TRE、2027年3月期第1四半期決算、災害廃棄物の反動で大幅減益、資源リサイクルは増益

TREの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比15.3%減、営業利益は73.8%減、純利益は76.8%減となりました。能登半島地震に伴う災害廃棄物処理が前期にほぼ収束した影響が大きく、資源リサイクル事業の増益では補いきれませんでした。会社は第2四半期累計と通期の業績予想を修正し、災害廃棄物の反動が利益を圧迫しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 274億円 | -15.3% | 1,074億円 | 26% |
| 営業利益 | 20億円 | -73.8% | 87億円 | 23% |
| 純利益 | 12億円 | -76.8% | 50億円 | 24% |
| 営業利益率 | 7.3% | |||
この決算のポイント
- 1廃棄物処理・再資源化事業は災害廃棄物の処理収束で売上高が前年同期比51.8%減
- 2資源リサイクル事業は資源相場の上昇などで売上高23.8%増、セグメント利益168.6%増
- 3再生可能エネルギー事業は電力小売の販売量が前年同期の5.4倍に拡大した一方、390百万円の損失
- 4通期予想を修正し、年間配当予想は前期と同じ50円。中間25円、期末25円を見込む
業績のポイント
TRE(TREホールディングス)は2027年3月期第1四半期に、売上高274億48百万円(前年同期比15.3%減)、営業利益20億1百万円(73.8%減)、親会社株主に帰属する純利益11億77百万円(76.8%減)となりました。前年同期は能登半島地震に伴う災害廃棄物処理などが業績を押し上げており、その反動が大きく出ています。
- 災害廃棄物処理の反動: 能登半島地震に起因する処理支援事業は前期に概ね収束し、廃棄物処理・再資源化事業の減収減益につながりました。
- 利益率の低下: 売上総利益は前年同期の111億3百万円から57億51百万円に減少し、販売費及び一般管理費は34億60百万円から37億50百万円に増加しました。
- 資源リサイクルが下支え: 鉄・非鉄スクラップ相場の上昇や非鉄金属の選別強化を受け、資源リサイクル事業は増収増益でした。
前年同期にあった一時的な災害廃棄物処理の売上が薄れたうえ、人件費や販管費も増加し、利益の落ち込みは売上高の減少を上回りました。資源相場の上昇を取り込めた事業もあるものの、主力の廃棄物処理の収益減を埋めるには至っていません。
セグメント別動向
事業ごとの明暗が分かれ、資源リサイクル事業が増収増益となる一方、廃棄物処理・再資源化事業は災害廃棄物処理の反動で大幅減収でした。前年同期比を並べると、売上高・利益の増減が対照的です。
| セグメント | 売上高の前年比 | 利益の前年比 |
|---|---|---|
| 廃棄物処理・再資源化 | -51.8% | -85.2% |
| 資源リサイクル | +23.8% | +168.6% |
| 再生可能エネルギー | +35.4% | 損失拡大 |
| その他 | -20.1% | -80.7% |
廃棄物処理・再資源化事業は、能登半島地震の災害廃棄物処理が前期に概ね収束したことに加え、門前クリーンパークで災害廃棄物の受け入れが減少しました。北陸環境サービスでは豪雨による土砂崩れの影響で大型車両の搬入制限が続き、営業損失を計上しています。
資源リサイクル事業は、鉄・非鉄スクラップ相場が前年同期を大きく上回り、非鉄金属の選別徹底なども利益を押し上げました。人件費や減価償却費は増加しましたが、動力費の増加が限られたことも増益を支えました。
再生可能エネルギー事業は、発電所の法定点検や災害廃棄物関連売上の減少が重荷となりました。一方、タケエイでんきは既存取引先への営業を通じて新規契約を増やし、需要家への電力販売量を前年同期の5.4倍に伸ばしています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 廃棄物処理・再資源化事業 | 78億円 | 28% | 11億円 | 13.5% |
| 資源リサイクル事業 | 134億円 | 49% | 18億円 | 13.7% |
| 再生可能エネルギー事業 | 47億円 | 17% | -390百万円 | -8.3% |
| その他 | 16億円 | 6% | 41百万円 | 2.6% |
財務状況と資本政策
