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機械
工作機械・精密加工
2026年3月期 通期
2
2026年5月17日
NEW · 3日前

工作機械・精密加工2社 2026年3月期通期——売上のアマダ、利益成長のオークマで明暗

工作機械
精密加工
オークマ
アマダ
2026年3月期
決算比較
製造業
半導体関連
航空防衛
M&A
株主還元

比較企業 · 2

今期の総括

売上規模のアマダ、利益成長のオークマ

工作機械業界は、国策・成長分野へのシフトで需要が底堅く推移しました。アマダは積極的なM&Aで売上高4,374億円と過去最高を更新。一方、オークマは航空・防衛向けの伸びを背景に、純利益が前年比30.9%増と爆発的な成長を遂げています。コスト増を跳ね返す稼ぐ力が問われる局面です。

業界全体の動き

工作機械業界は「二極化」が鮮明になりました。中国のEV関連が停滞する一方、日米の防衛・エネルギー分野への投資が加速しています。以下の3点が共通テーマです。

  • 航空・宇宙・防衛・エネルギー関連の設備投資が下期に急伸
  • 生成AIの普及に伴うデータセンターや半導体関連の需要が復活
  • 原材料費、人件費、輸送費の高騰が続く「コスト高」の常態化

各社とも、従来の自動車依存から脱却し、成長産業へリソースを集中させています。

売上高ランキング

業界平均

アマダが4,374億円で首位。積極的なM&Aにより、2位オークマとの売上規模の差を2,000億円以上に広げました。

営業利益率ランキング

業界平均

アマダが10.2%と、高収益の目安とされる10%台を維持。オークマは6.6%に留まり、収益性の向上が課題です。

売上高 前年同期比

業界平均

オークマが前年比14.1%増で首位。航空・エネルギー分野の強い需要を背景に、アマダを上回る成長率を記録しました。

純利益 前年同期比

業界平均

オークマが30.9%増と爆増。生産性向上と価格転嫁が奏功し、減益となったアマダと明暗がはっきり分かれました。

勝者と敗者:利益成長でオークマが圧倒

利益の「伸び率」で勝ったのはオークマです。純利益は前年比30.9%増126億円と、アマダ-5.7%を大きく引き離しました。オークマは価格転嫁と生産性向上を徹底し、増収分を効率よく利益に変えています。

一方、稼ぐ「規模」ではアマダが依然として強さを誇ります。営業利益は448億円で、オークマの約3倍です。しかし、米国関税や顧客工場の建設遅延が響き、増収減益となりました。

オークマ

勝者

オークマ

アマダ

苦戦

アマダ

営業利益ランキング

業界平均

アマダが448億円でトップ。前年比では減益ですが、絶対的な利益額では依然として業界内で抜きん出た存在です。

注目の動き・戦略比較

両社は異なる戦略で成長を狙っています。

  • アマダ: 「板金」の枠を超えた大型M&Aを連発。プレスや半導体基板加工の企業を買収し、事業領域を劇的に広げました。
  • オークマ: 受注残を確実にこなす生産体制の強化に注力。高付加価値な複合加工機で、航空・防衛などの「固い需要」を確実に取り込みました。

アマダは同時に500億円の巨額な自社株買いを発表。資本効率の向上を急いでいます。

業界共通のリスク

好調な受注の一方で、以下の懸念が全社に共通しています。

  • 地政学リスク: 米国の関税政策や、輸出規制による市場アクセスの制限
  • 人手不足: 顧客側での工場建設遅延や、自社の熟練技能者の確保難
  • 欧州景気: ドイツを中心とする欧州自動車産業の不振長期化

就活生・転職希望者へ

工作機械は「機械の母」と呼ばれ、日本の製造業の根幹です。現在はAIや半導体航空・宇宙といった最先端分野との接点が急拡大しています。単なる「ものづくり」ではなく、ソフトウェアやグローバルな事業開発に携わりたい人にとって、非常にダイナミックな環境です。