体の需要に影響するリスクがあります。ワキタ自身も人材採用やIT環境整備を進めており、費用先行が利益を圧迫する場合があります。
- 物価・為替・地政学リスク: 物価上昇の長期化や為替変動、中東地域を含む地政学リスクの高まりが、仕入れや事業環境の不確実性につながります。
- ホテル単価の変動: 大阪・関西万博閉会後にホテル単価が下落しました。稼働率が保たれても単価低下が続けば、不動産事業の売上高と利益を押し下げる可能性があります。
- 先行投資の回収: 建機事業では測量DXや拠点のIT整備、人材採用を進めています。投資の効果が売上や稼働率の改善として現れる時期が、利益回復のカギとなります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/10/7)
1,862円
最新終値(2026/10/23)
1,855円-0.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ワキタ#決算#決算分析#四半期決算#建機レンタル#商事事業#ケアレックス#配当#中期経営計画
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コメント
建機レンタルの需要を取り込み、商事事業では新規連結が売上を押し上げるなど、事業の広がりが見える中間決算です。一方、建機事業は増収でも先行投資で減益となり、連結営業利益の伸びも売上高の伸びを下回りました。
注目したいのは、DXや人材への投資を続けながら、それをどの程度早く利益に転換できるかです。年間配当を前期と同額に保つ計画と高い自己資本比率は安定材料ですが、下期は商事事業の新規連結効果の持続性と、ホテル単価の動向も確認したいところです。
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