キッコーマン・2026年3月期Q3、売上高3.2%増の5,528億円——海外は堅調、国内は豆乳が成長を牽引
売上高
5,528億円
+3.2%
通期予想
7,310億円
営業利益
608億円
-2.8%
通期予想
750億円
純利益
491億円
-4.4%
通期予想
600億円
営業利益率
11.0%
売上高は海外事業の伸びと国内の豆乳が好調で、前年比 3.2%増 の 5,528億円 となりました。利益面では円高の影響や広告費の増加が重なり、純利益は 4.4%減 の 490億円 と微減益ながら底堅く推移しています。世界的な日本食ブームを背景に、海外卸売が成長を支える構図が続いています。
業績のポイント
売上高は 5,528億円 (前年比 3.2%増 )で増収となりました。
営業利益は 607億円 (前年比 2.8%減 )で、わずかに減りました。
国内での価格改定や豆乳のヒットで利益は出ましたが、円高が重荷でした。
純利益は 490億円 (前年比 4.4%減 )と、前年を少し下回りました。
為替の影響を除けば、事業そのものは 実質増益 を維持しています。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 国内食料品製造・販売: 売上 1,237億円 ( 3.1%増 )。豆乳が健康意識の高まりで大きく伸びました。醤油は「いつでも新鮮」シリーズが好調な一方、業務用は苦戦しました。
- 国内その他: 売上 164億円 ( 0.1%減 )。臨床診断用酵素などは伸びましたが、運送事業が振るわず横ばいでした。
- 海外食料品製造・販売: 売上 1,273億円 ( 1.5%増 )。北米で家庭用の醤油が好調でした。欧州やアジアでも日本食人気を背景に売上が増えました。
- 海外食料品卸売: 売上 3,168億円 ( 3.8%増 )。日本食レストラン向けが好調で、北米や欧州など全地域で増収となりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内食料品製造・販売 | 1,238億円 | 22% | 96億円 | 7.8% |
| 国内その他 | 165億円 | 3% | 13億円 | 7.8% |
| 海外食料品製造・販売 | 1,273億円 | 23% | 320億円 | 25.1% |
| 海外食料品卸売 | 3,168億円 | 57% | 223億円 | 7.1% |
財務状況と資本政策
総資産は 7,311億円 で、前期末から 517億円 増えました。
自己資本比率は 74.8% と高く、極めて健全な財務状態です。
配当金は年間で 25円 を予定しており、前年と同水準を維持します。
約 209億円 の 自社株買い を実施し、株主への還元を強めています。
リスクと課題
- 為替変動: 米ドルに対して円高が進むと、海外の利益が目減りします。
- 原材料高: お米の価格高騰が一部の食品のコストを押し上げています。
- 物価高の影響: 消費者の節約志向により、一部の飲料や調味料が影響を受けています。
通期見通し
通期の業績予想は、前回発表から 変更ありません 。
売上高は 7,310億円 (前期比 3.1%増 )を見込んでいます。
営業利益は 750億円 (前期比 1.8%増 )で過去最高水準を目指します。
海外での醤油の浸透と、国内の収益性向上が達成のカギとなります。
キッコーマンは、もはや「日本の醤油会社」ではなく「世界の調味料・日本食卸売企業」としての地位を固めています。
今回の決算では、売上の約7割を海外が占めており、特に利益率の高い北米の家庭用醤油が安定している点が強みです。国内では豆乳がソイラテなどの新しい飲み方の普及により、再成長のフェーズに入ったことが確認できました。
懸念点は為替です。円高は海外利益の円換算額を減らすため、利益面では逆風となりました。しかし、為替影響を除いたベースでは成長が続いており、中長期的な競争力に揺らぎは見られません。
就活生の皆さんにとっては、海外駐在のチャンスが多く、国内でも健康という新機軸で市場を作っている、非常にダイナミックな企業と映るはずです。
