ダスキン、2027年3月期第1四半期決算、営業利益79%増で通期予想を上方修正
ダスキンの2027年3月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比5.6%増、営業利益が79.0%増、純利益が53.8%増となる増収増益でした。ミスタードーナツの販売好調に加え、訪販グループで前年の原価先行計上の影響が薄れ、利益を押し上げました。会社はフード事業の好調を踏まえて通期予想を上方修正し、年間配当予想も増額しました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 499億円 | +5.6% | 2,029億円 | 25% |
| 営業利益 | 38億円 | +79.0% | 101億円 | 37% |
| 純利益 | 29億円 | +53.8% | 106億円 | 27% |
| 営業利益率 | 7.6% | |||
この決算のポイント
- 1訪販グループの営業利益は前年同期比146.7%増、前年のモップ関連商品の原価先行計上が一巡
- 2ミスタードーナツは客数・客単価とも前年超え、「もっちゅりん」など新商品が売上をけん引
- 3通期売上高予想を1,400百万円、営業利益予想を1,100百万円引き上げ
- 4年間配当予想は前期実績の118円から135円へ、17円の増配を見込む
- 5中東情勢の下期影響と熊本地震の業績影響は、見通しに未反映または算定中
業績のポイント
ダスキン(株式会社ダスキン)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比5.6%増の499億26百万円、営業利益は79.0%増の37億76百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は53.8%増の28億90百万円でした。営業利益の増加額は16億67百万円で、増収に加えて前年の費用計上の反動が効きました。
- 増収: 全セグメントが前年同期を上回り、売上総利益は7.5%増。フードグループの販売拡大が全体をけん引しました。
- 訪販の利益改善: 前年にフランチャイズ加盟店への初回出荷時に原価をまとめて計上したモップ関連商品の影響が和らぎました。
- 経常利益・EPS: 経常利益は55.6%増の47億76百万円、1株当たり四半期純利益は61.39円と、前年同期の40.04円から上昇しました。
売上の伸びを利益が大きく上回る決算となりました。営業利益率は前年同期の約4.5%から約7.6%へ改善しています。前年の一時的な原価先行計上の反動だけでなく、ミスタードーナツの販売増や訪販の価格改定も利益を支えた一方、好調の持続性は今後の四半期で確認が必要です。
セグメント別動向
フードグループは売上高が前年同期比11.3%増と、主要セグメントで最も高い伸びとなりました。訪販グループも増収で、営業利益は前年同期から大きく改善しました。
訪販グループは売上高283億51百万円、前年同期比2.4%増でした。主力のクリーンサービスでは事業所向けが価格改定の効果などで増収となり、家庭向けは主力モップなどの減収で前年を下回りました。営業利益は、売上総利益の増加と前年のモップ関連商品の原価先行計上の影響が薄れたことで改善しました。前年同期には大阪・関西万博関連の清掃受注があり、ケアサービス事業の比較にはその反動もあります。
フードグループは売上高179億44百万円、前年同期比11.3%増、営業利益は34億73百万円でした。ミスタードーナツは新規出店に加え、1店当たりの客数と客単価がともに前年を上回りました。「宇治抹茶ドーナツシリーズ」や「サクぽふん」、「もっちゅりん」が売上に寄与しましたが、想定を超える反響で一部店舗に混雑や品薄が生じました。
営業利益の伸びにはセグメント間で差があり、訪販グループの改善が際立ちます。全社費用の増加などがあるため、各事業の利益成長がそのまま連結利益に反映されるわけではありません。
- その他: 売上高は1.1%増の42億51百万円、営業利益は2.1%減の2億13百万円。病院施設のマネジメントサービスやマレーシアのドーナツ事業は増収でしたが、中国のレンタル・販売事業などは減収でした。
- 訪販+146.7%
- フード+22.2%
- その他-2.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 訪販グループ | 284億円 | 56% | 20億円 | 7.0% |
| フードグループ | 179億円 | 36% | 35億円 | 19.4% |
| その他 | 43億円 | 8% | 2億円 | 5.0% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比45億35百万円減の2,057億52百万円、自己資本比率は76.0%でした。会社は年間配当予想を135円に引き上げており、前期実績から17円増となる見込みです。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・予想 | 比較対象 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 2,057億52百万円 | 前期末 | -45億35百万円 |
