メドレー、2026年12月期第2四半期決算、営業利益67%増と年間18円配当
メドレーの2026年12月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比22.8%増、営業利益は67.4%増、純利益は131.2%増と大幅な増益でした。ジョブメドレーの顧客事業所数や医療機関向けサービスの利用が伸び、成長投資を続けながら利益も拡大。通期予想は据え置き、年間配当は前期のゼロから18円を見込みます。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 227億円 | +22.8% | 464億円 | 49% |
| 営業利益 | 24億円 | +67.4% | 30億円 | 83% |
| 純利益 | 15億円 | +131.2% | 18億円 | 83% |
| 営業利益率 | 10.8% | |||
この決算のポイント
- 1人材採用システム「ジョブメドレー」の顧客事業所数は期末比3.8%増の46.6万件
- 2医療プラットフォーム事業は売上高が前年同期比22.8%増も、成長投資で営業赤字が拡大
- 3米国事業などを含む新規開発サービスは、グッピーヘルスケア事業売却の影響で減収
- 4通期予想は据え置き、年間配当は前期実績ゼロから18円を予想
- 58月にリクルートメディカルキャリアの医師・薬剤師向け事業を10億円で取得
業績のポイント
メドレー(メドレー)の2026年1〜6月期は、売上高の伸びを上回るペースで利益が増えました。前年同期からの増加額と増減率は次の通りです。
| 指標(百万円) | 前年同期比 | 増減額 |
|---|---|---|
| 売上高 | +22.8% | +4,218 |
| EBITDA | +43.4% | +1,170 |
| 営業利益 | +67.4% | +985 |
| 経常利益 | +77.6% | +1,225 |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | +131.2% | +850 |
増収の主な背景は、人材プラットフォームと医療プラットフォームの双方で利用が広がったことです。会社は人材採用サービスのマーケティングやオンライン研修、医療現場向けAI機能の拡充にも投資しました。
成長投資を続けながら大幅増益となり、利益の伸びが売上高の伸びを上回りました。医療・介護分野では人材不足や財源問題が続くと会社は説明しており、採用支援と業務効率化サービスの需要を取り込みつつ、中長期の成長に向けた投資を進めています。
セグメント別動向
人材プラットフォーム事業が増収増益をけん引する一方、医療プラットフォームと新規開発サービスは先行投資に伴う営業赤字が続きました。売上高の伸び率と顧客基盤の動きから、事業ごとの状況を確認できます。
人材プラットフォーム事業は、売上高が前年同期比24.4%増、セグメント利益が29.2%増でした。ジョブメドレーの応募数が増え、事業全体の顧客事業所数は前連結会計年度末比3.8%増の46.6万件、掲載求人数は同1.3%増の47.7万件となりました。オンライン研修「ジョブメドレーアカデミー」も顧客事業所数が伸びています。
医療プラットフォーム事業は、売上高が前年同期比22.8%増でしたが、セグメント損失は484百万円と、前年同期の51百万円から拡大しました。利用医療機関数は前連結会計年度末比2.1%増の約2.3万件で、MEDLEY AI CLOUDの機能拡充や組織体制の強化を進めたことが赤字の背景です。
新規開発サービスは、売上高が前年同期比12.9%減、セグメント損失は385百万円でした。減収はグッピーヘルスケア事業の売却によるもので、米国の人材採用システムや介護施設検索サイト「みんかい」では、事業拡大に向けた投資と営業活動を続けています。2026年1月には「介護のほんね」を「みんかい」に統合しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 人材プラットフォーム事業 | 167億円 | 74% | 62億円 | 37.2% |
| 医療プラットフォーム事業 | 55億円 | 24% | -484百万円 | -8.8% |
| 新規開発サービス | 5億円 | 2% | -385百万円 | -75.0% |
財務状況と資本政策
中間期末の総資産は前連結会計年度末から増え、現金及び預金も積み上がりました。自己株式の取得を実施する一方、年間配当は前期の無配から18円を見込んでいます。
| 項目 | 2026年中間期末・実績 | 比較対象・前年同期 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 45,384 | 前期末 41,252 |
| 自己資本比率 | 33.0% | 前期末 35.9% |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 12,042 | 前期末 8,575 |
| 営業活動CF(百万円) | +3,326 | 前年同期 +1,929 |
| 投資活動CF(百万円) | -762 | 前年同期 -6,330 |
| 財務活動CF(百万円) | +898 | 前年同期 -1,055 |
| 年間配当予想 | 18円 | 前期実績 0円 |
| 自己株式取得(中間期) | 1,709百万円 | 862,200株を取得 |
