みずほリース株式会社 の会社詳細
みずほリース株式会社
みずほリース
2026年3月期 第3四半期

みずほリース・2026年3月期Q3、純利益13.7%増の407億円——売上高は38%増と大幅伸長、資産積み上げが寄与

みずほリース
8425
増収増益
増配
持分法投資利益
TOB
再生可能エネルギー
不動産リース
金利上昇影響
決算レポート
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

6,398億円

+38.8%

営業利益

353億円

-1.0%

通期予想

450億円

進捗率78%

純利益

407億円

+13.7%

通期予想

450億円

進捗率90%

営業利益率

5.5%

みずほリースが5日に発表した2026年3月期第3四半期(4〜12月)の連結決算は、売上高が前年同期比 38.8%増6,398億円 、親会社株主に帰属する純利益が 13.7%増407億円 と増収増益を確保した。国内リースや不動産分野での営業資産が着実に積み上がったほか、持分法投資利益の拡大が利益を押し上げた。一方で、人件費や信用コストの増加により営業利益は 1.0%減352億円 と微減に転じている。

業績のポイント

当第3四半期の業績は、主力事業での資産規模拡大を背景に、売上高が 6,398億2,800万円 (前年同期比 +38.8% )と大幅な伸びを見せた。国内のリース・割賦事業および不動産分野における営業資産が順調に伸長し、収益のベースとなる売上総利益は 664億3,900万円 (同 +7.2% )に増加している。

利益面では、積極的な事業拡大に伴う人件費・物件費の増加や、将来の貸倒れに備えた信用コストの計上が重なり、営業利益は 352億6,700万円 (同 -1.0% )とわずかに前年を下回った。しかし、持分法適用会社からの投資利益が 170億200万円 (前年同期は143億7,500万円)へと拡大したことで、経常利益は 508億4,300万円 (同 +2.3% )の増益を確保した。

最終的な親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益として 42億5,000万円 を特別利益に計上したことも加わり、 407億700万円 (同 +13.7% )となった。資産原価の上昇(金利上昇)という逆風がありながらも、アセットの積み上げと営業外収益の強化によって、2桁の最終増益を達成した形だ。

指標2025年3月期 Q32026年3月期 Q3前年同期比
売上高4,609億円6,398億円+38.8%
営業利益356億円352億円-1.0%
経常利益497億円508億円+2.3%
四半期純利益358億円407億円+13.7%

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

主力のリース・割賦セグメントは、契約実行高が 7,227億円 (前年同期比 +1.4% )となり、セグメント利益は 204億6,000万円 (同 +8.1% )と堅調に推移した。特にオペレーティング・リースが前年同期比で伸長し、営業資産残高は前期末比 4.1%増2兆512億円 に達している。IT関連機器や産業機械など、幅広い業種での設備投資需要を取り込んだ。

ファイナンスセグメントは、契約実行高が 8,340億円 (同 +47.8% )と爆発的な伸びを記録したものの、セグメント利益は 138億6,200万円 (同 -19.8% )の減益となった。これは営業資産残高が前期末比 10.1%増 と大きく拡大する一方で、資金調達コストの上昇や一時的な費用発生が利益を圧迫したためだ。ただし、将来の収益源となる資産残高は着実に積み上がっている。

その他セグメントについては、セグメント利益が 20億600万円 (同 +29.0% )と大幅な増益を達成した。不動産関連のフィービジネスなどが寄与し、全体の利益水準を下支えしている。

セグメント売上高(外部)前年同期比セグメント利益前年同期比
リース・割賦5,966億円+40.5%204億円+8.1%
ファイナンス330億円+11.8%138億円-19.8%
その他100億円+49.4%20億円+29.0%
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
リース・割賦5,968億円93%205億円3.4%
ファイナンス345億円5%139億円40.2%
その他101億円2%20億円19.8%

財務状況と資本政策

2025年12月末時点の総資産は、前期末比 2,812億円増4兆1,793億円 となった。新規連結の影響や営業資産の積み増しにより、資産規模が拡大している。負債面では、短期・長期の借入金が合計で約 2,460億円増加 しており、有利子負債残高は 3兆5,094億円 (前期末比 7.1%増 )となった。金利上昇局面において、効率的な資金調達が今後の焦点となる。

自己資本比率は 9.9% となり、前期末の9.8%から 0.1ポイント上昇 した。利益の蓄積により純資産が 4,317億円 まで増加したことで、資産拡大を続けながらも一定の財務健全性を維持している。

株主還元については、期初予想から変更なく、年間配当金を1株当たり 50.00円 (前期実績47.00円から 3円増配 )とする方針を維持した。配当性向は連結ベースで 31.1% となる見込みで、安定的な配当継続と機動的な資本活用を両立させる姿勢を鮮明にしている。

リスクと課題

同社は今後の経営上のリスクとして、以下の要因に注視している。

  • 資金調達コストの上昇: 金利上昇局面において、リースの利ざや(スプレッド)が縮小するリスクがある。適切な価格転嫁と資金調達手段の多様化が求められる。
  • 信用コストの動向: 景気後退や物価高騰による取引先の業績悪化に備え、貸倒引当金の積み増しが必要になる可能性がある。
  • 中古物件の価格変動: オペレーティング・リースにおいて、リース終了時の物件売却価格が想定を下回るリスクがある。
  • 海外事業の不確実性: 持分法適用会社を通じた海外展開において、現地の経済状況や規制変更の影響を注視している。

通期見通し

2026年3月期の通期連結業績予想について、同社は前回発表の数値を据え置いた。売上高は開示していないが、純利益は前期比 7.0%増450億円 を見込む。第3四半期時点での純利益進捗率は 90.5% と極めて高く、通期目標の達成に向けて視界は良好だ。

項目前回予想今回修正前期実績修正の背景
営業利益450億円450億円489億円据え置き
経常利益600億円600億円662億円据え置き
当期純利益450億円450億円420億円据え置き

戦略トピック:インフラファンドへのTOB成立

当四半期の特筆すべき動きとして、完全子会社のエムエル・パワーを通じて実施していた ジャパン・インフラファンド投資法人(証券コード:9287)への公開買付け(TOB)が成立 した。2026年1月22日をもって成立し、29日付で同投資法人の投資口の 66.92% を取得した。

この買収により、再生可能エネルギー分野を中心としたインフラ資産への関与を深め、グループの環境・エネルギー事業を加速させる。アセットマネジメント機能の取り込みや、リース・ファイナンス機能とのシナジー創出を狙う成長投資として、今後の収益貢献が期待される。

AIアナリストの視点

今回の決算で最も注目すべきは、売上高の38.8%増という圧倒的なトップラインの伸びと、純利益の進捗率(90.5%)の高さです。営業利益が微減となった点は、先行投資的な人件費増や信用コストによるものであり、本業が揺らいでいるわけではありません。

むしろ、持分法投資利益を利益の柱として確立している点は、単なるリース会社から「アセットを基軸とした投資金融グループ」への変貌を感じさせます。ジャパン・インフラファンドへのTOB成立も、その戦略の一環と言えます。

投資家や就活生にとっては、以下の3点がポイントです:

  • 利益構成の多様化: リース料だけでなく、投資利益やフィービジネスが成長している点。
  • 高い進捗率: 通期予想の450億円に対しQ3で407億円を稼ぎ出しており、上振れ期待が持てる点。
  • 金利上昇への耐性: 資金原価増をアセットの質と量でカバーできるかが今後の焦点となります。