ステラ、2027年3月期第1四半期決算、増収増益、純利益は持分変動益で32%増

ステラの2027年3月期第1四半期決算は、半導体・電子材料向けの出荷や運輸事業の取扱量が伸び、売上高が前年同期比10.9%増、営業利益が1.6%増となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は持分変動利益の計上もあり32.1%増。原材料高を価格転嫁と運輸の採算改善で吸収する一方、通期予想は据え置きました。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 98億円 | +10.9% | 391億円 | 25% |
| 営業利益 | 12億円 | +1.6% | 48億円 | 26% |
| 純利益 | 11億円 | +32.1% | 34億円 | 32% |
| 営業利益率 | 12.7% | |||
この決算のポイント
- 1半導体・電子材料の出荷増などで売上高は前年同期比10.9%増の97億54百万円
- 2無水フッ酸の値上がりを価格転嫁し、営業利益は前年同期比1.6%増の12億42百万円
- 3持分変動利益2億76百万円を計上し、純利益は前年同期比32.1%増の10億94百万円
- 4高純度薬品の利益は減少した一方、運輸事業は採算改善でセグメント利益が増加
- 5年間配当予想は前期と同じ180円、2027年3月期の業績予想も据え置き
業績のポイント
ステラ(ステラ ケミファ)の2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比10.9%増の97億54百万円、営業利益が1.6%増の12億42百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が32.1%増の10億94百万円でした。売上の伸びを確保し、原材料高を吸収した一方、純利益には一時的な利益も寄与しました。
- 売上の押し上げ: 半導体部門と電子材料部門で出荷量が増え、仕入商品部門の販売も拡大しました。運輸事業の運送取扱量も増加しました。
- 原材料価格への対応: 主要原材料の無水フッ酸価格は前年同期より上昇しましたが、製品価格への転嫁を進めました。
- 利益の下支え: 運輸事業で採算が改善し、営業利益は増収に比べ小幅な伸びながら前年同期を上回りました。
- 純利益の押し上げ: 持分変動利益2億76百万円を特別利益に計上しました。前年同期にはなかった利益で、純利益の増加率を押し上げています。
売上総利益は前年同期比で増えたものの、販売費及び一般管理費も増加しており、営業利益の伸びは売上高の伸びを下回りました。純利益の大幅増をそのまま本業の成長とみなすのではなく、特別利益を除いた利益の動きにも目を向けたい決算です。
セグメント別動向
高純度薬品は出荷増で増収となりましたが、原材料高の影響などからセグメント利益は減少しました。運輸は取扱量の増加に加え、採算改善が進み、増収増益となりました。以下は外部顧客向け売上高とセグメント利益の前年同期比です。
| セグメント | 売上高の前年比 | 利益の前年比 |
|---|---|---|
| 高純度薬品 | +10.2% | -9.6% |
| 運輸 | +16.5% | +49.1% |
| その他 | -23.1% | +50.0% |
高純度薬品は、半導体・電子材料向けなどの出荷が伸び、外部顧客向け売上高は83億83百万円でした。一方、原材料の無水フッ酸が値上がりし、価格転嫁を進めても利益には重荷となりました。需要の伸びを利益の拡大につなげるには、販売価格への反映とコスト管理の継続が焦点です。
運輸は、外部顧客向け売上高が13億50百万円、セグメント利益が3億37百万円でした。運送取扱量の増加に加え、採算改善が利益を押し上げています。化学品物流で培った特殊貨物輸送のノウハウを生かし、安定した取扱量と収益性を保てるかが今後の注目点です。
その他には保険代理事業や自動車整備事業が含まれますが、連結業績に占める規模は小さく、全体への影響は限定的です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 高純度薬品 | 84億円 | 86% | 9億円 | 10.8% |
| 運輸 | 14億円 | 14% | 3億円 | 13.9% |
| その他 | 20百万円 | 0% | 3百万円 | 3.2% |
通期見通し
ステラは2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。第1四半期の実績は、売上高が通期予想の24.9%、営業利益が25.9%、親会社株主に帰属する当期純利益が32.2%に相当します。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 39,100 | 39,100 | +6.3% |
| 営業利益(百万円) | 4,800 | 4,800 | +3.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 3,400 | 3,400 | +11.2% |
会社は2026年5月14日に公表した予想から変更していません。第1四半期は増収増益で始まりましたが、純利益には持分変動利益が含まれるため、通期達成度を見る際は本業の利益が計画に沿って積み上がるかが重要です。無水フッ酸など原材料価格の変動や、価格転嫁の進み具合にも注意が必要です。
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から5億64百万円減少し、635億85百万円でした。自己資本比率は前期末の74.6%から75.1%へ上昇しています。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの内訳は確認できません。
| 項目 | 2026年6月末・当期 | 前期末または前期 | 増減・内容 |
|---|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 63,585 | 64,149 | -564 |
| 自己資本比率 | 75.1% | 74.6% | +0.5ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 12,929 | 14,817 | -1,888 |
| 年間配当予想(円) | 180 | 180 | 前期実績と同額 |
| 自社株買い | 開示なし |
現金及び預金の減少が総資産を押し下げた一方、負債も前期末から減り、自己資本比率は小幅に改善しました。配当予想は中間90円、期末90円で、前期の年間配当と同額です。自社株買いの実施に関する記載はなく、現時点では配当を維持しながら事業運営を続ける方針が示されています。
リスクと課題
会社は、国内経済の緩やかな回復を見込む一方、中東情勢や円安、物価上昇などを先行きの不透明要因として挙げています。原材料コストの上昇が続く場合、価格転嫁の遅れが利益を圧迫する可能性があります。
- エネルギー供給の不安定化: 中東情勢の影響でエネルギー供給への懸念が続けば、調達や物流のコスト上昇につながるおそれがあります。
- 円安と原材料高: 円安進行による原材料価格の上昇が続き、販売価格への転嫁が遅れれば、高純度薬品の利益率を押し下げる可能性があります。
- 物価上昇による需要への影響: 継続的な物価上昇が国内経済や顧客の投資判断に影響し、半導体・電子材料関連の需要や出荷に変化を及ぼすリスクがあります。
- 利益の一時要因への依存: 今期の純利益増加には持分変動利益が含まれます。本業の採算改善が伴わなければ、利益成長の持続性は弱まります。
価格転嫁と運輸事業の採算改善は足元の利益を支えましたが、原材料コストの変動が大きい局面では、その効果が続くかが重要です。半導体関連需要の動向とあわせて、次四半期以降の営業利益の伸びを確認する必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/21)
5,530円
最新終値(2026/10/23)
4,710円-14.8%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ステラ#決算#決算分析#四半期決算#高純度薬品#半導体材料#運輸事業#原材料価格#配当
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コメント
売上高の伸びに対し営業利益の増加が小幅にとどまった点は、原材料高が利益を圧迫する事業構造を示しています。価格転嫁に加え、運輸の採算改善が効いていることは前向きですが、利益成長の柱が複数続くかを見極めたいところです。
純利益の伸びには持分変動利益が寄与しました。通期予想は据え置かれており、今後は特別利益に頼らず、主力の高純度薬品で増収を利益につなげられるかが焦点です。
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