日本駐車場、2026年7月期通期決算、純利益21%増で16期連続増配へ

日本駐車場の2026年7月期決算を分析すると、売上高と各段階利益がそろって過去最高となり、増収増益を達成しました。売上高は407億円、営業利益は85億円、純利益は58億円で、純利益は前期比20.9%増です。駐車場の運営物件拡大や観光需要の取り込みが成長を支え、年間配当は9円と16期連続の増配を見込みます。

決算の数字通期
1年間の確定値(前年比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 今期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 407億円 | +10.5% | 457億円 |
| 営業利益 | 85億円 | +11.2% | 100億円 |
| 純利益 | 58億円 | +20.9% | 60億円 |
| 営業利益率 | 20.9% | ||
この決算のポイント
- 1売上高は407億円、営業利益は85億円で、ともに過去最高を更新
- 2テーマパーク事業は売上高が前期比16.9%増、営業利益は27.2%増
- 3スキー場のインバウンド来場者は54万4千人、前シーズン比23.2%増
- 4年間配当は9円で16期連続増配、2027年7月期は10円を計画
- 5伊豆観光開発を連結子会社化、総資産は前期末比22.1%増の610億円
業績のポイント
日本駐車場(日本駐車場開発)は、2026年7月期に売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてで過去最高を更新しました。売上高は前期比10.5%増の407億円、営業利益は11.2%増の85億円、純利益は20.9%増の58億円です。
- 経常利益: 前期比13.7%増の89億円。営業利益を上回る伸びとなりました。
- 1株当たり純利益: 18.35円で、前期の15.05円から上昇しました。
- 利益率: 営業利益率は20.9%で、前期の20.8%から小幅に上昇しました。
駐車場事業では、国内の運営物件が154物件純増し、検索サイト経由の問い合わせと成約も増加しました。スキー場では暖冬・小雪のなか人工降雪機が営業を支え、テーマパーク事業では来場者や宿泊者の増加、高価格帯の別荘販売が寄与しました。物価や人件費の上昇が続くなかでも、各事業で集客とサービス単価を高め、全事業の成長で過去最高益を実現した決算です。
セグメント別動向
駐車場事業は売上高192億円(前期比7.8%増)、営業利益49億円(9.9%増)でした。国内の運営物件は1,666物件、運営総台数は4万9,304台に増加。マンション付帯駐車場の提案強化や、月極駐車場検索サイト「日本駐車場検索」の集客が伸びました。バレーサービスに加え、ベルサービスやドアサービスへ領域を広げたことも収益機会の拡大につながっています。
スキー場事業は売上高115億円(前期比9.9%増)、営業利益23億円(5.7%増)でした。暖冬・小雪で自然降雪には恵まれませんでしたが、人工降雪機で営業期間を確保。インバウンド来場者は前シーズン比23.2%増の54万4千人となり、リフト券価格の見直しや付帯サービスの拡充で来場者1人当たりの売上高も過去最高水準となりました。
テーマパーク事業は売上高90億円(前期比16.9%増)、営業利益17億円(27.2%増)でした。遊園地の来場者は95万8千人(4.6%増)、宿泊者は22万6千人(6.8%増)。インフルエンサーやIPとの企画、ファミリー・ペット向けサービス、高額別荘の成約が伸びを後押ししました。
駐車場事業が安定した利益基盤を担う一方、テーマパーク事業は3事業のなかで最も高い増益率となりました。スキー場は来場者数が前期並みでも、インバウンドや客単価向上で増収増益を確保しています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 駐車場事業 | 192億円 | 47% | 49億円 | 25.7% |
| スキー場事業 | 115億円 | 28% | 24億円 | 20.6% |
| テーマパーク事業 | 89億円 | 22% | 17億円 | 19.1% |
| その他 | 11億円 | 3% | 2億円 | 18.6% |
通期見通し
2027年7月期は、売上高457億円(前期比12.3%増)、営業利益100億円(17.4%増)、純利益60億円(3.4%増)を見込みます。営業利益は初めて100億円を計画し、売上高と営業利益の伸びが純利益を上回る見通しです。
| 指標(百万円) | 2027年7月期予想 | 2026年7月期実績 |
|---|---|---|
| 売上高 | 45,700(+12.3%) | 40,707 |
| 営業利益 | 10,000(+17.4%) | 8,515 |
| 経常利益 | 10,000(+12.3%) | 8,906 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 6,000(+3.4%) | 5,801 |