6月末の総資産は前期末から微減し、自己資本比率は48.5%と前期末をわずかに上回りました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの実績は短信から確認できません。
| 項目 | 2026年6月末・予想 | 前期末・前期実績との比較 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 170,370 | 前期末比891百万円減 |
| 純資産(百万円) | 85,313 | 前期末比45百万円増 |
| 自己資本比率 | 48.5% | 前期末48.4% |
| 現金及び預金(百万円) | 34,047 | 前期末比367百万円増 |
| 年間配当(円) | 50 | 前期実績と同額 |
2027年3月期の配当予想は中間25円、期末25円で、年間50円を維持する方針です。前期実績は中間20円、期末30円で、年間配当額は同じです。短信に自社株買いの発表はなく、短期借入金が前期末から32億円増える一方、長期借入金は14億15百万円減少しました。
通期見通し
TREは8月12日付で第2四半期累計と通期の連結業績予想を修正しました。通期予想は売上高1,074億円、営業利益87億円、純利益50億円で、前期比ではそれぞれ減収減益を見込んでいます。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 本短信に数値記載なし | 107,400 | 本短信に金額記載なし | -9.9% |
| 営業利益(百万円) | 本短信に数値記載なし | 8,700 | 本短信に金額記載なし | -61.1% |
| 純利益(百万円) | 本短信に数値記載なし | 5,000 | 本短信に金額記載なし | -66.1% |
第2四半期累計の予想は売上高535億円、営業利益36億円、純利益20億円です。短信本文には修正前の予想額や修正理由の詳細が載っていないため、今回の修正幅や会社が示した修正の背景は、同日公表の「業績予想の修正に関するお知らせ」で確認する必要があります。
リスクと課題
業績は災害廃棄物の発生・処理状況や資源相場に左右されるほか、施設の稼働や人員確保も収益に影響します。会社が示した市場環境と当四半期の事業動向から、注視すべき点は次の通りです。
- 災害廃棄物の反動: 能登半島地震に伴う処理支援が前期に概ね収束しました。災害関連の受け入れが減れば、対象事業の売上高や利益が押し下げられる可能性があります。
- 人手不足とコスト増: 建設業界では人手不足が深刻化し、受注抑制や納期の長期化が進んでいます。人件費や販管費の上昇が続けば、廃棄物処理や再資源化の採算を圧迫します。
- 資源相場の変動: 鉄スクラップなどの相場上昇は当四半期の資源リサイクル事業に追い風でしたが、相場や発生量の変化は売上高と利益の振れにつながります。
- 設備・施設の稼働制約: 発電所の法定点検や、豪雨による搬入制限が実際に業績に影響しました。設備トラブルや交通・搬入制限が長引けば、受け入れ量や発電量が減るリスクがあります。
- 電力市場価格: 電力市場価格が高い環境では、調達条件や販売価格の差が採算に影響します。固定価格での電力調達による効果が続くかどうかも注目点です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/12)
1,987円
最新終値(2026/10/23)
1,745円-12.2%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#TRE#決算#決算分析#四半期決算#廃棄物処理#資源リサイクル#災害廃棄物#再生可能エネルギー#配当
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コメント
前年同期は災害廃棄物処理の寄与が大きく、今回の減益率だけで基礎的な収益力の低下と決めつけるのは早計です。ただし、災害関連の売上が縮小した後に、廃棄物処理事業の通常収益やコスト上昇への対応力をどう示すかが重要になります。
資源リサイクル事業の大幅増益と、電力小売の販売拡大は明るい材料です。今後は資源相場の追い風に頼りすぎず、廃棄物の高付加価値化や受入単価の見直しが利益をどこまで支えるか、修正後の通期計画に対する進捗と合わせて見たいところです。
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