テレ東HD、2027年3月期第1四半期決算、広告不振で営業利益53%減

テレ東HDの2027年3月期第1四半期決算を分析すると、売上高は前年同期比4.8%減の376億円、営業利益は53.1%減の15億円、純利益は42.6%減の13億円となりました。主力の地上波放送でスポット広告やタイム収入が落ち込み、減益幅が売上減を上回りました。一方、配信やイベントは伸びており、広告依存からIP収益への転換が焦点です。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 376億円 | -4.8% | 1,680億円 | 22% |
| 営業利益 | 15億円 | -53.1% | 115億円 | 13% |
| 純利益 | 13億円 | -42.6% | 80億円 | 17% |
| 営業利益率 | 4.1% | |||
この決算のポイント
- 1地上波・BS放送事業は営業損失に転落、放送広告の弱さがグループ減益の主因となった
- 2アニメ・配信事業は営業利益が6.5%増、配信や海外向けライツが収益を下支え
- 3ライツ事業のイベント収入は70.9%増、有観客イベントの積極開催が寄与
- 4通期予想は据え置き、売上高1,680億円、営業利益115億円を計画
- 5年間配当予想は100円で前期と同額、中間・期末各50円の配分
業績のポイント
テレ東HD(テレビ東京ホールディングス)は、2026年4〜6月期の売上高が前年同期比4.8%減の376億25百万円、営業利益が53.1%減の15億35百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が42.6%減の13億43百万円となりました。売上高の減少に加え、利益率も低下し、営業利益は前年同期から17億36百万円減りました。
- 広告収入の減少: 地上波ではスポット収入が22.6%減、タイム収入も3.5%減となり、放送事業の売上と利益を押し下げました。
- 利益率の低下: 売上総利益は前年同期から約17億68百万円減少しました。販売費及び一般管理費はほぼ横ばいに抑えたものの、減収を吸収できませんでした。
- 配信・イベントの伸長: 配信ビジネスやイベントが伸び、アニメ・配信事業は増益でしたが、放送事業の落ち込みを補うには至りませんでした。
前期の第1四半期は営業利益が大きく伸びた反動もありますが、今回は広告市況の弱さが地上波収入に表れました。テレ東HDはアニメ、経済報道、独自IPの強化を掲げており、放送広告以外の収益をどこまで積み上げられるかが、業績回復の鍵となります。
- 売上高-4.8%
- 営業利益-53.1%
- 経常利益-44.7%
- 純利益-42.6%
セグメント別動向
地上波・BS放送事業は減収となり、営業損失に転じました。地上波ではスポット広告が大きく落ち込み、ネット・ローカル双方でタイム収入も前年を下回りました。「世界卓球2026」は過去最高売上を記録したものの、土日夕方の特別番組は計画に届きませんでした。BSでは番組制作費などの減少で増益を確保しましたが、セグメント全体の不振を補いきれませんでした。
アニメ・配信事業は増収増益でした。アニメでは「NARUTO」「BORUTO」「遊戯王」の海外販売や商品化が寄与した一方、前年の劇場版アニメの反動でアニメ部門の収入は減少しました。配信では「惡の華」などの配信権販売や「孤独のグルメ」シリーズのアーカイブ販売、テレ東BIZの有料会員売上が伸び、イベントも有観客開催の拡大で大きく伸長しました。
ショッピング・その他事業は増収増益でした。「虎ノ門市場」の新商品や「テレ東本舗。」のグッズ・映像商品が売上を支えました。一方、雑貨を扱う「テレ東ショッピング」では苦戦する商品もあり、商品ごとの売れ行きに差が出ています。
セグメントの成長率には、放送の広告収入とコンテンツ関連収入で明暗が分かれました。IPや配信の伸びは事業の多角化を示す一方、現時点では放送事業の利益減を埋める規模には達していません。
- 地上波・BS-7.3%
- アニメ・配信+1.6%
- ショッピング等+4.5%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 地上波・BS放送事業 | 219億円 | 58% | -566百万円 | -2.6% |
| アニメ・配信事業 | 120億円 | 32% | 22億円 | 18.3% |
| ショッピング・その他事業 | 37億円 | 10% | 2億円 | 4.9% |
財務状況と資本政策
2026年6月末の総資産は前期末から66億13百万円減の1,491億70百万円、自己資本比率は前期末の68.9%から71.0%へ上昇しました。第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業・投資・財務キャッシュ・フローの金額は開示されていません。
