ニシオ、2026年9月期第3四半期決算は減収減益、万博特需の反動響く
ニシオの2026年9月期第3四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比3.2%減の1,578億円、営業利益は9.8%減の133億円、純利益は12.7%減の81億円となりました。大阪・関西万博関連の特需が一巡したうえ、建設資材の高騰や人手不足で新規工事の着工が遅れました。会社は通期予想を据え置き、データセンターや物流倉庫の工事、アジア競技大会関連需要による巻き返しを見込みます。

決算の数字第3四半期累計
期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,578億円 | -3.2% | 2,200億円 | 72% |
| 営業利益 | 133億円 | -9.8% | 200億円 | 67% |
| 純利益 | 82億円 | -12.7% | 122億円 | 67% |
| 営業利益率 | 8.4% | |||
この決算のポイント
- 1レンタル関連事業の売上高は前年同期比0.5%減、営業利益は8.6%減と利益の落ち込みが大きい
- 2その他事業は子会社売却やグループ再編の影響で売上高が前年同期比74.4%減
- 3通期営業利益予想は200億円で据え置き、第3四半期までの進捗率は66.7%
- 4年間配当予想は前期比1円増の132円、自社株買いの発表はなし
- 5総資産は前期末比208億円増の3,181億円、自己資本比率は46.6%から45.5%へ低下
業績のポイント
ニシオ(ニシオホールディングス)の2026年9月期第3四半期累計は、売上高、営業利益、純利益がそろって前年同期を下回りました。売上高は前年同期比3.2%減の1,578億円、営業利益は9.8%減の133億円、親会社株主に帰属する純利益は12.7%減の81億円です。
- 売上高: 前年同期から53億円減少。大阪・関西万博関連の特需反動に加え、新規工事の着工遅れが響きました。
- 営業利益: 前年同期から14億円減少。売上高が減る一方、販売費及び一般管理費は前年同期より34億円増えました。
- 売上総利益: 前年同期から19億円増加。売上原価は減少しましたが、販管費の増加を吸収しきれませんでした。
- 純利益: 前年同期比12.7%減。1株当たり四半期純利益も294.60円と、前年同期の337.59円から減少しました。
万博特需の反動と工事遅延で減収減益となった一方、データセンターや物流倉庫などの新築案件は動き始めています。給与・賞与などの人件費や販管費の増加も利益を押し下げており、今後は工事需要の回復が利益率の持ち直しにつながるかが焦点です。
セグメント別動向
レンタル関連事業は、売上高が前年同期比0.5%減の1,562億円、営業利益が8.6%減の128億円でした。売上高の減少幅は小さいものの、利益の落ち込みが相対的に大きく、工事の遅れや万博関連需要の反動が収益に表れています。
道路・土木分野では、羽田空港アクセス線の工期に遅れがあった一方、泥水処理設備や鉄道関連工事、関東・中部の土留め商材が売上を支えました。建築・設備分野では、東日本のプラント関連工事に加え、データセンター、物流倉庫、工場の新築案件が増加。イベント分野では、秋のアジア競技大会に向けて13会場の仮設商材需要を見込んでいます。
- その他: 売上高は前年同期比74.4%減の15億円、営業利益は78.4%減の0.75億円でした。子会社売却やグループ内再編による事業規模の縮小が主因です。
海外ではオーストラリアとベトナムが堅調でした。工事の遅れが残る一方、建設需要が回復すればレンタル機材の稼働や新規受注の改善が期待されます。足元では、データセンターなどの新築需要をどこまで売上・利益に結びつけられるかが重要です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| レンタル関連事業 | 1,563億円 | 99% | 129億円 | 8.2% |
| その他 | 15億円 | 1% | 75百万円 | 4.8% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末比7.0%増の3,181億円、自己資本比率は前期末の46.6%から45.5%に低下しました。貸与資産の積み増しや設備投資に伴い、資産と借入金がともに増えています。
| 指標 | 2026年6月末・予想 | 前期末・前期実績 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 3,181 | 2,972 | +7.0% |
| 自己資本比率 | 45.5% | 46.6% | -1.1ポイント |
| 現金及び預金(億円) | 675 | 622 | +8.5% |
| 年間配当(円) | 132 | 131 | +1円 |
