清涼飲料・乳酸菌飲料3社、2026年上期決算比較で見えた増収減益の明暗と勝者の強さ
3社は増収を確保しながら、利益で明暗が分かれた。売上高が11.6%増、営業利益も3.0%増のサントリー食品が先行。一方、ヤクルトは営業減益、カゴメは通期予想を下方修正した。価格改定や海外展開の成果が差を生んだが、決算期間は各社で異なる。
今期の総括
増収でも利益は分かれる
業界全体の動き
- 3社とも売上高は前年を上回った。伸び率はサントリー食品が11.6%、カゴメが3.7%、ヤクルトが3.3%。ただし、サントリー食品は為替中立で5.4%増となり、為替も伸びを押し上げた。
- 売上の伸びが利益に直結しない。営業利益はサントリー食品が3.0%増にとどまり、ヤクルトは7.5%減、カゴメは14.5%減だった。原材料や物流費、販促費が重荷だ。
- 国内では価格改定後の数量減も課題だ。カゴメは飲料の販売数量が減り、ヤクルトも物価高で国内の乳製品や清涼飲料が苦戦した。
- 海外事業は成長の支えとなった。ヤクルトは米州が18.7%増、アジア・オセアニアが14.4%増。地域や商品を広げる動きが目立つ。
売上高ランキング
営業利益ランキング
勝者と敗者
総合的に最も好調なのはサントリー食品だ。売上高は8,999億円で、3社中最大。前年同期比11.6%増は、カゴメの3.7%増、ヤクルトの3.3%増を大きく上回った。営業利益も740億円で、3.0%増を確保した。
ただし、利益の伸びは売上に及ばない。為替の影響を除く営業利益は5.4%減だった。原材料・物流費や広告宣伝費が利益を押し下げた。
最も苦戦したのはカゴメだ。売上高は3.7%増えた一方、営業利益は14.5%減、純利益は24.2%減。営業利益の減少率はヤクルトの7.5%減より大きい。価格改定後の数量減や販促費増、トマトペースト市況の下落が響いた。
増収でも本業は減益という点が、今期の共通課題だ。なお、ヤクルトの純利益は17.2%増えたが、投資有価証券売却益が寄与。本業の営業利益とは分けて見る必要がある。
- 好調
- サントリー食品
- 苦戦
- カゴメ


売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
注目の動き・戦略比較
- サントリー食品は「天然水」「BOSS」「伊右衛門」など主力ブランドを強化。新商品とマーケティング投資で売上を伸ばした。オセアニアではRTDアルコール飲料の販売を始め、事業売上が69.7%増となった。
- ヤクルトは米州やアジアを中心に海外売上を伸ばした。国内の苦戦を海外が補う構図だ。純利益の増加には有価証券売却益も含まれるため、継続的な稼ぐ力は営業利益で確認したい。
- カゴメはSilbury買収を通じ、欧州でトマト事業の垂直統合を進める。一方、利益予想を下方修正しながら、年間配当は前期比10円増の58円を計画。成長投資と株主還元の両立が問われる。
- 利益率ではヤクルトが8.4%で首位、サントリー食品が8.2%で続いた。カゴメは6.3%。ただし、各社で決算期間が異なるため、単純比較には注意がいる。
業界共通のリスク
- 原材料や物流費の上昇。売上が伸びても利益を削る要因になる。
- 価格改定による販売数量の減少。消費者の節約志向が続けば、値上げ効果が薄れる。
- 為替変動。サントリー食品は為替中立の売上成長率が報告値を下回り、円高に転じれば追い風が弱まる可能性がある。
- 海外事業の地政学リスク。カゴメは中東情勢の影響にも注意が必要だ。
- 商品や販売チャネルを巡る競争。広告・販促への支出が増えれば、利益率を保ちにくい。
順位変化と構造トレンド
売上高と営業利益の規模では、サントリー食品が首位を維持した。一方、営業利益率ではヤクルトが8.4%で首位となり、規模と効率で順位が分かれた。カゴメは利益率が6.3%で最も低く、通期予想の下方修正も重なった。
規模の強さと利益率は別物だ。海外の伸びやブランド力だけでなく、コストと販売数量をどう管理するかが、今後の差を左右する。
なお、サントリー食品とカゴメは中間期、ヤクルトは第1四半期の数字だ。決算期間が異なるため、売上高や利益額の順位は参考値として捉えたい。
営業利益率ランキング
就活生・転職希望者へ
海外展開を経験したい人は、ヤクルトの米州・アジア事業や、サントリー食品のオセアニアでの新事業に注目したい。ブランドづくりや商品開発に関心がある人には、主力商品の強化も見どころだ。
一方、各社ともコスト上昇や販売数量の確保が課題となる。営業、マーケティング、調達、物流の連携が欠かせない局面だ。企業を選ぶ際は、成長分野だけでなく、利益改善に向けた取り組みも確認したい。
タグ#清涼飲料#乳酸菌飲料#食品業界#決算比較#サントリー食品#ヤクルト#カゴメ#海外事業#原材料高#価格改定
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