事業別では、スキー場事業の売上高を前期比15.8%増、営業利益を26.4%増と見込んでいます。人工降雪機や索道設備への投資、インバウンド集客、通年型リゾートへの転換を進める計画です。テーマパーク事業も伊豆・天城エリアを含む事業拡大で増収増益を目指します。会社は業績予想の達成を約束するものではなく、天候や事業環境などで実績が変動する可能性があるとしています。
戦略トピック
日本駐車場は2026年3月、天城東急リゾートを運営する伊豆観光開発の全株式を取得し、伊豆・天城でホテル、ゴルフ、別荘事業を始めました。那須で培った施設運営や地域資源の活用を、地域ごとの特色に合わせて展開する「RX(地域変革)」の第2拠点と位置付けています。
- 伊豆・天城の拠点拡大: ホテルやゴルフ場のサービスを見直し、既存別荘を活用した宿泊事業などを進めます。
- 追加の事業取得: 2026年11月に、伊豆富士見ニュータウンを運営するNX不動産の全株式を取得する予定です。
- 地域事業の承継: 那須では栃木銀行と資本業務提携した「株式会社おむすび那須」を通じ、後継者不足などを抱える事業の価値を次世代につなぐ方針です。
- スキー場ネットワーク: 丸沼高原スキー場とアライアンス契約を結び、集客や運営ノウハウの共有を進めます。
施設単体の集客だけでなく、宿泊、観光、別荘、地域インフラを組み合わせてエリア全体の魅力を高める戦略です。M&Aで拠点を増やす一方、取得後の運営改善や人材確保、投資回収が成長の持続性を左右します。
財務状況と資本政策
2026年7月末の総資産は610億円で、前期末から110億円増加しました。自己資本比率は33.2%と前期末の38.3%から低下しています。成長投資やM&Aに伴って借入金が増えた一方、営業活動で得た現金は前期並みを維持しました。
| 項目 | 2025年7月期・期末 | 2026年7月期・期末 | 次期・会社計画 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 49,984 | 61,014 | ー |
| 自己資本比率 | 38.3% | 33.2% | ー |
| 営業CF(百万円) | 8,180 | 8,207 | ー |
| 投資CF(百万円) | -4,888 | -9,269 | ー |
| 年間配当(円) | 8.00 | 9.00 | 10.00 |
投資活動による支出は設備投資の拡大などで前期より増えました。自己株式の取得に25億円を充てる一方、年間配当は前期比1円増の9円とし、2027年7月期は10円を予定しています。会社は2027年7月期から3年間の配当最低水準を定め、2028年7月期は11円、2029年7月期は12円とする方針です。成長投資と継続増配を両立する考えですが、借入増加を踏まえた投資効率と財務余力の維持が重要になります。
リスクと課題
会社は、天候や季節による事業変動、人手不足、コスト上昇などを経営課題として挙げています。投資家は、観光需要の強さだけでなく、設備投資や買収後の収益化が計画どおり進むかも確認したいところです。
- 暖冬・小雪などの気象変動: スキー場は自然降雪や天候の影響を受けます。人工降雪機への投資で営業期間の安定を図る一方、気候変動への対応には継続投資が必要です。
- 人件費・エネルギー価格の上昇と人手不足: 駐車場の運営や観光施設の受け入れ体制に影響し、運営コストの増加が利益を圧迫する可能性があります。
- 観光需要と季節性: 訪日客や国内旅行の需要が堅調でも、景気や天候の変化で来場者数が変動します。スキー場の通年型リゾート化や顧客層の拡大が課題です。
- 借入と成長投資の負担: 総資産や設備投資が拡大し、自己資本比率は前期末から低下しました。M&Aや施設投資の収益化が遅れれば、財務負担が重くなるおそれがあります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/10)
261円
最新終値(2026/10/23)
277円+6.1%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#日本駐車場#決算#決算分析#通期決算#増収増益#駐車場事業#スキー場#テーマパーク#増配#伊豆観光開発
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コメント
駐車場の運営物件拡大を土台に、スキー場とテーマパークでも集客や客単価を伸ばし、3事業それぞれで増益を実現した点が強みです。暖冬のなかで人工降雪機が営業を支えたことや、観光客の多様化に合わせたサービス展開は、事業の変動を抑える取り組みとして評価できます。
一方、過去最高益の更新と並行して、設備投資やM&Aで資産と借入が増え、自己資本比率は低下しました。今後は伊豆・天城の収益貢献、スキー場投資の回収、配当を含む還元方針の継続性を見極める必要があります。成長拠点を増やすだけでなく、地域ごとの運営をどれだけ早く軌道に乗せられるかが次の焦点です。
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日本駐車場開発株式会社
東証 2353
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