ゼビオ、2027年3月期第1四半期決算、営業利益39%増の増収増益を達成
ゼビオの決算を分析すると、2027年3月期第1四半期は売上高が前年同期比6.1%増、営業利益が38.7%増となり、増収増益でした。シューズやゴルフの販売、ECの伸びに加え、店舗運営の効率改善が利益を押し上げました。純利益の大幅増には、前年同期に計上した固定資産処分損がなくなった反動も影響しています。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 682億円 | +6.1% | 2,646億円 | 26% |
| 営業利益 | 39億円 | +38.7% | 70億円 | 56% |
| 純利益 | 28億円 | +876.4% | 75億円 | 38% |
| 営業利益率 | 5.8% | |||
この決算のポイント
- 1一般競技スポーツ・シューズ部門はサッカーやランニング、ECが寄与し、売上高が前年比10.8%増。
- 2ゴルフ部門はギアやシューズが好調で、売上高は前年比5.5%増。
- 3スポーツアパレル部門は天候が響き、売上高が前年比7.1%減。
- 4期末のグループ店舗数は969店舗。第1四半期は8店を出店し、11店を閉店。
- 5年間配当予想は35円で前期と同額。業績予想に修正はありません。
業績のポイント
ゼビオ(ゼビオホールディングス)の2027年3月期第1四半期は、売上高682億42百万円(前年同期比6.1%増)、営業利益39億49百万円(同38.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益28億19百万円(同876.4%増)でした。売上の伸びと費用抑制で営業増益となり、純利益は前年の一時的な損失の反動も受けて大きく伸びました。
営業利益の増加を、損益計算書に記載された売上総利益と販管費の動きから整理すると、次の通りです。
前年同期の固定資産処分損がなくなったことが、純利益を大きく押し上げました。これは主に「ゼビオアリーナ仙台」の引き渡しに伴う損失で、今期の純利益の伸び率は通常の事業成長だけを示すものではありません。一方、売上総利益率は前年同期を下回ったものの、増収で売上総利益が増加し、店舗の生産性改善やリアル店舗の広告宣伝費抑制で販管費の増加を限られた範囲に抑えました。
- 前年同期28億円
- 売上総利益+13億円
- 販管費-2億円
- 当期39億円
セグメント別動向
開示上、ゼビオの事業は「一般小売事業」の単一セグメントです。セグメント別の売上高・利益は個別に開示されていないため、以下では会社が説明する商品部門ごとの売上動向を見ます。
前年同期比の動きには、商品分野ごとの差が出ました。
- ゴルフ: ギアやシューズを中心に、実店舗とECの販売がともに好調で、売上高は前年同期比5.5%増でした。
- 一般競技スポーツ・シューズ: サッカー関連商品、トレーニングシューズ、ランニング・ウェルネス関連商品が堅調で、売上高は前年同期比10.8%増でした。
- スポーツアパレル: 降雨や気温の影響で実店舗のトレーニングウェアなどが低調となり、売上高は前年同期比7.1%減でした。
- アウトドア・その他: トレッキング関連商品の販売は伸び悩みましたが、キャンプ用品の一部とECが堅調で、売上高は前年同期比2.1%増でした。
健康志向やスポーツイベントを背景に、ランニング、シューズ、一般競技スポーツへの需要が見られました。ECは全カテゴリーで前年を上回った一方、物価上昇による消費者の選別や天候の影響で、衣料品などは苦戦しており、販売チャネルと商品構成の両面で差が表れています。
- ゴルフ+5.5%
- 競技・シューズ+10.8%
- スポーツアパレル-7.1%
- アウトドア等+2.1%
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 一般小売事業 | 682億円 | 100% | 39億円 | 5.8% |
財務状況と資本政策
第1四半期末の総資産は2,124億94百万円で、前期末から64億98百万円増加しました。自己資本比率は56.2%と、前期末の57.2%から1.0ポイント低下しています。
| 項目 | 2027年3月期第1四半期末・予想 | 比較対象 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,124億94百万円 | 前期末比 64億98百万円増 |
| 純資産 | 1,198億84百万円 | 前期末比 15億70百万円増 |
| 自己資本比率 | 56.2% | 前期末 57.2% |
| 営業キャッシュフロー | 四半期計算書の作成なし | 数値開示なし |
