アダストリア、2027年2月期第2四半期決算、営業利益34.6%増の好調持続も純利益は横這い

営業利益が過去最高を更新。アダストリアの2027年2月期第2四半期決算で、営業利益が前年同期比34.6%増の107億31百万円となり、大幅な増益を記録しました。これはECプラットフォーム「and ST」の成長と海外事業の拡大が寄与した結果です。純利益は横這いにとどまるものの、通期予想を変更せず堅調な推移を維持しています。

決算の数字第2四半期累計
期初から6ヶ月間の累計値(前年同期比)
| 項目 | 実績 | 前年比 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,521億円 | +1.9% | 3,140億円 | 48% |
| 営業利益 | 107億円 | +34.6% | 172億円 | 62% |
| 純利益 | 60億円 | -0.6% | 105億円 | 57% |
| 営業利益率 | 7.1% | |||
業績のポイント
アダストリア(株式会社アンドエスティHD)の2027年2月期第2四半期累計決算は、営業利益の大幅な拡大が印象的でした。売上高は1521億10百万円で前年同期比1.9%増となりました。背景には、カジュアルファッション需要の底堅さと、ECサイト「and ST」を中心としたグループ間シナジーの強化があります。
特に注目すべきは利益率の改善です。営業利益は107億31百万円(前年比+34.6%)、経常利益も110億66百万円(同+42.0%)と、どちらも過去最高水準を更新しました。売上総利益率は前年同期比1.3ポイント改善し、販売費及び一般管理費率も0.3ポイント改善しています。これは、コスト高を値上げで吸収する「適時・適価・適量」の在庫コントロールと、生産背景の見直しが奏功したためです。
一方で、親会社株主に帰属する中間純利益は59億51百万円となり、前年同期比0.6%減となりました。これは、為替差益や特別功労金等の特別収支が影響しているためで、実質的な営業基盤である営業利益の成長を正確に反映していません。2,270万人に達したand ST会員数の拡大も、長期的な収益力向上の礎となっています。
セグメント別動向
セグメント別の動向を見ると、アパレル・雑貨関連事業がグループ成長を牽引しています。売上高は1441億92百万円(前年同期比+2.0%)、セグメント利益は111億10百万円(同+42.9%)と、大幅な増益となりました。国内ではトレンドを捉えた商品展開とプロモーション施策が功を奏し、特にM&Aで加わったカリマーインターナショナルの純増も寄与しました。
海外事業においては、中国大陸での内需低迷にも関わらず、コストを抑えた標準型店舗出店とECのクロスチャネル戦略により、売上高が前年同期比24.2%増と大きく拡大しました。香港(+16.2%)、台湾(+22.5%)でも好調です。ただし、米国事業からの撤退影響により海外全体の売上は11.4%減となりました。
一方、飲食事業(株式会社ゼットン等)は厳しさが増しています。売上高は80億42百万円(同+1.1%)とわずかな増収にとどまりました。原材料費や人件費の高騰によりセグメント損失が43百万円となりましたが、価格改定等で原価高騰を吸収し、売上総利益率は横ばいを維持しています。
ブランド別の構成比を見ると、レディース(トップス・ボトムス)が全体の57.6%を占める主力です。雑貨部門が27.4%と存在感を示しており、メンズは15.0%で前年比減少となっています。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| アパレル・雑貨関連事業 | 1,441億円 | 95% | 111億円 | - |
| 飲食事業 | 80億円 | 5% | -0.43百万円 | - |
財務状況と資本政策
財政基盤の充実も見逃せません。総資産は1兆3831億5百万円、自己資本比率は62.1%と健全な状態を維持しています。純資産は前期末比44億円増え、利益剰余金の積み上がりが寄与しています。
キャッシュ・フロー状況では、営業活動による資金が86億35百万円の収入となりました。投資活動では新店舗出店や無形固定資産取得等で56億円を使用しましたが、財務活動では配当支払い等により32億円の使用となりました。
資本政策においては、年間配当金の予想は前年度同額の90円(中間45円+期末45円)を維持しています。これにより、第2四半期末からの配当支払いは既に実施されています。また、通期業績予想については修正を行わず、売上高3兆1400億円、営業利益172億円等を引き続き目指す方針です。
リスクと課題
今後の主なリスク要因として、継続する円安による製造コスト上昇が挙げられます。これは原価押し上げとなり、利益率を圧迫する要因となっています。また、消費者の節約志向や価格感度の高まりも売上拡大の障壁となります。
外部環境としては、中東情勢の緊張や為替市場の変動により世界経済の先行きが不透明である点です。特に海外事業においては、中国の不動産不況による消費の足踏みが続いているため、成長戦略がどの程度機能するかが注目されます。
米国における過去の助成金受給に関する当局調査等、特定の地域で法的リスクが残っている点にも留意が必要です。しかし、プラットフォーム化を進めることで価格競争から脱却し、LTV(顧客生涯価値)を高める施策が、これらの課題に対する重要な解決策となっています。
通期見通し
アダストリアは2027年2月期の通期業績予想を変更していません。前期実績と比較すると以下の通りです。
| 項目 | 前期実績 | 当期予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 304,263百万円 | 314,000百万円 | +3.2% |
| 営業利益 | 16,521百万円 | 17,200百万円 | +4.1% |
| 経常利益 | 16,832百万円 | 17,200百万円 | +2.2% |
| 純利益 | 9,500百万円 | 10,500百万円 | +10.5% |
第2四半期で営業利益の目標達成ペースが順調であるため、通期予想の上方修正も市場から期待されていますが、会社側は慎重な姿勢を保っています。
決算発表前後の株価推移
決算発表当日の終値(2026/9/30)
3,090円
最新終値(2026/10/23)
3,170円+2.6%
※ 日次終値ベースの参考チャートです。リアルタイムの株価ではありません(株式分割調整済み、1年以上前は週次の終値)。2026/10/25更新
タグ#アダストリア#決算#決算分析#第2四半期決算#中間決算#増収増益#ECプラットフォーム#and ST#アジア展開#投資
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コメント
営業利益率の拡大が魅力。売上高は微増ながら、コスト抑制と価格転嫁により営業利益が大幅に拡大している点は高く評価できます。特に中国事業が内需低迷を跳ね返し、大きく貢献しているのは意外性及び成長可能性を示しています。
懸念点としては、純利益が横ばいであることや、米国の法的リスクが残っている点です。また、米国撤退による海外全体の減収は、今後東南アジア等でのカバーが鍵となります。
__注目すべきは「and ST」の会員基盤の強さ==。2,270万人という規模はプラットフォーム事業としてのポテンシャルを示しており、単なるアパレル小売から脱却した成長ストーリーを描けるかどうか。通期予想をどの程度上振れさせるかが、次の投資判断の焦点になります。
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掲載企業

株式会社アダストリア
東証 2685
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