青山商事、2027年3月期第1四半期決算、増収も純利益が半減し主力のビジネスウェア苦戦

青山商事の決算を分析すると、2027年3月期第1四半期は売上高が前年同期比0.7%増の439億円となる一方、営業利益は4.4%減の13億円、純利益は49.7%減の3億円でした。カードやリペア、フランチャイズ事業が伸びたものの、主力のビジネスウェア事業が営業赤字に転落し、減損損失も利益を押し下げました。通期予想は据え置きです。

決算の数字第1四半期累計
期初から3ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 440億円 | +0.7% | 1,947億円 | 23% |
| 営業利益 | 13億円 | -4.4% | 117億円 | 11% |
| 純利益 | 3億円 | -49.7% | 76億円 | 4% |
| 営業利益率 | 3.0% | |||
この決算のポイント
- 1経常利益は前年同期比12.1%減の13億48百万円、受取補償金の反動などが響いた。
- 2ビジネスウェア事業は売上高2.4%減、営業損益は2億30百万円の黒字から赤字に転落。
- 3総合リペアサービス事業は売上高13.1%増、営業利益は前年同期比2倍超の1億40百万円。
- 4通期予想は売上高1,947億円、営業利益117億円で据え置き。年間配当予想は分割後38円。
- 5総資産は前期末比83億80百万円減の2,977億円、自己資本比率は58.6%に上昇。
業績のポイント
青山商事(青山商事)は、2027年3月期第1四半期に増収ながら営業減益となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も大きく減りました。売上高は前年同期比0.7%増、営業利益は4.4%減、純利益は49.7%減で、売上は持ち直すも利益は減少という内容です。
- 経常利益: 13億48百万円で前年同期比12.1%減。営業外収益が前年の受取補償金の反動などで減りました。
- 1株当たり利益: 2円27銭。前年同期の4円41銭から低下しました。2026年4月に実施した1株を3株とする株式分割を、比較対象にも反映しています。
- 特別損失: 減損損失は1億18百万円と前年同期の34百万円から増加し、純利益を押し下げました。
カード、総合リペアサービス、フランチャイズ事業は好調でしたが、売上規模の大きいビジネスウェア事業の不振を補いきれませんでした。雇用・所得環境の改善で景気は緩やかに回復した一方、物価上昇や原材料価格の高止まり、中東情勢や金融市場の変動など、先行きには不透明さが残ります。
セグメント別動向
主力のビジネスウェア事業が営業赤字に転じた一方、カード、総合リペアサービス、フランチャイズ事業は増収増益でした。次の表はセグメント間取引を含む各事業の売上高について前年同期との比較を示し、利益欄は営業利益の前年差です。
| セグメント | 売上高前年比 | 売上高前年差(百万円) | 営業利益前年差(百万円) |
|---|---|---|---|
| ビジネスウェア | -2.4% | -670 | -429 |
| カード | +9.3% | +124 | +66 |
| 印刷・メディア | +5.9% | +129 | +127 |
| 雑貨販売 | +0.9% | +33 | +38 |
| 総合リペアサービス | +13.1% | +461 | +73 |
| フランチャイジー | +13.8% | +558 | +70 |
| 不動産 | +0.7% | +8 | -4 |
| その他 | -86.3% | -235 | -15 |
ビジネスウェア事業は売上高が前年同期比2.4%減り、営業損益は前年の黒字から赤字になりました。6月の低気温や悪天候で半袖シャツ、夏物スラックスなどの販売が伸びず、既存店売上高は2.1%減でした。メンズスーツの販売着数も2.2%減でしたが、平均販売単価は1.3%上昇し、「みんなのスーツ」や高価格帯商品、オーダースーツは堅調でした。
カード事業は「AOYAMA PAY」の利用促進策が奏功し、ショッピング取扱高が増加しました。有効会員数は2026年5月末で379万人です。総合リペアサービス事業は海外事業がけん引し、日本ではスーツケース修理も伸びました。フランチャイジー事業は「焼肉きんぐ」のキャンペーン前倒しや「PISOLA」の好調が寄与しました。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ビジネスウェア事業 | 275億円 | 61% | -199百万円 | -0.7% |
| カード事業 | 15億円 | 3% | 7億円 | 47.3% |
| 印刷・メディア事業 | 23億円 | 5% | -38百万円 | -1.6% |
| 雑貨販売事業 | 39億円 | 9% | 1億円 | 2.7% |
| 総合リペアサービス事業 | 40億円 | 9% | 1億円 | 3.5% |
| フランチャイジー事業 | 46億円 | 10% | 4億円 | 7.9% |