| 項目 | 2027年3月期1Q | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産(百万円) | 149,170 | 前期末比 -6,613 |
| 自己資本比率 | 71.0% | 前期末比 +2.1ポイント |
| 現金及び預金(百万円) | 45,918 | 前期末比 -3,322 |
| キャッシュ・フロー | 開示なし | 1Qの計算書は作成せず |
| 中間配当予想(円) | 50 | 前期実績15円 |
| 期末配当予想(円) | 50 | 前期実績85円 |
| 年間配当予想(円) | 100 | 前期実績と同額 |
現金及び預金の減少には売掛金の減少なども伴い、負債も前期末から減少しました。配当予想は変更されず、年間では前期と同額を維持する一方、中間と期末の配分は各50円としています。今回の短信では自社株買いの発表はありません。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月8日に公表した内容から変更ありません。売上高は前期比1.9%増の1,680億円、営業利益は0.9%増の115億円、親会社株主に帰属する当期純利益は3.9%増の80億円を見込みます。
| 指標(百万円) | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 168,000 | 168,000 | +1.9% |
| 営業利益 | 11,500 | 11,500 | +0.9% |
| 経常利益 | 11,800 | 11,800 | -1.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,000 | 8,000 | +3.9% |
第1四半期は営業利益が前年同期比で大きく減りましたが、会社は通期計画を据え置きました。国内外の不確実な環境を見込みながら、独自コンテンツの制作で放送収益を確保し、アニメの海外展開や配信、新たなIP・事業の開発を進める方針です。予想達成には、下期に広告収入が持ち直すかに加え、配信・海外ライツの成長を継続できるかが焦点となります。
リスクと課題
会社は、地政学リスクやエネルギー価格の高騰、円安の長期化などを背景に、先行きの不透明さが続くと説明しています。広告市況の変化やコンテンツの販売環境にも注意が必要です。
- 広告市況の低迷: スポット広告やスポンサー収入が弱含むと、放送事業の売上と利益をさらに押し下げる可能性があります。
- 地政学リスク・為替変動: 国際情勢や円安の長期化は企業活動や広告需要に影響するほか、海外向け事業の採算にも不確実性をもたらします。
- コンテンツのヒット依存: アニメの劇場作品やライセンス販売は作品ごとの実績に左右されます。前年の大型作品の反動が出たように、収入の振れが利益に波及するリスクがあります。
- 配信・海外展開の競争: 配信サービスや海外市場での競争が強まるなか、作品の調達・制作費に見合う販売収入を確保できるかが課題です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/7/22)
3,520円
最新終値(2026/10/23)
3,435円-2.4%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#テレ東HD#決算#決算分析#四半期決算#広告収入#アニメ・配信事業#IP展開#配当
この記事はいかがでしたか?
クリックで反応を送信(登録不要)
コメント
今回の決算は、放送広告の弱さをアニメ・配信が補う構図がはっきりしました。特に配信権販売やイベント、テレ東BIZの有料会員が伸びた点は、コンテンツを放送後も収益化する力が育っていることを示します。
ただし、アニメ部門そのものは前年の劇場作品の反動で減収です。IP収益の成長は見えるが、放送事業の利益減を埋めるにはまだ距離があるため、通期予想を維持できるかは広告市況の回復と、海外販売・配信収入の積み上がりを合わせて見る必要があります。
Googleで業界ダイジェストを優先表示
Google検索の「トップニュース」やAIによる概要で、当サイトの記事が見つけやすくなります。
この記事を引用・シェアする
転載・引用は無料・許可不要(出典明記のみでOK)
https://www.gyokaidigest.com/companies/tv-tokyo-holdings/report/2027-Q1
関連記事
民放テレビ局の最新記事
掲載企業

株式会社テレビ東京ホールディングス
東証 9413
これが最新の決算解説です








