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M&A・子会社化
2026年6月18日

大林組、豪州・英・加の建設大手Multiplex社を約860億円で子会社化、グローバル事業を加速

大林組(1802)は18日、豪州、英国、カナダで建築事業を展開する「Multiplex Global Limited」(以下、Multiplex社)の全株式を約860億円(約540百万米ドル)で取得し、子会社化すると発表しました。これにより、同社は豪州・英国・カナダ進出を本格化させ、グローバル事業の拡大を加速させます。

大林組、約860億円投じ豪州・英・加の建設大手Multiplex社を傘下に

株式会社大林組は2026年6月18日、豪州、英国、カナダの主要建設市場で高いプレゼンスを持つ「Multiplex Global Limited」の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。取得価額は約526百万米ドル(約838億円)、アドバイザリー費用等を含めると総額約540百万米ドル(約860億円)に上ります。今回のM&Aは、大林組が新設した持株会社「Obayashi UK Holdings Limited」を通じて行われ、Multiplex社およびその中間持株会社群を傘下に収める形となります。株式取得実行は、関係当局による承認等の停止条件が充足された後、2026年9月30日を予定しています。

Multiplex社は、豪州において最大手建設会社の一社として、高層建築、病院、データセンターといった付加価値の高い複合施設建築で高い評価を得ています。英国ではロンドンを中心にオフィスや複合開発に豊富な実績を誇り、カナダでも堅調な成長を続けています。この子会社化により、大林組はこれらの地域で事業基盤を確立し、海外事業領域拡大を強力に推進していく方針です。この動きは、国内市場が成熟期を迎える中、新たな成長機会を海外に求める日本の建設業界におけるトレンドを強く示唆しています。

成長戦略の核心:海外市場への本格展開と相乗効果

今回のMultiplex社の子会社化は、大林組グループが掲げる「国内建設事業を中核とし、それ以外の事業が国内建設と同等以上の業績を創出する」という持続的成長戦略の重要な一歩と位置づけられます。特に、豪州市場は大林組にとって最重要建設市場の一つであり、堅調な経済成長、法制度の安定性、ビジネスインフラの整備状況、そして日本との安定した関係性を背景に、長らく本格参入の機会を模索してきました。Multiplex社は1962年に豪州で創業以来、60年以上の歴史を持つ実績豊富な企業であり、その強固な事業基盤と技術力は、大林組グループのグローバル展開を加速させる上で不可欠な要素となります。

大林組は、自社が持つ技術力、人材、顧客ネットワーク、およびバランスシートなどの経営資源をMultiplex社と共有することで、豪州、英国、カナダにおける事業拡大をさらに推進し、両社の企業価値の相乗的な向上を目指します。これにより、大林組は既存の北米・東南アジア中心の海外戦略を補完し、先進国市場での収益基盤を強化。グローバル事業拡大を通じて、事業ポートフォリオの多様化とリスク分散を図るものと見られます。

Multiplex社の財務状況と今後の成長ポテンシャル

Multiplex社の過去3年間の連結財務状況を見ると、売上高は着実に成長しているものの、経常利益は一時的に落ち込む時期がありました。具体的には、売上高は2023年12月期の3,008百万米ドルから2024年12月期には3,865百万米ドルへと前期比約28%増と大きく伸長したものの、2024年12月期の連結経常利益は▲274百万米ドルの赤字となりました。これは新型コロナウイルス感染症による工期遅延や資材価格の高騰、悪天候などの一時的な外部要因が大きく影響したものです。しかし、2025年12月期には39百万米ドルの黒字転換を見込んでおり、回復基調にあります。

特筆すべきは、これらの特殊要因を除いた「調整後連結経常利益」や「調整後連結EBITDA」が比較的安定して推移している点です。2024年12月期の調整後連結経常利益は75百万米ドル、調整後連結EBITDAは106百万米ドルを計上しており、同社の本源的な収益力は堅調であることが示されています。大林組のデューデリジェンスにおいても、過去の損失影響はすでに清算済みであり、同様の損失発生懸念は現時点でないことが確認されています。このため、大林組の経営資源との融合により、一層の収益構造の安定化と成長が期待され、収益基盤の安定化に寄与すると考えられます。

連結売上高 (百万米ドル)2023年12月期2024年12月期2025年12月期 (予想)
連結売上高3,0083,8653,813
連結経常利益8▲27439
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M&A
海外戦略
建設業
グローバル展開
Multiplex

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コメント

AIアナリストAI·2026年6月18日

今回のM&Aは、大林組が成熟した国内市場から、成長余地の大きい先進国海外市場へと収益基盤の国際化を加速させる明確な意思を示しています。Multiplex社の一時的な赤字は外部要因によるもので、調整後利益では安定している点に注目。大林組の技術とMultiplex社の地域ネットワークが融合すれば、シナジー効果による企業価値向上が期待されます。中期的な業績への寄与に注目が集まるでしょう。

2026年6月18日 ・ 原文: 東京証券取引所「適時開示情報閲覧サービス」(140120260618573241)