長期借入金は前期末から75億円増え、リース債務も増加しました。現金及び預金は増えていますが、四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、営業・投資・財務各キャッシュ・フローの内訳は短信から確認できません。
配当予想は変更せず、年間132円としました。前期実績の131円から1円増配の計画です。自己株式取得の発表はなく、貸与資産への投資を進めながら、配当を通じて株主還元を維持する方針とみられます。
通期見通し
ニシオは2025年11月に公表した2026年9月期の連結業績予想を据え置きました。通期売上高は2,200億円、営業利益は200億円、親会社株主に帰属する当期純利益は122億円を見込みます。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 今回予想の前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 2,200 | 2,200 | 記載なし | +2.3% |
| 営業利益(億円) | 200 | 200 | 記載なし | +2.0% |
| 純利益(億円) | 122 | 122 | 記載なし | +0.7% |
第3四半期累計の進捗率は売上高71.7%、営業利益66.7%、純利益67.0%です。短信の抜粋には前期の通期実績額が示されていないため、表では前年比率を記載しています。
会社は夏場以降にデータセンターや物流倉庫の新築工事が動き出し、2026年9〜10月のアジア競技大会関連工事も本格化すると説明しています。予想達成には、残る第4四半期に売上高622億円、営業利益67億円、純利益40億円が必要となり、工事の進捗とイベント関連受注の計上が鍵です。
リスクと課題
会社は米国の関税政策や資源価格の高騰、中東情勢を含む地政学リスクなど、先行きの不透明さを指摘しています。通期予想は維持していますが、建設現場の着工遅れやコスト上昇が続けば、売上の回復や利益確保に影響する可能性があります。
- 工事の着工遅れ: 建設資材の高騰や作業員不足により予定工事が遅れ、レンタル機材や仮設商材の売上計上が後ずれするリスクがあります。
- 万博特需の反動: 大阪・関西万博関連の需要が一巡し、イベント関連の売上を別の案件で補えなければ、前年同期比での回復が遅れる可能性があります。
- 資源価格・関税: 資材や機材の調達コストが上昇すれば、利益率を圧迫するおそれがあります。価格転嫁や調達の工夫が課題です。
- 地政学・市場環境: 中東情勢の緊迫化などで経済や市場の不確実性が高まれば、顧客企業の投資判断や建設計画に影響する可能性があります。
一方、データセンター、物流倉庫、アジア競技大会関連の工事は需要回復の材料です。受注や引き合いが実際の稼働・売上に結びつく時期を見極める必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/31)
4,295円
最新終値(2026/10/23)
4,235円-1.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ニシオ#決算#決算分析#四半期決算#レンタル事業#建設需要#減収減益#配当#データセンター
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
売上高の減少以上に営業利益の落ち込みが大きく、販管費の増加が利益を圧迫した点は見逃せません。需要が戻るだけでなく、増加したコストを吸収できる収益構造に戻せるかが重要です。
一方で、データセンターや物流倉庫、アジア競技大会関連の需要が具体化しているのは追い風です。通期予想を据え置いた判断が妥当だったかは、第4四半期の工事進捗と利益率で評価したいところです。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/nishio-holdings/report/2026-Q3
関連記事
競合他社の最新記事
- 決算解説日本郵政2027年3月期 第1四半期日本郵政、2027年3月期第1四半期決算、純利益63.8%増で銀行業がけん引

- 決算解説リクルート2027年3月期 第1四半期リクルート、2027年3月期第1四半期決算、営業利益66%増で通期予想を上方修正

- 決算解説トランスコスモス2027年3月期 第1四半期トランスコスモス、2027年3月期第1四半期決算、増収も成長投資で営業減益

- 決算解説H.U.2027年3月期 第1四半期H.U.、2027年3月期第1四半期決算、営業利益2.4倍で黒字転換

- 取得期間延長リクルート10月14日i255、自社株買いの株式取得期間を延長。既存株式はすべて譲渡済みで追加取得へ向けて準備進める

掲載企業
ニシオホールディングス株式会社
東証 9699
これが最新の決算解説です





