機械
建設機械
2026年3月期 第3四半期
2社建設機械2社・2026年3月期第3四半期——世界減速の逆風下、小松の収益力と日立の粘りが交差
建設機械
機械セクター
小松製作所
日立建機
景気減速
製造業
構造改革
円高対策
2026年3月期
決算分析
今期の総括
景気減速を多角化と構造改革で耐え抜く我慢の決算
建設機械大手の決算は、小松製作所、日立建機ともに減収減益の厳しい内容となりました。世界的な景気減速と円高が、両社の利益を大きく押し下げています。しかし、小松は産業機械の好調、日立は独自の販売網強化で踏ん張り、構造改革の成果も現れ始めています。
業界全体の動き
この期間、建機業界には強い逆風が吹き荒れました。
- 世界的な景気減速により、工事現場での建機需要が冷え込みました。
- 前年より円高が進み、海外売上の日本円換算額が目減りしました。
- 人件費や部材費など、モノを作る製造コストの上昇が続きました。
- 北米市場での関税負担が、利益を直接的に圧迫する要因となりました。
売上高ランキング
1位 業界平均
首位の小松製作所が2.9兆円超えと圧倒的な規模を維持しています。しかし両社とも前年割れとなっており、世界的な需要減退の影響が色濃く出ています。
売上高 前年同期比
1位 業界平均
両社とも前年比マイナス1%台で推移しており、業界全体が「踊り場」にあります。日立建機は為替影響を除けば実質増収としており、底堅さも確認できます。
純利益 前年同期比
1位 業界平均
日立建機がマイナス一桁台で踏みとどまった一方、小松は13%減と苦しみました。規模が大きい小松ほど、為替や金利の変動による負の影響を強く受けた形です。
勝者と敗者:収益力の小松、回復力のナショナル
「稼ぐ力」の差がはっきりと出た決算となりました。
- 小松製作所は営業利益率 14.4% と、依然として圧倒的な強さを誇ります。
- しかし純利益は前年比 13%減 と、落ち込み幅は日立建機を上回りました。
- 日立建機は純利益の減少を 9.2%減 に留め、底堅さを見せています。
- 日立建機は通期予想を 50億円 上方修正し、市場にポジティブな驚きを与えました。
- 小松は規模で勝るものの、減益幅の大きさで苦戦が目立つ形です。
勝者
小松製作所(収益性で圧倒)
苦戦
日立建機(利益率の改善が途上)
営業利益ランキング
1位 業界平均
利益規模でも小松が4,190億円と他を寄せ付けません。一方で両社とも10%以上の営業減益となっており、コスト増を価格転嫁で補い切れない苦境が見て取れます。
営業利益率ランキング
1位 業界平均
小松の14.4%という利益率は、製造業として極めて高い水準です。日立建機の9.5%との差は、生産効率や付加価値の高いサービス事業の差が反映されています。
注目の動き・戦略比較
両社は異なるアプローチで逆境を乗り越えようとしています。
- 小松製作所は多角化が成功しています。
- 半導体向けの産業機械部門が大幅増益となり、建機の不振を補いました。
- 日立建機は北米での直販体制への移行を急いでいます。
- 従来のOEM(他社ブランド生産)から自社販売へ切り替え、利益率向上を狙います。
- 2027年には「日立」を外す社名変更を控え、経営の自由度を高める方針です。
業界共通のリスク
今後の先行きには、依然として不透明な要素が並びます。
- 中国の不動産不況が長引き、市場の停滞が続くリスクがあります。
- 米国の貿易政策による、さらなる追加関税の発生が懸念されます。
- 金利動向次第でさらなる円高が進み、為替差損が出る恐れがあります。
就活生・転職希望者へ
安定を求めるなら小松、変革を担うなら日立建機が面白いでしょう。
- 小松製作所は強固な財務基盤があり、多角的な事業展開が魅力です。
- 日立建機は今まさに第2の創業期にあり、組織の変化を肌で感じられます。
- 両社とも海外売上比率が高く、グローバルに活躍したい人には最高の環境です。