| 自己資本比率 | 76.0% | 前期末の75.1% | +0.9ポイント |
| 中間配当予想 | 60円 | 前期実績50円 | +10円 |
| 期末配当予想 | 75円 | 前期実績68円 | +7円 |
| 年間配当 | 135円 | 前期実績118円 | +17円 |
総資産の減少には有価証券や投資有価証券の減少が影響し、純資産も前期末から減少しました。一方、自己資本比率は上昇しており、財務の安定性は高い水準を保っています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業キャッシュ・フローの状況は短信から確認できません。自社株買いの実施についても、この短信には記載がありません。
通期見通し
ダスキンは2027年3月期の連結業績予想を上方修正しました。修正後の売上高は2,029億円、営業利益は101億円で、期初予想からそれぞれ14億円、11億円引き上げています。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 | 前期実績 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,015億円 | 2,029億円 | +4.3% | 短信に記載なし |
| 営業利益 | 90億円 | 101億円 | +15.5% | 短信に記載なし |
| 経常利益 | 129億円 | 140億円 | +8.0% | 短信に記載なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 98億円 | 106億円 | +15.5% | 短信に記載なし |
修正の主因はミスタードーナツ事業の好調で、同事業の通期売上高予想を14億円、営業利益予想を6億円引き上げました。全社費用も期初予想より5億円減る見込みです。訪販グループとその他の予想は据え置きで、年間配当予想も中間60円、期末75円の計135円に修正されています。
会社は中東情勢について、上半期に想定する影響を予想へ織り込んだ一方、下半期以降は合理的な算定が難しいとして未反映です。2026年7月28日に発生した熊本地震の業績影響も算定中で、今回の予想には反映していません。
リスクと課題
第1四半期は増収増益となり、会社は通期予想も引き上げました。ただし、足元の販売好調が続くかに加え、外部環境の変化や一時的な販売機会の取りこぼしが今後の業績を左右します。
- 中東情勢とコスト上昇: エネルギー・原材料価格の高騰が景気の下振れ圧力となっています。下半期以降の影響は業績予想に織り込まれておらず、費用増や消費への影響がリスクです。
- 熊本地震の影響: 2026年7月の地震による業績への影響額は会社が算定中です。予想修正には反映されていないため、今後の開示に注意が必要です。
- ミスタードーナツの供給・店舗運営: 「もっちゅりん」などへの想定を上回る反響で、一部店舗に混雑や品薄が発生しました。需要を販売機会につなげる商品供給と店舗対応が課題です。
- 訪販の家庭向け需要: 家庭向けでは主力モップなどが減収となり、新商品の発売効果や消火器の切替需要にも一巡感が出ています。新規契約の獲得と既存商品の販売回復が焦点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/10)
4,494円
最新終値(2026/10/23)
4,858円+8.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ダスキン#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#ミスタードーナツ#上方修正#増配
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
利益の伸びは力強いものの、訪販グループでは前年の原価先行計上の反動が大きく、営業利益の増加率だけで基礎的な収益力の変化を判断するのは早計です。
一方、ミスタードーナツは客数・客単価の両方が伸び、会社が通期予想を引き上げるほどの勢いがあります。人気商品の品薄を抑えながら需要を取り込めるか、また中東情勢や地震の影響が予想にどう反映されるかが、次の決算の注目点です。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/duskin/report/2027-Q1
関連記事
競合他社の最新記事
- 決算解説日本郵政2027年3月期 第1四半期日本郵政、2027年3月期第1四半期決算、純利益63.8%増で銀行業がけん引

- 決算解説リクルート2027年3月期 第1四半期リクルート、2027年3月期第1四半期決算、営業利益66%増で通期予想を上方修正

- 決算解説トランスコスモス2027年3月期 第1四半期トランスコスモス、2027年3月期第1四半期決算、増収も成長投資で営業減益

- 決算解説H.U.2027年3月期 第1四半期H.U.、2027年3月期第1四半期決算、営業利益2.4倍で黒字転換

- 取得期間延長リクルート10月14日i255、自社株買いの株式取得期間を延長。既存株式はすべて譲渡済みで追加取得へ向けて準備進める

掲載企業
株式会社ダスキン
東証 4665
これが最新の決算解説です





