二輪・パワースポーツ3社、2026年上期決算比較、ホンダ急伸とスズキ苦戦の明暗
ホンダは営業利益が前年同期比117.4%増となり、利益の伸びで先行した。ヤマハ発動機は営業利益率10.6%で首位。スズキは売上高の伸び率で首位ながら、原材料高を受け通期営業利益予想を下げた。ヤマハは中間期、ホンダとスズキは第1四半期の数字だ。増収の裏で利益の質に差が出た。
今期の総括
増収でも利益の伸びに差
業界全体の動き
3社とも増収となり、販売の拡大が業績を支えた。ただし、利益の伸び方には差がある。
- ホンダは売上高が前年同期比13.5%増、営業利益は117.4%増。前年のEV関連損失からの反動も利益を押し上げた。
- ヤマハ発動機は売上高が17.2%増、営業利益は88.6%増。二輪車を中心とするランドモビリティの販売と円安が追い風となった。
- スズキは売上高の伸び率が22.0%で3社中トップ。一方、営業利益の伸びは11.2%にとどまった。
純利益の伸びだけでは、本業の強さを測りにくい。スズキは金融資産の評価益が金融収益を押し上げた。中東情勢に伴う原材料高は、通期予想を下げる要因となった。
なお、比較期間はヤマハが中間期、他2社が第1四半期だ。売上高や利益の総額を単純に比べる際は注意したい。
売上高ランキング
営業利益ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
総合的な勢いでは、ホンダが勝者だ。営業利益は5,308億円で3社中最大。前年同期比117.4%増と、伸び率でもヤマハの88.6%増を上回った。四輪の黒字転換に、二輪と金融サービスの好調が重なった。
収益性ではヤマハ発動機が強い。営業利益率は10.6%で、スズキの9.3%、ホンダの8.8%を上回る。販売増が利益に結びついた点が目立つ。
最も苦戦しているのはスズキだ。売上高は前年同期比22.0%増と最も伸びたが、営業利益は11.2%増にとどまる。原材料高を受け、通期営業利益予想も前期比13.3%減の5,400億円へ下方修正した。純利益は80.0%増だが、金融資産の評価益の影響が大きい。
売上の伸びが利益に直結しない点が、スズキの課題を示す。
- 好調
- ホンダ
- 苦戦
- スズキ


営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
ヤマハ発動機は二輪車の販売拡大で利益率を高めた。通期売上予想は前期比14.4%増の2兆9,000億円へ上方修正。米国関税やOLV事業の構造改革費用は、下期の重荷となりうる。ROVからの撤退と、ATV・ゴルフカーへの集中も注目点だ。
スズキはインドを軸とする四輪販売が増収をけん引した。売上高の伸び率は3社中トップだが、中東情勢に伴う原材料高が利益を圧迫。通期営業利益予想を前期比13.3%減へ引き下げた。販売成長を利益に変えられるかが焦点となる。
ホンダは二輪と金融サービスが利益を支え、四輪も前年のEV関連損失から回復した。通期予想を上方修正した一方、米国関税やEV投資の負担は残る。四輪の利益改善を続けられるかが鍵だ。
3社の強みは異なる。ヤマハは二輪の収益性、スズキはインドでの販売力、ホンダは事業規模と利益回復が持ち味だ。
業界共通のリスク
各社の事業構成は違うが、外部環境の変化は利益を揺らす。特に次の点に注意したい。
- 原材料価格:スズキは原材料高を理由に通期営業利益予想を下げた。調達コストの上昇が長引けば、販売増の効果を弱める。
- 関税と為替:ヤマハは米国関税の影響を警戒する。円安は業績を押し上げる一方、為替が反転すれば追い風が弱まる。
- EV投資と商品構成:ホンダは前年のEV関連損失から回復したが、開発や投資の判断が今後の利益を左右する。
- 需要の変化:インドなど成長市場の販売が鈍れば、スズキの増収を支える柱が細る。地域ごとの需要を見極める必要がある。
為替や関税の影響は、各社で同じではない。投資家は売上高だけでなく、利益率と通期予想の変化も追いたい。
順位変化と構造トレンド
売上高と営業利益の規模では、ホンダが3社中トップ。売上高の伸び率ではスズキ、営業利益率ではヤマハ発動機が首位となり、強さの軸が分かれた。
営業利益率はヤマハ10.6%、スズキ9.3%、ホンダ8.8%。ただし、対象期間がそろわないため、順位は参考値として見るべきだ。ヤマハの高い利益率が続くか、スズキが原材料高を吸収できるかが次の注目点となる。
就活生・転職希望者へ
この決算から見えるのは、完成車の販売だけでなく、調達や為替、金融、電動化まで利益を左右することだ。二輪の収益改善を追うならヤマハ、インド市場の成長を見たいならスズキ、二輪・四輪・金融を横断した仕事に関心があるならホンダが比較材料となる。
海外営業や商品企画に加え、調達、原価管理、電動化技術も重要性が高い。どの会社でも、販売台数だけでなく利益を生む仕組みを作る力が求められそうだ。
タグ#二輪・パワースポーツ#自動車業界#2026年上期決算#ヤマハ発動機#スズキ#ホンダ#営業利益率#インド市場#原材料高#米国関税#EV投資
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