| 不動産事業 | 11億円 | 3% | 3億円 | 24.5% |
| その他 | 37百万円 | 0% | -21百万円 | -56.8% |
通期見通し
青山商事は2027年3月期の連結業績予想を据え置きました。第1四半期は営業減益、純利益も大幅減となりましたが、会社は5月12日に公表した予想を変更していません。通期では増収増益を見込みます。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 前期比 | 5月公表予想からの変更 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,947億円 | +3.0% | 変更なし |
| 営業利益 | 117億円 | +10.5% | 変更なし |
| 経常利益 | 119億円 | +9.0% | 変更なし |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 76億円 | +9.9% | 変更なし |
第2四半期累計の予想は売上高842億円、営業利益1億円、純損失12億円です。季節性を踏まえた予想ではありますが、第1四半期の主力事業の苦戦を考えると、夏物商品の販売回復や各成長事業の伸びが通期計画の達成を左右します。短信には前期実績の各通期数値が比較表として掲載されていないため、ここでは会社公表の前期比を示しています。
財務状況と資本政策
総資産は前期末から減少しましたが、自己資本比率は上昇しました。四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、現金の増減は貸借対照表上の前期末比較で確認します。
| 項目 | 2026年6月末など | 比較・補足 |
|---|---|---|
| 総資産 | 2,977億15百万円 | 前期末比83億80百万円減 |
| 自己資本比率 | 58.6% | 前期末の57.9%から上昇 |
| 現金及び預金 | 553億25百万円 | 前期末比37億87百万円減 |
| 年間配当予想 | 38円 | 中間19円、期末19円 |
| 自社株買い | 記載なし | 今回の短信に実施の記載なし |
総資産の減少には、現金及び預金と受取手形・売掛金の減少が影響しました。負債も前期末から減り、短期借入金は増えた一方で、買掛金や社債、長期借入金などが減少しています。株式分割前の前期年間配当136円は分割後換算で約45円33銭となるため、今期予想38円は単純比較で約16%低い水準です。配当額を比べる際は1株を3株とした分割を考慮する必要があります。
リスクと課題
最大の課題は、売上構成の大きいビジネスウェア事業の収益回復です。会社が挙げた外部環境の不透明さに加え、季節商品の販売や既存店の集客が利益に与える影響にも注意が必要です。
- 天候と季節商品の需要: 低気温や悪天候が半袖シャツ、夏物スラックスなどの販売を鈍らせました。長期化する夏に向けた「涼」をテーマとする商品提案が、来店と売上の回復につながるかが焦点です。
- 物価・原材料価格の上昇: 原材料価格の高騰や物価上昇が続けば、仕入れ費用や消費者の購買行動を通じて利益を圧迫する可能性があります。
- 市場・地政学リスク: 中東情勢の不安定化や金融資本市場の変動が、景気や消費マインドに影響するおそれがあります。
- 減損損失と事業収益性: ビジネスウェア事業と不動産事業で減損損失を計上しました。事業環境の変化が続けば、追加の損失や利益計画への影響が生じる可能性があります。
カード、リペア、フランチャイズなど複数事業が伸びている点は支えですが、主力事業の採算改善が遅れれば、通期の利益成長計画の達成が難しくなります。事業ごとの成長が連結全体の利益につながるかを、次四半期以降も見極める必要があります。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/8/7)
737円
最新終値(2026/10/23)
752円+2.0%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#青山商事#決算#決算分析#四半期決算#ビジネスウェア#洋服の青山#AOYAMA PAY#減益
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コメント
増収でも純利益が半減した背景には、主力のビジネスウェア事業の赤字転落に加え、受取補償金の反動や減損損失の増加があります。単に売上規模を追うより、主力事業の採算をどう立て直すかが重要な決算です。
一方、カードやリペア、フランチャイズ事業の伸びは、スーツ販売への依存を抑える事業分散の成果として注目できます。次の焦点は、夏物商品の需要回復と、これらの成長事業が主力の利益不足をどこまで補えるかです。
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青山商事株式会社
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