インターネット・プラットフォーム4社、2025年から26年決算比較で利益格差と勝者の強さ
4社の決算は、売上規模より利益の作り方で明暗が分かれた。LINEヤフーは営業利益3,413億円で首位を守り、メルカリは利益を57.7%伸ばした。一方、楽天は売上高が9.5%増えたものの、IFRS営業利益は72.9%減。カカクコムも売上高20%増に対し、先行投資で営業減益となった。成長投資を利益に変える力が、各社の差を映した。
今期の総括
規模と利益の強さは別
業界全体の動き
各社の決算期は異なり、楽天は2025年12月期、ほか3社は2026年3月期または6月期です。以下は各社の発表値を並べた比較です。
- 売上高の伸びはカカクコムが20%、メルカリが19%でした。食べログの予約増や、越境取引などが成長を支えました。
- 決済・金融の存在感が増しています。LINEヤフーはPayPayを含む戦略事業が伸び、楽天もフィンテックが利益を支えました。
- 成長投資と利益の差が表れました。カカクコムは求人領域への投資で営業減益となり、メルカリは売上高19%増に対し営業利益も57.7%増でした。
- 規模と採算は別の強さです。楽天は売上高で首位ですが、営業利益率は0.6%。カカクコムは売上高で4位ながら、利益率は28.9%でした。
売上高ランキング
営業利益ランキング
営業利益率ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
最も好調だったのは、成長と利益拡大を両立したメルカリです。売上高は2,293億円で前年比19%増。営業利益は439億円で57.7%増となり、4社で最も高い伸びでした。営業利益率も19.2%で、LINEヤフーの16.8%を上回りました。
最も苦戦したのは楽天グループです。売上高は24,966億円で前年比9.5%増と首位でしたが、営業利益は144億円で72.9%減。営業利益率は0.6%にとどまり、LINEヤフーの16.8%との差が大きく開きました。純損失も1,779億円で、前年の1,624億円から赤字が拡大しました。
ただし、楽天の事業改善まで否定はできません。Non-GAAP営業利益は1,062億円で、前年の70億円から増加。モバイル事業も1,000万回線を超え、EBITDAは通期黒字でした。会計基準上の営業利益と、事業運営の改善には隔たりがあります。売上首位でも利益は別競技です。
- 好調
- メルカリ
- 苦戦
- 楽天グループ


注目の動き・戦略比較
- 楽天グループはフィンテックの収益を土台に、モバイルの契約拡大とコスト削減を進めました。通期EBITDA黒字化は前進ですが、純損失1,779億円の解消が課題です。
- メルカリは国内外の取引に加え、越境取引とフィンテックを伸ばしました。営業利益439億円は前年比57.7%増で、成長投資を利益に結びつけています。
- LINEヤフーはPayPayを含む戦略事業が成長を牽引しました。タイのLINE MAN子会社化も収益を押し上げ、営業利益は3,413億円と前年比8.3%増でした。
- カカクコムは食べログの予約増に加え、求人ボックスなどHR領域を強化しました。売上高は941億円で前年比20%増ですが、先行投資により営業利益は272億円、前年比7%減でした。
利益率の首位はカカクコムの28.9%です。メルカリの19.2%、LINEヤフーの16.8%を上回ります。一方、楽天は0.6%で、規模がそのまま採算につながらない構図です。
業界共通のリスク
- 顧客獲得競争が続けば、広告宣伝費やポイント還元が膨らみます。カカクコムのHR投資のように、成長施策が利益を押し下げる場合もあります。
- 個人情報やプラットフォーム規制の強化は、広告やデータ活用の方法を変える可能性があります。各社は利便性と安全性の両立が必要です。
- 消費や企業活動の停滞は、広告、飲食予約、求人、ネット通販の需要に響きます。収益源を複数持つ会社も、需要減の影響を免れません。
- 大型投資の回収遅れにも注意が必要です。楽天のモバイルやカカクコムのHR領域は、利用者や顧客の拡大を利益につなげられるかが問われます。
- 決済・金融事業の競争と制度変更もリスクです。PayPayや楽天の金融サービスは成長の柱ですが、競争激化や規制対応が収益を左右します。
順位変化と構造トレンド
売上高の首位は楽天で、2位のLINEヤフーを上回りました。一方、営業利益ではLINEヤフーが首位です。売上高成長率はカカクコムが最も高く、利益率もトップでした。
この比較では、企業規模、成長率、利益率の順位が一致しません。楽天は規模、LINEヤフーは利益額、カカクコムは利益率、メルカリは利益成長が強みです。強みが分かれる四つの勝ち筋が、業界の現在地を示しています。
純利益はメルカリが前年比35.6%増、LINEヤフーが26.2%増でした。カカクコムは6.1%減で、楽天は赤字のため単純比較できません。
就活生・転職希望者へ
会社選びでは、知名度や売上規模だけでなく、どの事業が伸びているかを見るのが大切です。メルカリは越境取引やフィンテック、LINEヤフーは決済と海外事業、カカクコムはHR領域を伸ばしています。
成長分野では、新規顧客の獲得やサービス改善に関わる機会が広がります。一方、投資先の成果が出るまで、目標や組織が変わる可能性もあります。楽天のように事業転換を進める会社では、モバイルの採算改善が仕事のテーマになりそうです。
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