小松製作所・2026年3月期Q3、営業利益10.1%減の4,190億円——建機の販売減とコスト増が響く
売上高
2.9兆円
-1.4%
通期予想
3.9兆円
営業利益
4,190億円
-10.1%
通期予想
5,000億円
純利益
2,698億円
-13.0%
通期予想
3,200億円
営業利益率
14.4%
売上高は前年比 1.4%減 の 2兆9,155億円 でした。主力の建設機械部門で 販売量の減少やコスト増 が重なり、全体の利益を押し下げています。一方で、半導体や自動車向けの産業機械部門は、メンテナンス需要などが好調で 大幅な増益 を記録しました。
業績のポイント
売上高は 2兆9,155億円 (前年比 1.4%減 )となりました。
営業利益は 4,190億円 (前年比 10.1%減 )と厳しい結果です。
建設機械の販売が振るわず、前年より円高に進んだこともマイナスでした。
純利益も 2,698億円 (前年比 13.0%減 )に沈んでいます。
新しい中期経営計画の初年度ですが、 逆風の中でのスタート となりました。
業績推移(通期)
セグメント別動向
- 建設機械・車両: 売上高 2兆6,879億円 ( 2.2%減 )、利益 3,626億円 ( 14.7%減 )。
販売価格は上げましたが、売れる数が減り、部材コストも上がりました。
- リテールファイナンス: 売上高 930億円 ( 1.1%増 )、利益 259億円 ( 19.1%増 )。
貸付残高が増えて利息収入が伸びたほか、資金調達コストが下がりました。
- 産業機械他: 売上高 1,627億円 ( 10.9%増 )、利益 273億円 ( 81.1%増 )。
自動車向けの大型プレスや、半導体製造用のレーザー保守が 非常に好調 です。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設機械・車両 | 2.7兆円 | 92% | 3,626億円 | 13.5% |
| リテールファイナンス | 931億円 | 3% | 260億円 | 27.9% |
| 産業機械他 | 1,627億円 | 6% | 273億円 | 16.8% |
地域別の建機需要
- 北米: 売上高 4.2%減 。インフラ向けは底堅いですが、大型の鉱山商談が減りました。
- 中南米: 売上高 9.0%増 。銅の需要が強く、チリなどで鉱山機械がよく売れています。
- 欧州: 売上高 11.2%増 。インフラ投資が活発で、景況感も上向いています。
- アジア: 売上高 29.3%減 。石炭価格の下落や予算削減が響き、 大きく苦戦 しました。
- 中国: 売上高 8.6%減 。不動産不況が続き、大型機の需要が戻っていません。
財務状況と資本政策
総資産は 6兆3,079億円 となり、前期末より 5,344億円 増えました。
在庫(棚卸資産)が増えたことや、為替の影響が主な要因です。
自己資本比率は 53.3% と、健全な水準を維持しています。
配当予想は年間 190円 (前年同額)で、 変更はありません 。
リスクと課題
- 資源価格の変動: 石炭価格の低下が、インドネシアなどでの需要を抑えています。
- 中国市場の低迷: 不動産市況の回復が見えず、需要不足が続いています。
- 為替の急激な変化: 前年比で円高に振れると、海外利益が目減りするリスクがあります。
戦略トピック
ICTを活用した 「スマートコンストラクション」 を着実に進めています。
日米欧豪でのICT建機化率は 29.5% まで高まりました。
無人ダンプトラック(AHS)の導入も累計 982台 に達しています。
東南アジアでは販売代理店との合弁会社を設立し、 サポート体制を強化 しました。
今回の決算は、世界的な景気減速の影響が色濃く出た形です。特に主力の建機部門で「売れる数が減り、作るコストが上がる」という苦しい局面が見て取れます。
注目すべきは「産業機械他」セグメントの躍進です。自動車や半導体といった異なる顧客層を持つことで、建機の落ち込みを一部カバーできています。これは企業の安定性を測る上でポジティブな要素です。
今後の焦点は、アジアや中国での需要回復のタイミングと、スマートコンストラクションによる「モノ売りからコト売り」への転換がどこまで利益率を改善できるかでしょう。中期経営計画の目標達成に向けて、2年目以降の巻き返しに注目です。
