2026年3月期 第3四半期
ソフトバンクG・2026年3月期Q3、純利益5倍の3.1兆円——OpenAI評価益が寄与、AI投資を加速
大幅増益
OpenAI
ビジョンファンド
株式分割
AI投資
Arm
自己株消却
新セグメント
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)
売上高
5.7兆円
+7.9%
営業利益
4.2兆円
+228.0%
純利益
3.2兆円
+398.7%
営業利益率
—
売上高は 5兆7,192億円 (前年比 7.9%増 )、純利益は 3兆1,726億円 (前年比 398.7%増 )と大幅な増益を記録しました。OpenAIへの追加出資完了や AIコンピューティング事業 の新設など、AI中心の戦略が鮮明になっています。
業績のポイント
- 売上高は 5兆7,192億円 (前年比 7.9%増 )と順調に伸びました。
- 税引前利益は 4兆1,691億円 (前年比 228.0%増 )と急拡大しました。
- 親会社の所有者に帰属する純利益は 3兆1,726億円 (前年比 398.7%増 )です。
- ビジョン・ファンド事業での OpenAI評価益 が全体の利益を押し上げました。
- 2026年1月に1株を4株にする 株式分割 を実施しています。
業績推移(通期)
売上高営業利益|当期累計
セグメント別動向
- 持株会社投資事業: 投資利益 1,634億円。NVIDIA株の全売却やOpenAI関連で利益が出ました。一方でTモバイルやアリババの株価下落により損失も出ています。
- ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF): 投資利益 3兆5,952億円。SVF2がOpenAIへの出資により 2.5兆円 超の利益を出し、大きく貢献しました。
- ソフトバンク事業(国内通信): セグメント利益 8,468億円 (前年比 10.8%増 )。携帯契約数の増加やPayPayの成長が続き、増収増益を守りました。
- AIコンピューティング事業(新設): セグメント損失 918億円。Armの売上は好調ですが、Ampereの買収費用や研究開発への先行投資が重なりました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 持株会社投資事業 | 1,634億円 | — | -89,999百万円 | — |
| ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業 | 3.9兆円 | — | 3.6兆円 | — |
| ソフトバンク事業 | 5.2兆円 | — | 8,468億円 | 16.3% |
| AIコンピューティング事業 | 4,362億円 | — | -91,830百万円 | — |
戦略トピック:AI革命への巨額投資
- OpenAIへの追加出資: 合計 346億米ドル を出資し、持分比率は約 11% に達しました。
- Ampereを完全子会社化: 半導体設計の米Ampereを約 1兆円 で買収し、AIインフラを強化しました。
- 事業再編: Armを軸とした「AIコンピューティング事業」を新設し、AI事業をグループの核に据えました。
財務状況と資本政策
- 総資産は前期末から約 10兆円 増え、 55兆5,573億円 になりました。
- 自己資本比率は 28.1% と、前期末の 25.7% から改善しています。
- 5,000億円 規模の自己株式取得を完了し、全数を消却しました。
- 資産の現金化として、NVIDIA株やドイツテレコム株の売却を進めました。
リスクと課題
- 市場環境の変動: 投資先の株価や公正価値の変動が、連結業績に直接響くリスクがあります。
- AI投資の先行き: OpenAIや半導体分野への巨額投資が、将来十分な収益を生むかが焦点です。
- 為替の影響: 海外投資が多いため、円高に振れた場合に資産評価が目減りする恐れがあります。
AIアナリストの視点
今回の決算は、孫正義氏が提唱する「AI革命」の進展が、OpenAIの評価益という具体的な数字で証明された形となりました。特にSVF2によるOpenAIへの出資比率11%確保は、将来のASI(人工超知能)実現に向けた強力な布石と言えます。
一方で、新たに新設された「AIコンピューティング事業」は赤字スタートとなりました。これはAmpereの買収費用や積極的なR&D投資によるものであり、Armのロイヤリティ収入がどこまでこの投資を支え、グループ全体の収益の柱に育つかが今後の注目点です。
投資会社から「AI事業会社」への変貌を急いでおり、従来の通信事業による安定収益と、AI分野の爆発的な成長期待のバランスをどう維持していくかが、投資家や就活生にとっての長期的な観察ポイントになるでしょう。
