株式会社小松製作所 の会社詳細
株式会社小松製作所
小松製作所
2026年3月期 第3四半期

小松製作所・2026年3月期Q3、営業利益10.1%減の4,190億円——建機の販売減とコスト増が響く

小松製作所
建設機械
減益
半導体関連
スマートコンストラクション
配当維持
鉱山機械
中国市場低迷
製造業
第3四半期累計期初から9ヶ月間の累計値(前年同期比)

売上高

2.9兆円

-1.4%

通期予想

3.9兆円

進捗率75%

営業利益

4,190億円

-10.1%

通期予想

5,000億円

進捗率84%

純利益

2,698億円

-13.0%

通期予想

3,200億円

進捗率84%

営業利益率

14.4%

売上高は前年比 1.4%減2兆9,155億円 でした。主力の建設機械部門で 販売量の減少やコスト増 が重なり、全体の利益を押し下げています。一方で、半導体や自動車向けの産業機械部門は、メンテナンス需要などが好調で 大幅な増益 を記録しました。

業績のポイント

売上高は 2兆9,155億円 (前年比 1.4%減 )となりました。

営業利益は 4,190億円 (前年比 10.1%減 )と厳しい結果です。

建設機械の販売が振るわず、前年より円高に進んだこともマイナスでした。

純利益も 2,698億円 (前年比 13.0%減 )に沈んでいます。

新しい中期経営計画の初年度ですが、 逆風の中でのスタート となりました。

業績推移(通期)

売上高営業利益|当期累計通期予想残

セグメント別動向

  • 建設機械・車両: 売上高 2兆6,879億円2.2%減 )、利益 3,626億円14.7%減 )。

販売価格は上げましたが、売れる数が減り、部材コストも上がりました。

  • リテールファイナンス: 売上高 930億円1.1%増 )、利益 259億円19.1%増 )。

貸付残高が増えて利息収入が伸びたほか、資金調達コストが下がりました。

  • 産業機械他: 売上高 1,627億円10.9%増 )、利益 273億円81.1%増 )。

自動車向けの大型プレスや、半導体製造用のレーザー保守が 非常に好調 です。

セグメント売上高構成比営業利益営業利益率
建設機械・車両2.7兆円92%3,626億円13.5%
リテールファイナンス931億円3%260億円27.9%
産業機械他1,627億円6%273億円16.8%

地域別の建機需要

  • 北米: 売上高 4.2%減 。インフラ向けは底堅いですが、大型の鉱山商談が減りました。
  • 中南米: 売上高 9.0%増 。銅の需要が強く、チリなどで鉱山機械がよく売れています。
  • 欧州: 売上高 11.2%増 。インフラ投資が活発で、景況感も上向いています。
  • アジア: 売上高 29.3%減 。石炭価格の下落や予算削減が響き、 大きく苦戦 しました。
  • 中国: 売上高 8.6%減 。不動産不況が続き、大型機の需要が戻っていません。

財務状況と資本政策

総資産は 6兆3,079億円 となり、前期末より 5,344億円 増えました。

在庫(棚卸資産)が増えたことや、為替の影響が主な要因です。

自己資本比率は 53.3% と、健全な水準を維持しています。

配当予想は年間 190円 (前年同額)で、 変更はありません

リスクと課題

  • 資源価格の変動: 石炭価格の低下が、インドネシアなどでの需要を抑えています。
  • 中国市場の低迷: 不動産市況の回復が見えず、需要不足が続いています。
  • 為替の急激な変化: 前年比で円高に振れると、海外利益が目減りするリスクがあります。

戦略トピック

ICTを活用した 「スマートコンストラクション」 を着実に進めています。

日米欧豪でのICT建機化率は 29.5% まで高まりました。

無人ダンプトラック(AHS)の導入も累計 982台 に達しています。

東南アジアでは販売代理店との合弁会社を設立し、 サポート体制を強化 しました。

AIアナリストの視点

今回の決算は、世界的な景気減速の影響が色濃く出た形です。特に主力の建機部門で「売れる数が減り、作るコストが上がる」という苦しい局面が見て取れます。

注目すべきは「産業機械他」セグメントの躍進です。自動車や半導体といった異なる顧客層を持つことで、建機の落ち込みを一部カバーできています。これは企業の安定性を測る上でポジティブな要素です。

今後の焦点は、アジアや中国での需要回復のタイミングと、スマートコンストラクションによる「モノ売りからコト売り」への転換がどこまで利益率を改善できるかでしょう。中期経営計画の目標達成に向けて、2年目以降の巻き返しに注目です。