営業活動で得た資金が前年同期を上回り、現金及び現金同等物は期末から3,467百万円増加しました。財務活動では借入金の返済と新規借入れを行い、自己株式の取得にも資金を充てています。
自己資本比率は前期末から低下しており、資産拡大や借入金の増加も合わせて見る必要があります。会社は年間配当予想を前期実績から引き上げる一方、将来の株式の希薄化懸念を抑えるため、後発事象として自己株式の消却も決議しました。
通期見通し
2026年12月期の通期業績予想は、2026年2月に公表した内容から変更ありません。中間期までの進捗率は営業利益が約82.9%、純利益が約83.2%と、利益面では通期予想に対して先行しています。
| 指標 | 2026年通期予想 | 前期比 | 中間期実績・進捗率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 46,400 | +26.1% | 22,683、48.9% |
| EBITDA(百万円) | 5,800 | +20.3% | 3,866、66.7% |
| 営業利益(百万円) | 2,950 | +37.2% | 2,446、82.9% |
| 経常利益(百万円) | 3,250 | +47.6% | 2,802、86.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 1,800 | +84.5% | 1,497、83.2% |
売上高は通期計画の半分弱ですが、人材プラットフォーム事業は入職が増える4月に売上高が偏りやすいと会社は説明しています。中間期の進捗だけで通期達成を判断せず、下期の採用需要や投資の継続、医療プラットフォーム事業の損失縮小を確認する必要があります。
戦略トピック
中間期末後の2026年8月3日、メドレーはリクルートメディカルキャリアが営んでいた医師・薬剤師の転職支援、採用支援事業を引き継ぐ会社の全株式を取得しました。取得対価は1,000百万円で、議決権比率は100%です。
- 事業取得の狙い: メドレーの集客力と、取得事業が持つアドバイザーによる採用支援の実績・ノウハウを組み合わせ、医師・薬剤師や病院領域でのシェア拡大を目指します。
- サービス拡張: 採用代行のオンラインサポート強化や多職種への展開を進め、将来は医療機関の人事業務を対象としたAI・DX活用のBPO事業も視野に入れています。
- 自己株式の消却: 8月13日の取締役会で930,000株の消却を決議し、8月31日の実施を予定しています。会社は将来の株式希薄化懸念を払拭することを理由に挙げました。
医師・薬剤師領域のサービスを補完する買収であり、既存の人材プラットフォームとの連携が進めば採用支援の範囲拡大につながります。買収後の統合状況や、成長投資が収益に結び付く時期が今後の焦点です。
リスクと課題
増収増益の一方で、事業ごとの収益性には差があります。会社が説明する市場環境や成長投資の影響を踏まえ、次の点に注意が必要です。
- 医療・介護の人材不足と財源問題: 医療や介護の提供体制を担う人材不足、財源問題が継続しています。顧客側の採用余力やサービス導入の判断に影響すれば、利用拡大のペースが鈍る可能性があります。
- 医療プラットフォームの赤字: AI機能の拡充や組織強化を優先しており、売上高が伸びても損失が拡大しています。投資が続く間は、連結利益の押し下げ要因となる可能性があります。
- 新規事業・米国事業の投資負担: 米国での事業拡大やオペレーション整備、「みんかい」のコンテンツ・紹介可能施設の拡充には費用がかかります。事業拡大が想定どおり進まなければ、損失負担が長引くおそれがあります。
- 季節性と通期予想の不確実性: 人材プラットフォーム事業は4月の入職に売上高が偏る傾向があります。通期予想は据え置かれていますが、下期の事業環境や投資の成果によって実績が変動する可能性があります。
とくに、主力の人材プラットフォームが生む利益を、医療・新規事業の投資にどう振り向け、いつ収益化につなげるかが重要です。事業取得後の統合や借入金の増加も含め、成長率だけでなく利益と財務の両面を追う必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/13)
2,177円
最新終値(2026/10/23)
2,461円+13.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#メドレー#決算#決算分析#四半期決算#増収増益#ジョブメドレー#医療プラットフォーム#年間配当#企業買収
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コメント
主力の人材プラットフォームが顧客基盤を広げ、売上高以上のペースで営業利益が伸びた点は好材料です。中間期の営業利益進捗率も高く、通期予想を据え置いたまま年間配当をゼロから18円へ引き上げる余地が生まれています。
一方、医療プラットフォームと新規開発サービスは赤字が続き、成長投資の回収はこれからです。リクルートメディカルキャリア由来の事業取得は既存サービスとの相乗効果が期待できますが、買収後の統合と投資負担を踏まえ、主力事業の成長を新領域の収益化につなげられるかに注目したい決算です。
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