| 年間配当予想 | 35円 | 前期実績 35円 |
現金及び預金は前期末から増加し、夏季商戦に向けて商品を拡充しながら、在庫水準を適切に保ったことなどが運転資本の改善につながりました。一方、短期借入金は前期末より増えています。四半期キャッシュフロー計算書は作成されておらず、営業キャッシュフローの金額は確認できません。配当予想に変更はなく、自社株買いについて短信に記載はありません。
通期見通し
2027年3月期の連結業績予想は、2026年5月15日に公表した内容から変更されていません。通期の売上高は2,646億円(前期比4.9%増)、営業利益は70億円(同195.2%増)を見込みます。
| 指標 | 前回予想 | 今回予想 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,646億円 | 2,646億円 | +4.9% |
| 営業利益 | 70億円 | 70億円 | +195.2% |
| 経常利益 | 71億円 | 71億円 | +52.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 75億円 | 75億円 | 短信に記載なし |
会社は、EC販売の伸長や実店舗の生産性改善などを進める一方、消費者物価の上昇や天候による商品需要のばらつきにも直面しています。第1四半期の増益には前年の一時損失の反動が含まれるため、今後は売上の伸びを利益率の改善につなげられるかが、通期計画の達成を判断するポイントです。
店舗網と経営構造改革
第1四半期は8店舗を出店する一方、11店舗を閉店し、グループの総店舗数は969店舗となりました。売場面積は前期末から1,546坪減少して20万7,275坪です。
- 店舗運営: 経営構造改革を続け、店舗の生産性改善や収益性の向上に取り組みました。
- EC投資: EC販売は全カテゴリーで前年を上回りました。広告宣伝費や新ECシステムの減価償却費は増えています。
- 資本効率: 会社は収益性の改善と資本効率の向上を重点施策に掲げています。
店舗数と売場面積を縮小しながら、ECや店舗運営の効率を高める方針が読み取れます。EC関連費用は短期的に利益を押し下げる要素にもなるため、投資が売上の持続的な拡大や利益率の改善につながるかを見ていく必要があります。
リスクと課題
物価上昇や天候の変化が商品カテゴリーごとの販売を左右しており、需要の強弱に応じた仕入れや在庫管理が課題です。会社も景気や消費者心理に影響する外部環境への注意を示しています。
- 物価上昇と選別消費: 消費者が購入商品を選別する動きが強まり、衣料品などの販売が想定を下回ると売上や粗利益に影響します。
- 天候による需要変動: 降雨や気温の推移で夏物やトレーニングウェアの動きが鈍り、実店舗の販売を押し下げる可能性があります。
- 市場・地政学リスク: 中東情勢や金融資本市場の変動が景気や消費者マインドに及ぼす影響を、会社は注意点として挙げています。
- EC投資と費用負担: ECの伸長に伴い広告宣伝費や新システムの減価償却費が増加しており、投資に見合う売上・利益の拡大が課題です。
スポーツ用品市場では健康志向やスポーツイベントが追い風となる一方、カテゴリー間の需要差が大きくなっています。販売動向に合わせた商品構成と、実店舗・EC双方の費用対効果が、利益成長を続けるうえで重要です。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/10)
1,135円
最新終値(2026/10/23)
1,097円-3.3%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#ゼビオ#決算#決算分析#四半期決算#スポーツ用品#EC販売#経営構造改革#配当予想#営業増益
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コメント
今回の決算は、ECの伸びと実店舗の効率改善が営業増益につながった点が評価できます。ただし、純利益の大幅増は前年の固定資産処分損がなくなった影響が大きく、利益の伸びをそのまま本業の成長率と捉えるのは慎重であるべきです。
今後は、売上総利益率が前年を下回った状態から改善できるかに注目したいところです。店舗網の見直しとEC投資を並行する中で、ECの成長を利益率の向上まで結びつけられるかが、通期計画の実現性を測る焦点です。
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掲載企業
ゼビオホールディングス株式会社
東証 8281
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