大栄環境、2027年3月期第1四半期決算、売上高20.6%増で営業増益

大栄環境の2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比20.6%増の241億円、営業利益は31.4%増の55億円となり、増収増益でした。廃棄物の受入拡大や土壌処理施設の稼働、子会社の連結が売上を押し上げ、最終処分場の受入増が利益に寄与しました。通期予想は据え置き、年間配当は前期比2円増の55円を見込みます。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 241億円 | +20.6% | 939億円 | 26% |
| 営業利益 | 56億円 | +31.4% | 243億円 | 23% |
| 純利益 | 35億円 | +22.1% | 164億円 | 22% |
| 営業利益率 | 23.2% | |||
この決算のポイント
- 1環境関連事業は廃棄物処理や土壌浄化の伸びで、売上高が前年比21.0%増、利益は28.7%増。
- 2汚染土壌の受入量は15.8万トンで前年同期比200.6%増、新施設の稼働拡大が寄与。
- 3年間配当予想は前期比2円増の55円、中間・期末にそれぞれ27.5円を予定。
- 4通期予想は据え置き、売上高939億円、営業利益243億円、純利益164億円を見込む。
業績のポイント
大栄環境株式会社(以下、大栄環境)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比20.6%増の241億3,600万円、営業利益が31.4%増の55億9,800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が22.1%増の35億4,800万円でした。営業利益率は前年同期の21.3%から23.2%へ上昇し、利益の伸びが売上の伸びを上回りました。
- 売上拡大: 2025年11月に連結子会社化したスカラベサクレによる廃棄物受入の増加や、関西を中心とするインフラ開発案件の継続受注が寄与しました。
- 処理量の増加: 最終処分場での廃棄物受入が増え、利益を押し上げました。減価償却費や人件費が増えた一方、営業利益は増加しています。
- 収益力の改善: EBITDAは前年同期比43.0%増の87億7,800万円、EBITDAマージンは30.7%から36.4%へ上昇しました。
増収の背景には、既存事業の処理量拡大に加え、子会社化した企業の業績取り込みがあります。最終処分場の受入増がコスト増を吸収し、利益率も改善した点が今回の決算の特徴です。前年同期は営業利益と純利益が減少していましたが、今回は反転して増益となりました。
セグメント別動向
主力の環境関連事業が全体の業績をけん引し、その他事業も赤字から黒字に転じました。特に廃棄物処理・資源循環と土壌浄化で受入量が伸び、施設建設・運営管理でも連結子会社の売上が加わっています。
環境関連事業は、売上高が前年同期比21.0%増の234億1,400万円、セグメント利益が28.7%増の56億100万円でした。廃棄物受入量は68万2,000トンで27.0%増。スカラベサクレによる九州エリアの受入拡大やインフラ開発案件の継続受注が増収に寄与しました。土壌浄化では、汚染土壌の受入量が15万8,000トンと200.6%増。2025年9月に稼働した処理施設の受入拡大が背景です。施設建設・運営管理では、コウキの売上計上や海成の解体工事受注増が増収要因となりました。
その他は、売上高が7.0%増の7億2,100万円となり、セグメント利益は前年同期の7,000万円の損失から1,400万円の利益へ改善しました。リサイクルプラスチックパレットの販売枚数が増えたほか、アルミペレットの販売価格上昇と生産量の適正化による製造コスト抑制が利益を支えました。主力事業の処理量拡大に加え、資源リサイクルの採算改善も進んだ決算です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 環境関連事業 | 234億円 | 97% | 56億円 | 23.9% |
| その他 | 7億円 | 3% | 14百万円 | 1.9% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から3.6%減の2,508億2,600万円、自己資本比率は44.2%となり、前期末から2.0ポイント上昇しました。現金及び預金は前期末に比べ減少した一方、最終処分場の取得に伴う建設仮勘定など固定資産は増加しています。
| 項目 | 2027年3月期1Q末・予想 | 前期末・前期実績 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 250,826 | 260,191 | -3.6% |
| 自己資本比率(%) | 44.2 | 42.2 | +2.0ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 42,367 | 52,298 | -9,931 |
| 年間配当(円) | 55.0 | 53.0 | +2.0 |
現金及び預金の減少は99億3,100万円で、短信では主な資産減少要因として説明されています。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務活動別の資金の動きは確認できません。配当は中間・期末各27.5円を予定し、短信に自社株買いの決定は記載されていません。長期借入金は前期末から61億3,800万円減少しており、負債全体も減りました。
通期見通し
大栄環境は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。通期では売上高939億円、営業利益243億円、親会社株主に帰属する当期純利益164億円を計画し、いずれも前期実績を上回る見通しです。
| 指標 | 第2四半期累計予想 | 通期予想 | 通期の前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 46,300 | 93,900 | +6.9% |
| 営業利益(百万円) | 11,300 | 24,300 | +9.5% |
| 経常利益(百万円) | 10,700 | 23,100 | +3.0% |
| 純利益(百万円) | 7,100 | 16,400 | +3.5% |
第1四半期の売上高は通期予想の25.7%、営業利益は23.0%に相当します。会社は、今回の進捗を踏まえた予想修正を行っていません。通期計画の達成には、今後も廃棄物受入の拡大やインフラ案件の受注を積み上げるとともに、減価償却費、人件費、燃料・原材料費などのコスト上昇を抑えられるかが焦点です。
リスクと課題
今回の決算では受入量の増加がコスト上昇を補いましたが、外部環境や施設運営の状況によって利益の伸びが左右される面があります。会社が示した経済環境や費用増加の要因を踏まえると、次の点に注意が必要です。
- 燃料・原材料費の上昇: 中東情勢を背景に燃料・原材料コストが上振れし、企業の収益環境を悪化させていると会社は説明しています。処理や施設運営にかかる費用が増えれば、利益率を押し下げる可能性があります。
- 金利上昇: 政策金利の引き上げに伴う長期金利の上昇は、設備投資の重荷になると会社は指摘しています。設備投資や借入の負担が増す場合、成長投資と財務負担の両立が課題になります。
- 人件費・減価償却費の増加: 当四半期は人件費や減価償却費が増加しました。処理量の伸びが鈍化すれば、固定費を吸収しにくくなり、今回のような利益率改善が続かないおそれがあります。
- 業績予想の不確実性: 通期予想は据え置かれていますが、会社は将来の業績がさまざまな要因で予想と異なる可能性を明記しています。受入量や案件の進捗、コスト動向を四半期ごとに確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/10)
3,750円
最新終値(2026/10/23)
4,045円+7.9%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#大栄環境#決算#決算分析#四半期決算#環境関連事業#廃棄物処理#土壌浄化#増収増益#配当
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コメント
処理量の拡大が売上だけでなく利益率の改善にもつながっており、施設を保有・運営する環境事業の収益基盤が生きた四半期です。子会社の連結や新施設の稼働も成長に寄与しており、事業の広がりが数字に表れています。
一方、成長に伴って減価償却費や人件費も増えているため、受入量の増加が続くかが利益の持続性を左右します。通期予想は据え置きで、今後は第2四半期に向けた進捗と、燃料・原材料コストの上昇を吸収できるかに注目したいところです。
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