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2026年3月期 第3四半期
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工作機械・精密加工2社・2026年3月期Q3——自動化のオークマが快走、アマダは「産みの苦しみ」

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比較企業 · 2

今期の総括

受注はあるが、利益に変える力で明暗

深刻な人手不足が業界の追い風です。オークマは自動化需要を掴み、純利益13.9%増と絶好調。対するアマダは、M&Aで売上を伸ばすも、コスト増と検収遅れで営業利益は15.4%減となりました。旺盛な受注をいかに効率よく「利益」に変えるか、両社の明暗がくっきりと分かれています。

業界全体の動き

  • 深刻な人手不足: 世界中で「人の代わりに働く機械」への投資が加速しました。
  • 特定分野の爆食い: 航空宇宙やEV、データセンター向け需要が底堅く推移しました。
  • コストとの戦い: 部材費や人件費が上昇。価格転嫁のスピードが業績を左右しました。
  • 受注残の積み上がり: 需要は強いものの、製品を届ける「納期」の管理が課題です。

売上高ランキング

1位 業界平均

アマダが規模で圧倒。積極的なM&Aにより売上の土台を一段と大きく広げた結果です。

営業利益率ランキング

1位 業界平均

アマダが9%と高い利益率を維持。コスト増の中でも、稼ぐ力のポテンシャルは依然として高いです。

売上高 前年同期比

1位 業界平均

オークマが11.8%増と快走。北米や中国での自動化ニーズを、競合よりも着実に捉えています。

純利益 前年同期比

1位 業界平均

オークマの13.9%増が際立つ内容。生産効率の改善が、最終的な利益の伸びに直結しています。

勝者と敗者:利益を伸ばしたオークマ、足踏みのアマダ

今期の勝者はオークマです。純利益は85億円(前年比13.9%増)と大きく伸びました。北米や中国での大型案件を、高い生産効率で利益に変えたのが勝因です。一方、苦戦したのはアマダです。売上は2,950億円(前年比7.3%増)と規模を拡大しましたが、営業利益は265億円(前年比15.4%減)と沈みました。欧米の人件費高騰や、商品の引き渡しが遅れる検収遅れが利益を圧迫しました。

オークマ

勝者

オークマ

アマダ

苦戦

アマダ

営業利益ランキング

1位 業界平均

利益額はアマダが首位。しかし、人件費高騰や検収遅れが響き、前年からは大きく後退しました。

注目の動き・戦略比較

オークマは「効率化」を徹底しています。2026年1月稼働の新物流拠点(PDC)で、組み立てと物流を一体化。コストを抑えつつ納期を短縮する構えです。対するアマダは「規模の拡大」に動きました。2件の大型買収で、成長分野の半導体関連へ進出。足元の利益は削られましたが、将来の成長に向けた布石を打っています。現在は、膨らんだ受注をさばき切るための産みの苦しみの最中といえます。

業界共通のリスク

  • 米国の関税政策: 貿易摩擦による投資判断の冷え込みが懸念されます。
  • 人件費の高止まり: 欧米を中心とした賃金上昇が利益を削る要因です。
  • 納期の長期化: 受注は多いものの、部材不足などで納品が遅れるリスクがあります。

就活生・転職希望者へ

この業界は「社会の土台」を作る仕事です。人手不足という解決困難な課題に挑んでおり、やりがいは十分です。オークマは技術力と効率の良さ、アマダはグローバルな事業規模が魅力。どちらも高い受注残を抱えており、景気変動に左右されにくい安定したキャリアを築ける環境です。