制御・計装機器2社、2027年3月期第1四半期比較、受注急増でも利益に明暗
制御・計装機器2社は、受注がそろって大きく伸びました。横河電機は測定器事業がけん引し、アズビルはFA市場の回復や大型案件が寄与しました。一方、利益は横河電機が小幅増、アズビルが減益です。受注の強さが利益に直結しない構図が、今期の焦点となりました。
今期の総括
受注急増でも利益に差
業界全体の動き
- 受注が売上を先行。横河電機の受注高は前年同期比23.1%増、アズビルは同28.5%増でした。両社とも将来の売上につながる案件を積み上げています。
- 売上成長は横河電機が優位。横河電機は前年同期比8.6%増、アズビルは同2.0%増でした。測定器事業の伸びが差を広げました。
- コストが利益を圧迫。横河電機の営業利益は同1.8%増にとどまり、アズビルは同4.8%減でした。販管費や研究開発費、人件費の増加が重荷です。
- 需要の追い風は複数。横河電機では測定器需要、アズビルではFA市場の回復や再開発案件が支えとなりました。
営業利益ランキング
売上高 前年同期比
純利益 前年同期比
勝者と敗者
総合的に好調なのは横河電機です。売上高は1,413億円で前年同期比8.6%増となり、アズビルの637億円、同2.0%増を上回りました。営業利益も横河電機は165億円で同1.8%増、アズビルは67億円で同4.8%減でした。
営業利益率も横河電機が11.7%、アズビルが10.6%と横河電機が上回りました。受注高の伸びはアズビルが28.5%増で、横河電機の23.1%増を上回ります。それでも利益面では、横河電機の測定器事業の伸びが売上成長を支えました。
最も苦戦したのは、営業減益となったアズビルです。ただし、純利益は前年同期比1.5%増でした。横河電機の純利益は同19.4%減ですが、前年にあった法人税等調整額の戻入の反動が主因です。営業面の実力と純利益の動きは分けて見る必要があります。受注増でも利益に差が出ました。
- 好調
- 横河電機
- 苦戦
- アズビル


売上高ランキング
営業利益率ランキング
注目の動き・戦略比較
横河電機は、測定器事業の大幅な伸びが目立ちます。受注高も前年同期比23.1%増となり、売上高の同8.6%増を上回りました。一方、営業利益の伸びは同1.8%にとどまり、受注を利益へつなげる力が今後の焦点です。
アズビルは、AA事業で半導体製造装置向けを含むFA市場の回復が追い風でした。BA事業は既設建物向けが支えとなり、横ばいを維持しました。受注高は前年同期比28.5%増でしたが、研究開発費や人件費の増加が利益を押し下げました。
公表データからは、両社とも大型のM&Aや新事業の発表は確認できません。横河電機は測定器需要の取り込み、アズビルはFAと建物向け案件の積み上げが、足元の成長戦略として表れています。
業界共通のリスク
- 受注から売上、利益への転換には時間差があります。大型案件の納期や検収が遅れると、業績計画に影響します。
- 人件費や研究開発費の増加が続けば、売上が伸びても利益率が下がる恐れがあります。アズビルは営業減益、横河電機も営業利益の伸びが小幅でした。
- 半導体やエネルギー関連の設備投資が弱まれば、測定器やFA向けの需要が鈍る可能性があります。
- 為替や原材料価格の変動は、海外案件の採算や調達コストを左右します。両社とも受注拡大を利益につなげられるかが問われます。
- 脱炭素や安全性への対応、制御システムのサイバー対策など、顧客の要求水準は高まっています。投資負担と競争力の両立が課題です。
順位変化と構造トレンド
売上高、営業利益、営業利益率では横河電機がアズビルを上回り、2社間の順位に変化はありません。一方、受注高の伸び率はアズビルが28.5%増で、横河電機の23.1%増を上回りました。
純利益の前年比ではアズビルが1.5%増、横河電機が19.4%減と順位が逆転します。ただし、横河電機の減益は前年の税効果の反動が主因です。短期の純利益だけで、事業の勢いを判断しないことが大切です。
就活生・転職希望者へ
横河電機では測定器や制御技術、アズビルでは工場の自動化や建物の運用管理が、事業理解の入口になります。受注が伸びても利益にはコストや納期が影響します。技術開発だけでなく、営業、施工、保守、顧客支援が連携する仕事にも注目です。
半導体やエネルギー、建物の省エネなど、顧客の現場課題に関わる機会があります。志望先を選ぶ際は、製品だけでなく、どの顧客や工程を支える仕事かも確認しましょう。
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