化粧品2社・2026年12月期上期比較、花王が利益率で先行し資生堂は急回復、勝者の強さと残る課題
化粧品関連2社はそろって増収増益となった。花王は売上高が前年比7.8%増。営業利益率は11%で、化粧品事業も黒字転換した。資生堂は売上高が6.2%増。営業利益は131.8%増と急回復し、規模の安定と利益の反発が分かれた上期となった。
今期の総括
花王は収益力、資生堂は回復力
業界全体の動き
両社とも売上高と利益が前年同期を上回った。ただし、成長を支えた要因には違いがある。
- 花王の売上高は前年比7.8%増、資生堂は6.2%増。花王は為替影響が4.4ポイントを占め、実質成長は3.4%だった。
- 花王は価格改定と高付加価値品が寄与した。実質成長3.4%のうち、価格要因は2.1%。数量などの伸びは1.3%にとどまる。
- 資生堂は営業利益が前年比131.8%増。構造改革やブランド構成の改善が利益回復を押し上げた。為替影響を除く売上高は0.2%減だった。
- 花王は化粧品事業が黒字に転換した。日用品なども含む全社の改善が、グループ収益を支えた。
花王は日用品などを含む総合メーカーだ。化粧品を主力とする資生堂とは事業範囲が異なる。売上高の単純比較には注意したい。
売上高ランキング
営業利益ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
総合的な勝者は花王だ。売上高は8,719億円で前年比7.8%増。資生堂の4,990億円、6.2%増を上回った。営業利益率も花王が11%、資生堂が8.4%と差がついた。
ただし、利益の伸び率では資生堂が勝る。営業利益は419億円で前年比131.8%増。花王は958億円、38.5%増だった。資生堂はコア営業利益も444億円と90.1%増で、回復の勢いが強い。
相対的に課題が残るのは資生堂だ。為替を除く売上高が0.2%減で、通期予想も据え置いた。中国市場の不透明さや欧州事業の赤字も残る。一方、花王は化粧品事業が黒字転換し、通期予想を上方修正した。収益力では花王、回復速度では資生堂という対比だ。
- 好調
- 花王
- 苦戦
- 資生堂


営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
資生堂は構造改革の成果が利益に表れた。営業利益は前年比131.8%増の419億円。コア営業利益は444億円で、ブランド構成の改善やコスト削減が寄与した。米州とアジア太平洋の黒字化も前進材料だ。通期予想は売上高9,900億円、営業利益590億円で据え置いた。
花王は価格改定と高付加価値製品へのシフトを進めた。化粧品事業の黒字転換に加え、全事業が伸長。売上高は前年比7.8%増、営業利益は38.5%増だった。通期予想は売上高1兆8,000億円、営業利益1,900億円へ上方修正した。
花王は物流最適化に伴う土地売却益115億円も出た。ただし、これを除いても営業利益は拡大した。資生堂はコストとブランド構成の立て直し、花王は価格と商品構成の改善が軸となる。
業界共通のリスク
- 中国市場の回復が遅れれば、販売や旅行者向け需要の重荷になる。資生堂は中国市場の不透明さを抱え、花王もシェア回復が課題だ。
- 為替変動で売上高や利益が振れる。花王は売上高の伸びに為替影響が4.4ポイント含まれ、円高局面では追い風が弱まる。
- 価格改定が数量減につながる恐れがある。花王の実質成長は3.4%だが、数量などの伸びは1.3%にとどまった。
- 原材料費や物流費の上昇は、利益率を圧迫しうる。値上げが競合との価格差を広げるリスクもある。
- 成分表示や広告、環境対応などの規制強化にも注意が必要だ。対応コストが増えれば、商品開発や販売戦略に影響する。
順位変化と構造トレンド
売上高、営業利益、営業利益率では花王が首位を保った。一方、営業利益の伸び率と純利益の伸び率は資生堂が上回る。資生堂の純利益は前年比211.4%増、花王は32.3%増だった。
この差は、今期の稼ぐ規模と回復の勢いが別の指標で表れたことを示す。花王は通期予想を上方修正し、資生堂は据え置いた。資生堂が利益回復を継続できるかが、次の焦点となる。
就活生・転職希望者へ
花王では、化粧品だけでなく日用品など幅広い事業を持つ強みが見える。価格戦略や高付加価値商品の企画、物流の効率化に関わる仕事が注目される。
資生堂では、ブランド力を保ちながらコスト構造を変える力が問われる。海外市場の分析や商品開発、事業再建に携わる機会がありそうだ。両社とも、売上拡大だけでなく利益を生む仕組みづくりが重要になる。
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