FOOD & LIFE COMPANIES・2026年9月期Q2、営業利益43.7%増の280億円——海外スシロー倍増、通期予想を上方修正
売上高
2,542億円
+24.7%
通期予想
5,050億円
営業利益
281億円
+43.7%
通期予想
485億円
純利益
178億円
+49.9%
通期予想
300億円
営業利益率
11.0%
スシローを展開するFOOD & LIFE COMPANIESの2026年9月期第2四半期決算は、売上収益が前年同期比 24.7%増 の 2,541億8,200万円 、営業利益が同 43.7%増 の 280億8,000万円 と大幅な増収増益となりました。海外スシロー事業の利益が前年同期比で約2倍に急成長したほか、国内事業もアニメコラボ等の施策が奏功し好調を維持しています。これに伴い通期業績予想を上方修正し、期末の配当増額と1株を2株とする株式分割も発表しました。
FOOD & LIFE COMPANIES 2026年9月期 第2四半期決算
さくら × けんじ の対話形式解説
業績のポイント
当第2四半期累計期間の業績は、売上・各利益項目ともに前年を大きく上回る極めて強い結果となりました。主力の国内スシロー事業が堅調に推移したことに加え、海外スシロー事業が飛躍的な成長を遂げ、グループ全体の利益水準を押し上げています。営業利益率は前年同期の 9.6% から 11.0% へと改善し、収益性の向上が鮮明となりました。
原材料価格の高騰や円安といったコスト押し下げ要因はあるものの、それを上回る客数の伸びと、効率的な店舗運営が利益増に貢献しました。親会社の所有者に帰属する中間利益は 177億8,800万円 (前年同期比 +49.9% )に達しており、通期目標に対する進捗も極めて順調です。
| 項目 | 当中間期実績 | 前年同期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 2,541億円 | 2,038億円 | +24.7% |
| 営業利益 | 280億円 | 195億円 | +43.7% |
| 税引前中間利益 | 271億円 | 182億円 | +49.0% |
| 中間利益 | 188億円 | 125億円 | +49.5% |
業績推移(通期)
セグメント別動向
海外事業が利益の柱として台頭し、国内事業も高付加価値商品の投入でブランド力を高めています。
国内スシロー事業は、売上収益 1,445億3,900万円 (前年同期比 +12.0% )、セグメント利益 122億9,900万円 (同 +10.0% )となりました。「ジョジョの奇妙な冒険」や「パペットスンスン」といった人気コンテンツとのコラボ施策や、「特ネタ中とろ」などの110円~の目玉商品投入により、幅広い客層の獲得に成功しました。
海外スシロー事業は、売上収益 940億6,600万円 (前年同期比 +60.0% )、セグメント利益 127億6,200万円 (同 +100.3% )と爆発的な成長を記録しました。中国大陸での積極的な新規出店(済南、江門など)や、台湾・香港・タイでの販促施策が当たり、海外でのスシローブランドが強固なものとなっています。特に利益面では、海外事業が初めて国内スシロー事業を上回る規模にまで成長しました。
京樽事業・国内杉玉事業についても改善が進んでいます。京樽事業は不採算店舗の整理により、売上は減少したもののセグメント利益は 3億9,200万円 (同 +763.8% )と大幅増益を達成。居酒屋業態の杉玉事業も店舗数が100店舗を超え、セグメント利益は 1億2,400万円 (同 +448.9% )と黒字幅を拡大させています。
| セグメント | 売上収益 | 前年同期比 | セグメント利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内スシロー | 1,445億円 | +12.0% | 122億円 | +10.0% |
| 海外スシロー | 940億円 | +60.0% | 127億円 | +100.3% |
| 京樽 | 112億円 | △6.4% | 3億円 | +763.8% |
| 国内杉玉 | 43億円 | +10.9% | 1億円 | +448.9% |
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内スシロー事業 | 1,445億円 | 57% | 123億円 | 8.5% |
| 海外スシロー事業 | 941億円 | 37% | 128億円 | 13.6% |
| 京樽事業 | 112億円 | 4% | 4億円 | 3.5% |
| 国内杉玉事業 | 43億円 | 2% | 1億円 | 2.9% |
通期見通しの修正と成長投資
中間期までの好調な推移を受け、通期の連結業績予想を上方修正しました。売上収益は前回予想から 150億円 引き上げ、営業利益も上方修正しています。旺盛な海外需要と国内の収益改善が続く前提であり、通期での過去最高業績の更新を視野に入れています。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正 | 前期実績 | 修正率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,900億円 | 5,050億円 | 4,297億円 | +3.1% |
| 営業利益 | - | 485億円 | 360億円 | - |
| 親会社所有者利益 | - | 300億円 | 229億円 | - |
※営業利益、純利益の修正額は短信本文の修正前数値が未記載のため修正後の目標値を記載。前期比では大幅増益を見込む。
財務状況と資本政策
総資産は、店舗網の拡大に伴う有形固定資産の増加や、現金及び現金同等物の積み上がりにより、前期末比 311億900万円 増の 4,297億400万円 となりました。親会社所有者帰属持分比率は 26.3% (前期末比 +2.3ポイント )に上昇し、自己資本の拡充も進んでいます。
株主還元策として、2026年7月1日付で1株を2株にする株式分割を実施します。これにより投資単位を引き下げ、より幅広い投資家層の獲得を目指します。また、分割考慮前の年間配当金は 40円 (前回予想比+5円、前期比+5円)となる実質的な増配も発表。好調な業績を株主へ積極的に還元する姿勢を鮮明にしました。
リスクと課題
業績は絶好調ですが、経営陣は以下のリスクを注視しています。
- 原材料・エネルギーコスト: コメをはじめとする原材料価格の高騰、および電気代等のエネルギー価格上昇が続いており、利益を圧迫する要因となります。
- 為替変動: 急激な円安の進行は、輸入品の仕入れコスト増を招くため、想定以上の変動は収益悪化のリスクとなります。
- 人手不足: 外食産業全体での労働力不足は慢性化しており、店舗運営の効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速が急務となっています。
- 地政学リスク: 中国大陸を含む海外展開を加速しているため、国際情勢の変化が店舗運営や物流網に与える影響を継続的にモニタリングする必要があります。
今回の決算で最も注目すべきは、「海外スシロー事業の利益が国内事業を追い抜いた」という構造的変化です。数年前まで国内頼みだった収益構造が、グローバル展開により完全に多極化しました。
特に中国市場では、景気後退懸念が言われる中でも、スシローのような高品質かつ手頃な価格帯の飲食店は「価値に対する納得感」から支持を集めていることが伺えます。
懸念点としては、国内での「コメ価格の高騰」です。短信でも言及されていますが、原価率の上昇をいかに付加価値の高いキャンペーン商品や効率化で吸収できるかが、後半戦の焦点となるでしょう。
株式分割と実質増配の発表は、市場の期待に応える強力なシグナルであり、就活生にとっても「グローバルに成長し、株主還元の余力もある企業」としての魅力が高まった内容と言えます。
