ANAホールディングス株式会社 の会社詳細
ANAホールディングス株式会社
ANAホールディングス
2026年3月期 第3四半期

ANAホールディングス・2026年3月期Q3、営業利益5.6%増の1,807億円——訪日需要と貨物会社の子会社化が寄与

ANA
増収増益
航空業界
訪日需要
M&A
日本貨物航空
財務改善
自己資本比率
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

1.9兆円

+10.3%

通期予想

2.5兆円

進捗率76%

営業利益

1,807億円

+5.6%

通期予想

2,000億円

進捗率90%

純利益

1,392億円

+3.9%

通期予想

1,450億円

進捗率96%

営業利益率

9.6%

ANAグループの2026年3月期第3四半期は、売上高が前年比10.3%増1兆8,773億円となりました。訪日・レジャー需要の拡大に加え、日本貨物航空(NCA)を子会社化したことが収益を押し上げました。燃油費や人件費が増える中でも、需要の取り込みにより増収増益を守っています。

業績のポイント

売上高は1兆8,773億円(前年比10.3%増)、営業利益は1,807億円(同5.6%増)でした。

増収増益の主な理由は以下の通りです。

  • 国際線・国内線ともに旅客需要が好調に推移しました。
  • 日本貨物航空(NCA)を連結子会社にしたことで、売上規模が拡大しました。
  • 燃油費や人件費が増えましたが、増収分でカバーできました。
  • 四半期純利益は1,392億円(同3.9%増)と、過去最高水準を維持しています。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

各事業の動きは以下の通りです。

  • 航空事業: 売上高 1兆7,076億円(前年比10.0%増)。訪日客や欧州路線の新規就航が寄与しました。
  • 航空関連事業: 売上高 2,657億円(前年比9.3%増)。外国航空会社向けの地上支援業務が拡大しました。
  • 旅行事業: 売上高 499億円(前年比9.1%減)。国内旅行は苦戦しましたが、コスト削減で6億円の黒字へ転換しました。
  • 商社事業: 売上高 1,174億円(前年比20.4%増)。万博関連の土産品や食品事業が伸びました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
航空事業1.7兆円91%1,739億円10.2%
航空関連事業2,657億円14%92億円3.5%
旅行事業500億円3%6億円1.3%
商社事業1,174億円6%62億円5.3%

財務状況と資本政策

自己資本比率は前期末の31.2%から37.7%へと大きく改善しました。

  • 総資産は3兆8,236億円となり、航空機の増加などで2,033億円増えました。
  • 有利子負債は返済を進めた結果、前期末より1,607億円減っています。
  • 新たに1,950億円社債型種類株式(ハイブリッド証券)を発行し、財務基盤を強めました。
  • 年間配当は60円とする当初の予想を維持しています。

リスクと課題

会社側は以下のリスクに言及しています。

  • ウクライナや中東情勢などの地政学リスクによる運航への影響。
  • 物価上昇によるコスト増と、それに対する消費者の反応。
  • 米国の通商政策の変化による景気の下振れリスク。
  • 航空貨物市場における自動車関連やEコマースの需要減退。

戦略トピック:日本貨物航空(NCA)の連結化

2025年8月に日本貨物航空(NCA)の全株式を取得し、グループに迎えました。

  • 今回の決算には7月以降の業績が反映されています。
  • NCAの連結化により、71億円「負ののれん発生益」(特別利益)が出ました。
  • ANAブランドの貨物事業と合わせ、アジア・欧米間の貨物ネットワークを強化する方針です。
AIアナリストの視点

ANAの決算で最も注目すべきは、コロナ禍で傷んだ財務体質の劇的な回復です。

単なる旅客需要の戻りだけでなく、約2,000億円規模のハイブリッド証券発行と債務返済を組み合わせ、自己資本比率を37.7%まで引き上げた点は、投資家にとって大きな安心材料となります。

また、日本貨物航空(NCA)の買収は、旅客一本足打法からの脱却を狙う戦略的な一手です。足元では貨物需要に一服感がありますが、国際物流のインフラを自前で持つ強みは長期的な成長に寄与するでしょう。

今後の焦点は、燃料価格の変動や円安といった外部要因を、どれだけ機動的な運賃設定や増便で吸収し続けられるかにあります。中長期での成長投資と株主還元のバランスにも注目です。