ローム株式会社 の会社詳細
ローム株式会社
ローム
2026年3月期 第3四半期

ローム・2026年3月期Q3、営業利益97億円で黒字転換——車載・アミューズメント向け好調、減価償却法の変更も利益を押し上げ

黒字転換
パワー半導体
SiC
車載向け
構造改革
減価償却法変更
電気自動車
LSI
業績予想修正
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

3,695億円

+7.2%

通期予想

4,800億円

進捗率77%

営業利益

97億円

通期予想

60億円

進捗率162%

純利益

148億円

通期予想

100億円

進捗率148%

営業利益率

2.6%

売上高は前年同期比 7.2%増3,695億円 となりました。営業利益は前期の赤字から脱却し 97億円 の黒字へ転換しました。 車載向けやゲーム機向け の需要が伸びたことに加え、減価償却方法の変更などの会計上の要因も利益を大きく押し上げています。

業績のポイント

  • 売上高は前年同期より 7.2%増3,695億円 となり、着実に伸びました。
  • 営業利益は 97億円 を出し、前年同期の 110億円の赤字 から黒字に変わりました。
  • 利益改善には 減価償却方法を「定額法」に変えたこと が大きく寄与しています。
  • この会計変更により、営業利益が従来比で 148億円 増えるプラス効果が出ました。
  • 原材料費の上昇に対し、顧客への価格転嫁を進めたことも利益を支えました。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • LSI: 売上高は 8.6%増1,693億円 、利益は 400%増199億円 です。
  • 自動運転(ADAS)向けが調整中ですが、電気自動車(xEV)向けが好調でした。
  • 半導体素子: 売上高は 8.1%増1,558億円 ですが、 164億円の赤字 です。
  • 注力するSiCパワーデバイスは伸びましたが、品質関連の費用が一時的に出ました。
  • モジュール: 売上高は 2.9%減249億円 、利益は 11.1%増30億円 です。
  • 事務機向けは増えましたが、スマホ向けのセンサが減ったため減収となりました。
  • その他: 売上高は 2.3%増194億円 、利益は 76.2%増33億円 です。
  • 自動車や産業機器向けの抵抗器が好調に推移し、利益を伸ばしました。
セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
LSI1,694億円46%199億円11.8%
半導体素子1,558億円42%-16,488百万円
モジュール249億円7%30億円12.1%
その他194億円5%33億円17.2%

財務状況と資本政策

  • 総資産は前期末から 91億円 増えて 1兆4,499億円 となりました。
  • 自己資本比率は 63.8% となり、前期末の 61.7% から改善しています。
  • 期末配当は 25円 の予定で、年間配当は前期と同じ 50円 を維持します。
  • 設備投資を必要最小限に抑えることで、固定費の増加をコントロールしています。

リスクと課題

  • SiCパワーデバイス事業で発生した品質関連費用が、短期的には利益の重荷です。
  • 米国の通商政策など、地政学リスクによる市場の先行き不透明感があります。
  • 産業機器市場では在庫解消が進んでいますが、本格回復にはまだ時間がかかります。
  • 中国資本の半導体メーカーとの競争や、為替変動による影響が懸念されます。

通期見通し

  • 2026年3月期の売上高は 4,800億円 (前期比 7.0%増 )を見込んでいます。
  • 営業利益は 60億円 と、前期の 400億円の赤字 からの黒字化を目指します。
  • 想定為替レートは1米ドル= 153円 としており、円高進行がリスク要因です。
  • SiC事業のコストは一時的であり、来期以降は改善する見通しを立てています。
AIアナリストの視点

ロームの今回の決算で最も注目すべきは、表面上の黒字転換の裏にある「会計方針の変更」の影響です。減価償却方法を定率法から定額法に変えたことで、第3四半期だけで営業利益が約148億円押し上げられており、これを除けば実質的には依然として厳しい収益環境にあることが読み取れます。

一方で、戦略の中心であるSiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスは着実に需要を捉えており、品質関連の一時的な費用を除けば成長の軌道は維持されています。就活生にとっては、同社が「民生向けから車載・産業向け」へと大きくポートフォリオをシフトさせている過渡期にあることを理解しておくのが重要です。

財務面では自己資本比率が60%を超えており、先行投資を継続するための体力は十分にあります。SiC事業の品質関連コストが来期にどこまで解消されるか、そして価格転嫁がどこまで浸透するかが今後の焦点となるでしょう。