電気機器
総合電機・ITサービス
2026年3月期 第3四半期
2社総合電機・ITサービス2社・2026年3月期Q3——富士通とNEC、資産売却で利益急増も本業のサービス化で明暗
日本電気
富士通
ITサービス
DX
2026年3月期
構造改革
資産売却
ITコンサル
決算比較
電気機器
今期の総括
資産売却で「稼ぐ力」を磨き直した両社。サービス化で利益率が向上。
国内ITサービスを牽引する2社の決算は、構造改革の総仕上げを印象づけました。富士通は純利益が約4倍、NECも約2倍と驚異的な伸びを記録。背景には不採算・子会社事業の売却がありますが、本業のDX需要も極めて堅調です。ハードから高収益サービスへの転換が、数字として明確に表れた四半期となりました。
業界全体の動き
ITサービス業界を動かした共通テーマは以下の通りです。
- DX需要の継続:国内企業のIT投資が底堅く、売上を押し上げました。
- 脱・ハードウェア:製造からサービスへ、各社が事業の入れ替えを加速。
- 資産売却の利益:子会社株などの売却益が、最終利益を大きく底上げ。
- ITコンサル化:単なる開発から、戦略提案を行う高収益モデルへ移行。
売上高ランキング
1位 業界平均
売上高は**富士通**が僅差で首位。両社とも2.4兆円を超え、ITサービス業界の2強として安定した規模を誇ります。
売上高 前年同期比
1位 業界平均
売上の伸び率では**NEC**が**4.3%増**と、**富士通**を上回りました。既存顧客のDX投資をより多く取り込んでいます。
純利益 前年同期比
1位 業界平均
両社とも純利益が異常値的な伸びを見せました。これは事業売却による一過性の要因が大きく、本業の力とは別に評価が必要です。
勝者と敗者
利益の質と規模で富士通がリードしています。
- 富士通の営業利益は2,110億円。前年比99.4%増とほぼ倍増しました。
- NECの営業利益も1,852億円(46.8%増)と好調ですが、額で差が出ました。
- 収益性の指標である営業利益率は、富士通の8.6%に対しNECは7.6%です。
- 富士通はFujitsu Uvanceなどの高利益なサービスが成長を牽引しました。
勝者
富士通
苦戦
(該当なし・強いて言えば収益率で劣るNEC)
営業利益ランキング
1位 業界平均
利益額では**富士通**が**2,110億円**で圧勝。前年比約2倍という驚異的な伸びで、**NEC**との差を広げました。
営業利益率ランキング
1位 業界平均
**富士通**が**8.6%**と、業界平均を上回る効率性を実現。高単価なサービスへの移行が順調に進んでいる証拠です。
注目の動き・戦略比較
両社とも「持たない経営」への転換を鮮明にしています。
- 富士通は新光電気工業を切り離し、サービス専業への意志を示しました。
- さらにデータ分析のブレインパッドを買収。AI・分析機能を強化中です。
- NECは日本航空電子工業の株を売却。ITサービス中心の姿へ脱皮しました。
- NECは本業の利益(Non-GAAP)も29.3%増。DX需要を確実に掴んでいます。
業界共通のリスク
好調な決算の裏には、以下の懸念も残ります。
- 深刻な人材不足:DXエンジニアの争奪戦で、人件費が上昇しています。
- 景気後退の影響:世界的な景気減速で、IT投資が抑制される恐れがあります。
- 一過性利益の反動:今期の純利益急増は売却益によるもの。来期のハードルが上がります。
就活生・転職希望者へ
今の2社は「電機メーカー」ではなく「ITコンサル・サービス業」です。
- 富士通:Uvanceを掲げ、社会課題解決型のビジネスへ急速にシフト中。
- NEC:伝統的な官公庁・通信向けに加え、企業のDX支援を成長の柱に。
どちらも古い体質を脱ぎ捨てており、若手の裁量や柔軟な働き方が広がっています。
